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【テクニック編】サーフィンの本流とは_(1151文字)

夏休みだからか、

良く行くブレイクに中学生くらいの男の子サーファーがいて、

もしかするとウナクネ系の波乗りをする。

少し前に話したときは、

私に対して目を輝かせてくれたのだが、

今日会ったら、かなりよそよそしい。

それでもめげずに

「今日のフィンはこれだよ」

そうミニマル(極小)フィンのボトムを見せると、

彼は悲しそうに目を伏せた。

私はサーフィンの真実に至ろうとする人には、

多種多様な波乗りを知って、

そして実行してもらいたいと信じてやまない。

けれど、そのミニマルフィンを見せた10秒後くらいに

「お父さんが、今ぼくは大切な時期だと言いました」

そう言ってきた。

「あ、わかった。コンテスト用の波乗りをしなさいとお父さんは言ったんだね」

「はい」

悲しいが仕方がない。

前にもプロサーファー未満の子に

「ミッドレングスのシングルフィンは乗らないの」

そう聞いたとき、

「自分はコンテストに出ているので…」

と否定された。

確かにオリンピックが来る。

コンテストも毎週末あるだろう。

けれど、フィンレスやシングルフィンは、

れっきとしたサーフィンであり、

しかもそれらの動きや滑りは、

コンテストにしっかりと活かせるもの。

そう言いたかった。

なぜなら、ジョンジョン・フローレンスのスピンは、

幼少時代に立って乗っていたボディボードのおかげであるし、

ジョエル・パーキンソンは、

「シングルフィンにしっかりと乗れないと、波乗りの軸は作れない」

そう言っていた。

トム・カレンは「長く波に乗りなさい」と伝え、

けれど、多くのコンテストサーファーは技をかけ終えると、

リーシュを頼りにビヨーンと飛び込んでいる。

大切な時期だからこそ、

波乗りの本流を知るべきではないだろうか?

上塗りのテクニックだけを学んでも、

中学生諸君もプロ未満も勝ったり負けたりという、

せいぜいB級だか2級プロにしかなれないのではないか。

私もコンテストに出ていた。

その時は月曜から金曜日まで、

長く、重いシングルフィンに乗り、

試合当日の練習で自分用のコンテストボードに乗ると、

そのトライフィンは、

まるで羽根のようにターンが軽く、

そして魔法のように簡単だったことを思い出した。

それこそが車田正美氏考案のパワーリストであり、

パワーアンクルとなったシングルフィン。

(©リングにかけろ)

高校生だったカラーズマガジンのヨゲさんが、

この時、

シングルフィンメソッドにとても興味を持ち、

そして今彼が乗るのは、

ボンザーミニマルであることを考えると、

ウナクネ源流がここにあったのだろう。

長くなってしまったが、

ここで言いたいのは、

「サーフィン=コンテストサーフィンということではない」

ということ。

もっと広義で波に乗ることを知ってほしい。