新品・中古サーフボード販売、カスタムオーダー、ウェットスーツ、サーフィン用品など。NAKISURFは、プロサーファー、フォトグラファー、ルポライターで知られるNAKIこと、船木三秀のコンセプトサーフショップです。

naki's blog

原始時代にはどのくらいの雨は降ったのか_Surf Prescriptions Bushwacking-Gun_「ゆるり、しゃっきり」のBWTの今_ハーちゃん製作のZパッドの悦楽至福_新、製作中、製作予定ステッカー_ロケットフィッシュとの別れ_憤った書店員さんのコラム(3587字、中編です)

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「空が壊れてしまって、もう止まないかもしれない」

というほど降った雨が止んだ。

映画『ジュラシックパーク』のロケ地ともなったこの島は、

こうして雨も猛烈だったりするので、

本で読んだ原始時代を感じるときがある。

この低気圧の前線はオアフ島、今はマウイ島方面に下りていったので、

快晴、雨、快晴の繰り返しといういつもの日が戻ってきた。

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薄く出た虹を撮っていると、

足下にあった小さな花が目に付いた。

しかも葉っぱのあいだから花にスポット光が届いている。

「まるでスタジオだな」

と思いながらシャッターを押した。

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あれだけあった北西うねりもようやく小さくなったので、

ホワイトハウスでクレイグと待ち合わせした。

彼のマツダもいい味を出しています。

たしか1980年代製の年季物ピックアップトラックです。

R0013718

サビタにはBD3とBWTの2本を積んでいき、

途中でドッキー(Surf Prescriptions)から電話がかかってきたので、

その縁起をかついでBWTを使用することを決めた。

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新しいフィンがついて、

全体的なフォルムが「ゆるり」から「精悍」になった気がする。

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つまりかっこいい、と感じたのです。

そのドッキーからの電話の内容は、

UKのキングサーファー&大波乗りのイエンが、

「なんとブッシュワッカーのガンがオーダーされた」

という内容だった。

BUSWAKIN GUN 001

ブッシュワッカーはコールモデルだと、

『バットフィッシュ』。

他シェイパーだとラウンドノーズに属する小波用のデザインだが、

伝説イエンはそれをスケールアップして、

大波用に使いたくなったそうだ。

BUSWAKIN GUN 003

それでドッキーが要望に応えてシェイプすると、

こんなボードデザインとなった。

かっこいいなあ。

6’8″で、イエンはこれで10フィート以上の波を攻めるのだろうな。

すごい。

さて、ひさしぶりのBWT。

「ゆるり、しゃっきり」という乗り味となっていて、

そのようにノーズライディングしていたら

マーク・ホワイトが写真を撮ってくれていた。

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小さいサイズのホワイトハウスでサーフしながら、

「山椒は小粒でもぴりりと辛い」

という言葉を思い出していた。

T9344↑こうしてスケートボードでやってくる波乗りっていいなあ。

セッション後、

クレイグは日本に向かい、

俺はオフィスに戻った。

mizukichan

カリフォルニアオフィスからパッケージが届いていて、

開けると4枚のZパッドが入っていて、

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「新作デッキパッドかぁ?!」

とフレちゃんが興奮して、

パッドをミニボードのように乗った。

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このスタンスを見ていると、

「サーフボードの未来はこのサイズなのかもしれない」

と本気で思うほど乗れそうだった。

こうしてハーちゃん(ハービー・フレッチャー)が、

「NAKISURFだけに企画製作してくれた商品」

を使用できる歓びを噛みしめていた。

「バットテイル」

「三色トリコロール」

「エクストラ(おまけ)・パッド」

「究極のグリップを約束するシングルグリッド」

と、大きな4つの特徴があるのですよ、

とフレちゃんにジマンしていると、

「おー、すごいな?!」

と、永遠の波乗り少年であるフレちゃんは、

ただただ目を輝かせていた。

俺がデザインして、

デッキパッドの概念を発明したハーちゃんが作って、

それを長老が見て感動している。

そんなことって、まるで夢みたいだ。

このシッピングに同封されていたのは

『NAKISURF/HOTWHEEL』ステッカー。

デザインはIndx Designさんで、

さすが業界のトップを20年間連続で走っているだけある。

とうなるほど完成度が高いものだった。

http://www.indxdesign.com/

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DREAM RIDE!

