Blue誌の原稿を書いている。

「感動」について、という題。

いつも感動しまくっている俺は、気持ちよくがんがん書いていると、

「ＲＲＲＲ」と電話が鳴り、見るとそれはドッキーからで、

「サーファー誌の最新号の見本刷りが届きマシタ?！」

と言ってメール添付でその画像を送ってきた。

そこにあったのは、俺がデザインした２ヘッドRAVEN、

つまり双頭渡烏（ワタリカラス）のラミネートが大きく入ったＮＤ９だった。

ＵＳではＮＤＲとして売り出すようで、

このＲの意味はレーシングだと思いがちだが、

もしかしたらRavenという意味なのかもしれない、

という曖昧さを残した「ＮＤＲ」という３つの印刷文字が公式記録のように載っている。

このNDR(ND9)を持って奄美、伊豆、新島、千葉、湘南と旅をしてきた。

このボードの第一印象を制作者ドッキーに尋ねられたとき、

すかさず「さすらい」と答えた。

英語ではa Vagabondとなるのだが、

日本だと同名の宮本武蔵について描かれた劇画があまりにも有名で、

この意味を外れてしまっているのかも、と一瞬考えたが、

ドッキーがそんなことを知る由もなく、反射的にでてきたのがこの単語だった。

「何がさすらいだよ、船木よ、またわけのわからないことを言っちゃいけないよ、へへー」

とD先輩からメールが来そうだが、本当にそう答えたのだ。

実際にこのボードはさすらっているうちにマジックボードと判明し、

人目のつくことが多い、または写真を撮られることが多かった日本ではメインボードとして大活躍した。

この「魔法の板ＮＤ９」は原宿ショールームにあるが、

明日にはD先輩が「ライダーになったんだから、まずはこれを持っていくよ」

と言っている。

ここから離れてしまえば、

その後はＤ先輩にまつわる諸先輩が欲しがることによって、

このボードが「さらにさすらう」ことは明白で、

「もうこのマジックボードは戻ってこない」。

つまり「旅立って」しまったことになる。

そんなこともあって、電話でノースハワイ用に新しいＮＤ９をオーダーしたのは、

「あのグライドを再び味わいたい」

と女々しくも思いはじめた結果なのであります。

□

さらにサーフボードについて独創的なアイディアがあったので、それも一本。

それがどんなボードなのか、は届いてからお伝えしますね。

「酒のないところに愛はない」

と、『バッカス』にてエウリピデスが書いているように

「板のないところに夢はない」

と思いながら書いていると、

クアーズライトがＤ大先生を起用したコラボ看板ボードデザインが完成したそうで、

その画像がメール添付によって届いた。

画像をクリックして拡大すると、左手の先に弊社２ヘッドイーグルロゴがあり、

これが全米展開すると思うと、うれしいようで、実際には気恥ずかしい気がしている。

クリスちゃん（クリスチャン・ワック）もMTV出演したそうで、まわりがどんどん化けていく。

こうなったらＤ先輩までもが「NHKのど自慢」で鐘をたくさん鳴らすに違いない。

話が’逸れついでにお見せするのは、

エルサルバドルでＤ大先生が毛糸の帽子を輪切りして、

DCSK（大ちゃんさんくん）と俺に作ってくれたお揃いのヘアバンド記念写真。

Photo by Jason Anderson

撮ったジェイソンが「ジーザスだ！」と言うので、

これによって俺たちは「ジーザス三兄弟」まで昇華した、とうぬぼれていたが、

よく考えると、「だんご三兄弟」は「およげタイヤキくん」と同じ運命をたどっているのかと思うと、

あまり喜べないことに気づく。（笑）

そして気づくとその原稿は、1200字の枠なのに5000字以上も書いていた。

ドッキーから電話がなかったら１万字以上書いていたかもしれない。

□

昨日撮った夕陽波はこんな夏の光を焼き付けていた。

でも今はデジタル写真だから「焼き付ける」ではなく、

「記録する」のだなあ、と考えていたら、

「写真の世界も味がなくなった」と嘆きそうになったが、

8GBカードで特大ＲＡＷファイルが400枚強も撮れるのだから文句はない。

フィルム時代なら最大で３６枚のドラマだったので、

こういう夕陽波は日没の瞬間までフィルムを残しておかねばならず、

シャッターを押すことは選びに選んだ希少な瞬間だったことを微かに思い出した。

□

さて、ノースハワイ島。

こちらは予報通りにほとんど膝腰となったのだが、また潮が変わった午後、

つまり今南うねりが入ってきたようで、

これからホワイトハウスかイナリーズに行こうと思っている。

□

『奄美回想編うがみんしょ?ら?』

満を持して、今回ブログで書ききれなかった初夏奄美をしっかり掲載します。

実はこの回想編を書くときが一番好きな時間なのかもしれません。

熟成しつつある記憶をほどき、言葉を見つけてくるのです。

↓電気屋さん前の俺。

このテイクオフは、メイクしたと記憶しているが、

もしかしたら「都合の良い記憶」なのかもしれないので、よい子の読者は触れないよーに。

↓さらに披露したスイッチスタンス。

このスイッチスタンスでテイクオフしたところを誰も見ていなかったので、

これをしっかりと撮ってくれたAKIRAさんに感謝してます。

↓初代奄美王の緑くんの激しい当て込み

彼のおかげでまた楽しい旅になった。

「最高よ?最高よ?」って、あのイントネーションの携帯着信音が欲しいと切に願う。

↓奄美生まれの奄美育ちのキャビンアテンダントならぬグライド・アテンダントの美香ちゃん

彼女のおかげでクルーは楽しくサーフできました。

スモールビーチのローカルで、波が大きくなると彼女を見ることができます。

かずみくんと、いでっち、大ちゃん、えいじくんは元気ですか?？

この電気屋前の波は、強いオンショアなのにボウル状になるリーフがしぶとく、

いつかはオフショアでサーフしたい、と思える一枚です。

.

