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naki's blog

1/fゆらぎターン_(1278文字)

少し前の話だが、

いつものミニマルフィンに加えて大きなセンターフィンを付けてみた。

ーーとは言っても6インチ程度のガチャリーー

すると、それは操舵感たっぷりの、

例えるのなら完璧にチューンされたスポーツカーに乗ったかのようなプレジャー(pleasure:愉快)を得た。

路面、つまり斜面を物体として感じられて、そこを駆け抜ける愉楽。

ほぼ毎日フィンレス、

またはミニマルフィン(サイドバイト、またはギルとも言う)

での半年間が突然実を結ぶかのようなセッションだった。

ノーズに乗って操舵し、

斜面を滑りながら左右のレイルを微妙な角度で揺らがせていく。

至福というか、多幸感たっぷりの瞬間が連続していった。

『1/fゆらぎ (エフぶんのいちゆらぎ)』というのがあるが、

このゆれゆれターンこそが、

波スペクトル密度が周波数 f に反比例しているものなのだろうか。

そしてこれを『ゆらぎターン』としてみる。

うーむ、ただただ楽しい。

この感覚はそれこそ波乗り初期、つまり古代の頃からあって、

ただそれが言葉になっていなかったのだろう。

ユラユラユーラ。

「波乗りの新しい楽しみ方」

と言いたいが、じつのところ古式な愉楽なのでありました。

こうして新式と古式を混ぜることが、

波乗りを底、または深くまで楽しむ奥義であり、

そのやり方を会得したものだけが新世界に進めるのだとわかった春。

移動はまだ続いていて、もう少しすれば落ち着くのだろう。

ずいぶんと日本の南に下ってきたようで、

この朝顔の中にずいぶんと大きな目をした虫が現れた。

前述した『1/fゆらぎ』のことを”ピンクノイズ”とも言うそうで、

自分の視界もピンクビューとなった『エフ分の1ゆらぎ)』という日でありました。

心を痛めてしまったサーファーへのヒーリングには、

この『ゆらぎターン』が有効ではないかと、学者のような気持ちになった。

つまり、

「規則正しいターンと、

ランダムで規則性がないターンとの中央に位置する滑りが、滑走者に多幸感やヒーリング効果を与える」

と断定してみると、この仮定はかなり説得力のある輪郭を帯びてくるのだった。

また、サーファーの苦しみ相談のカウンセリングのようなものが存在するのなら

「このターンをしてください」

と患者に伝える先生の気持ちになったところで、

LCCの特徴である”半ば怒った声”で、「搭乗の最終案内」が流れてきた。

行かなくては。

それではまた明日ここで。

Ladies and gentlemen.

This is the final boarding call for Unakune Air UNK026 to Nirai Kanai.

All customers should be now onboard at gate 321.