というアクセント・メッセージもしたためてあります。

これは2ヘッドレイバンのステッカーのサンプル版で、

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テストドライブボード用のステッカーも限定枚数で、カイル鞠黒が本日作っています。

Print

こんなロゴが入ったボードを試乗してみてくださいね。

さらなる情報をお伝えすると、

カラー版のクリアーステッカーも現在サンクレメンテで鋭意制作中です。

Double RAVEN(Color)

AVISO FIREBLADEにホットウイールステッカーを貼り付けるニシニシ。

マッハで出カールを

クリスちゃんからスカイプがあって、

CANVASノーズライダーの話をして、

電話を置いてすぐに池田潤ちゃんからもスカイプがあった。

canvas finsさらに潤ちゃんとミニノーズライダーの話を延々として、

彼が企画中というDVD撮影に協力したい旨を申し出て、通話を終える。

AVISOジョンのお父さんのピートが、

JJロケットフィッシュ6’6″に乗りたいというので、

お貸し(お返し!?)することになった。

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「もしかしたら今生の別れかもしれない」

と直感があり、写真を撮っておいた。

ロケットフィッシュよ、さようなら。

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日本で買ってきた『g2』。

ノンフィクション・メディアと銘打っているだけあって、

怖いくらいの斬れ味の文体が俺に迫ってくる。

ずっと知りたかったことや、

沢木耕太郎さん渾身の翻訳原稿がうなっていた。

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俺が「世界一の文学神」

と崇める師匠が、

週刊朝日のコラム内でべた褒めしていたのを受けて、

目黒アトレ有隣堂で購入したが、

胸がすっきりするほどすばらしい内容だ。

「読み物系はこうでないと」

というほど硬派で、

芯のある秀逸雑誌を手にできたことにただ感動。

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俺は本が好きで、

15年前から椎名誠さんたちが発刊している

『本の雑誌』を愛読している。

「本好きの諸兄諸姉に、

さらには書店員さんたちへの指針となる雑誌」

と俺は評しているのだが、

その10月号もその有隣堂の棚にあったので購入してきた。

その中の連載コラムに

『街の本屋は今日もカウント2.9』

という書店員(今回は50年選手のベテラン伊野尾宏之さん)

が書くものがあり、

今月もすばらしかったのでここに引用してみる。

.

さっきから児童書のコーナーで絵本を見ている五歳くらいの男の子が、

読んだ本を平台に投げ出しては次の本に手を伸ばしている。

見ると積みあがった本の何冊かのカバーが折れている。

私は慌てて駆け寄ってそれを直す。

けれど一度折れたカバーは元通りにはならない。

男の子は隣に店員が来たのも気にせずまた次の本を開く。

「ねえ、これ売っている本だから大事に見てね」

男の子の視線は本から動かない。

ちょっとカチンとして声が大きくなる。

「こうやって放り出したら本が折れちゃうじゃない」

「シュン、行くよ」

後から女の人の声がした。

振り返るとさっきまで女性誌を立ち読みしていた女の人が立っていた。

「それ、最初から折れてました」 と私に言う。

そうだっただろうか。

確認する術はない。

あったとしてもあまり気持ちの良い結果は見ないだろう。

女性は男の子の手を引いて

「シュンくん、電車乗って、大きな本屋さん行こうか」

そう言って店を出て行く。

散らかった絵本を片付けながら、

私は同じような街の本屋の人たちに申し訳なくなる。

なぜならあのお母さんが反感を感じたのはウチの店と同時に

「狭くて」

「ゆっくりと本が選べなくて」

「店員がうるさい」

街の本屋そのものであるはずだからだ。

同時に? 「大きな本屋さん」 の売り場の人にも申し訳なく思う。

きっとあの男の子は、また同じことを大きな本屋さんでもやるだろうから。

ある書店で児童書の売上が下がり、

なんでだろうと近隣の店に行ってみたら、

そっちの店では全ての児童書のビニールバックをしていた、

という話を聞いたことがある。

「たぶんウチで見て、

買うのはそっちで買っていたのだろうけど、

なんだかやるせなくなってくる」

とその店の担当者は話していた。

理想はすべての本を

「見本」と「商品」として用意できればいいんだろうけど、

一冊しかおけない本は見本にできない。

そして、書店には一冊しかない本が山ほどある。

「売り物の本は大事に見る」

と本屋の親父が説教する様子はリアルに過去の遺物になった。

本当は小さな子どもにはそういうことを啓蒙すべきなんだろうが、

あんまり厳密にやり過ぎるとお客さんは気軽に買えなくなる。

かといってすべて自由に読めるようにすると、本は傷んでいく。

結局、ビニールパックしかないのだろうか。

50年も本屋をやって得た結論って、

「結局ビニールパック」なんだろうか。

なんだか申し訳なくなる。

何に対してか、

誰に対してだかわからないけど、

ただ申し訳なくなる。

(了)

俺は母親に

「本は大事にしなさい。みんな先生なんだから」

と教えられて育った。

本屋さんで、たまに本を投げている人を見たことがあるが、

そういう人と友だちにはなれないとはっきりと思える。

購入したら自分のものだけど、

立ち読みしているときは自分のものではない。

そういうことは誰が教えればいいのか?

このコラムを読んで憤った俺はずっとそんなことを考えていた。

晴れたと思ったらものすごい雨が降ってきた。

空はまた壊れてしまったのだろうか?

ただ草木は喜んでいるようで、

晴れればまた虹が出るのだろう。

こんな日もハワイの時間で、

俺はまた読書をするとしよう。