「さすらい旅第一弾」に参加してくれた

孤高シェイパーのドッキー↓

「ジャパンの波スゴイデス！」

と本音を漏らしていたのが印象的だった。

鎌倉にあるホームブレイクと酷似したテイクオフセクションに燃えて、

「アチョー」と終始セッションをリードしたＤ先輩の

「すげえ波」のテイクオフ↓

へへー↓

そしてカラテの稽古をセクションエンドに。

冗談（上段）前蹴り

「どりゃ！」

ドッキーはＤ先輩を「上手いとは違うが、妙に味がアリマス」

と評したが、まったくその通りで、

こうして１セッションの間には必ず一つの「見せ場」を作り、みんなのこころに焼き付けるのです。

果たしてそれは彼のテイクオフなのか、オフザリップだったのかはわからないが、

この日は確かにみんなにその存在を焼き付け、

最後にＤ先輩はウニ地獄に３０分間はまり、その記憶を完全なものとした。

↓これは俺で、こんなに厚いところからテイクオフを開始していたのですね。

ボードは上記したND9で、薄いが確かなテイクオフで

「謝罪岬」から「別荘前浜」まで随喜滑走した続きがこれ。

テイクオフが一番楽しいのかも？

と思えるような連続写真です。

アキラさん、撮っていただいてありがとうございました。

次回Ｄ先輩から「しろくま」と、俺からエブリワンのパン食べ放題をプレゼントしますね。

もちろんNAKISURF Tシャツもよろしければぜひ?！

これは俺の今回の奄美で撮った一番好きな作品で、

題して「ビールうまいデスゥ」↓

みんなが大好きだったグリーンヒルの魚夕食の上に解き放たれたドッキーの笑顔に震えます。

↓大好きなばくだん各種。（ここでは、おにぎりと表記されていた）

美香ちゃんの産湯である「スモールビーチ全景」↓

新月干潮でした。

奄美のバウンサー長、関取「いでっち」とランドクルーザー↓

夜はこの階段を上がっていくと彼の料理が食べられます。

名店「満月」のお好み焼きを焼くのは

プロ顔負けの渋い波乗りをするカズミくん↓

おめでと?！

その夜は「カサリンチュ」の朝光介さんとまきちゃん夫妻がそらくんを連れてきてくれて、

よかったね?おめでとう?ってまたまためでたい話が続きました。

そのソロ光介さんと一緒に盛り上がったのは、満月の店長ブーさん↑

↓超元気なクレアちゃんもおとなしくなる歌声にうっとり

Ｄ先輩も「感激でゴザル」とニッコリしゃっきり↓

２晩で一升飲んでしまった黒糖焼酎「長雲」。

俺たちってこんなに酒が強かったかなあ。

シモーン整体、奄美往診中↓

シャザイ岬でカズミくんとシモーン御大近影↓

朝焼けに薄く染まるアヤマリ岬改め、謝罪岬の波↓

大人気のND9を撮影する制作者ドッキー↓

↑↓そのND9で「アヤマリ」を決めている俺↓

□

プロサーファー勇生（ユウセイ）くんが試乗させてください、と宿にやってきて、

ボード返却時に「こんなにスゲエボード、あるんですね！半端じゃないです！！」

と感嘆していたAviso NEW TOY5-5↓

勇生くんの波乗りも半端ではなく、ドッキーも

「NEW TOYがアマミの空に飛んでいた！」と、

その高いエアを見て驚いていました。

↑ちなみに後ろのクーラーボックスはお礼の釣魚でした。

その釣魚盛り合わせ↓

↓奄美のお父さんの「ハブ話」に盛り上がる美香ちゃんをはじめとするゲスト達

お父さんは「なあに、まだまだ酔ってませんよ?」というのが口癖でした。（笑）

↓朝ご飯をテラスで食べる幸せプライスレス。

とお母さんの幸せを分けてもらう俺たち。

カラテカWangちゃんの着ていたサンプルＴシャツ、もうすぐ発売です。

↓将来の夢は「プロサーファー」と下がるイントネーションも奄美そのままで、

控えめなダイチくんは逆真会奄美大島支部のヤングジェネレーションです。

いい波乗りをしているので、彼はまちがいなく世界に出られるサーファーになるでしょうね。

長いブログもそろそろ終わります。

↑プッチの孫はもう大きくなったことでしょうね。

今日も長々としたブログを読んでいただき、ありがとうございました！

そして奄美のみなさん「ありがてさまりょ?ん！」

■