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naki's blog

【特大号テクニック編】インパクトパドルという必須概念_張り付きの重要性_(3915文字)

Nation The Connector 6’5″

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怖ろしい怖ろしい干潮波。

誰も入ろうともしないのだが、

軽くワールドクラスの波であり、

さらには無人で入れるチャンスが目の前にある。

これは同じ波の連続写真だが、

最後のセクションのバレル内に私の手がフォームボールの中に映っている。

ここの干潮時は、

メイク可能な世界クラスのロングバレルが、

無人でサーフできるという大きなチャンスがあります。

【テクニック編】

こういう波に乗るための最重要な技術編です。

「掘れ上がる波へのテイクオフ」として、

そのメカニズムも交えまして、

『インパクトパドル』の重要性をお伝えします。

Catch Surf Skipper Fish 6’6″

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今回の強化合宿では、

猛風オフショアの威力もあって、

普通のサーファー(プロか達人以外)が切り立った波にテイクオフすると、

飛ばさてしまうか、落下してしまい、

ウエイブメイクすることができないということをまざまざと知った。

うんうん、これぞノースショアぽいな、

バックドア並のすごい波だと感じている毎日。

ちなみにハワイもトレードウインドが強いので、

海底の隆起といい、

水温と水の色といいコンディションはこことほぼ同一である。

あちらが乗れて、こちらが乗れないわけがない。

同じ波です。

ウナクネサーファーなら乗れるでありましょう。

まずは、生徒たちになぜ乗れないのかを聞いてみました。

すると、こんな意見が集まった。

「リップ(波先)で止まってしまいます」

「先生、こんなのテイクオフできません」

「出来たとしても目つぶしのまま落下しちゃいます」

「あんなの行けません。無理です」

で、

「全ての波は、今のあなたのサーフ能力とサーフボードであれば滑り降りることができます」

そう全員に伝えると、

半信半疑どころか、

釈然としないほど疑心を感じてこちらを見ている。

次には、

「無理です」

「あんな波には乗れません」

「自信がありません」

そう聞こえてきた。

まるでツナくんのようだが、

少し考えてから、

それぞれの悩みを抱える人にこう伝えました。

「もう一漕ぎ、または二漕ぎしましょう」

「掘れる波には、壁に張り付け」

「行けないのは、大きな理由がある」

「こうして斜めに」

「波と自分が合わさった瞬間に、腕を最も伸ばし、指も伸ばし、

波を掴んで大きな腕で最大トルクのパドリングを一度すること」

ということも伝えました。

最後の言葉が今回のお題『インパクトパドル』です。

パドリング能力

波の位置の見極め

サーフボードの浮力

身体能力

テイクオフ動作

に加えて、そのインパクトパドルを合致させることにより、

ほぼ垂直に近い波壁ですらメイクすることができますよ。

そう伝えると、みんなかなりの波を滑り始めた。

けれど、

それでもパツパツの波となると、

まだ降りられないようだった。

で、その連続写真を撮って、

なぜ降りられないかの理由に迫ってみました。

まずはテイクオフ位置。

最初の漕ぎ出し。

こちらも完璧。

 

その継続性、確実性。

こちらも◎

 

ここが、前出したインパクトパドルの位置。

「波と自分が合わさったところ」なので、

ここでその全ての自己結集となるインパクトパドルを一度しておきたかった。

 

斜面が立ち上がってきたが、

波の位置も良く、

パドリングの経緯も良かったので、

かなり良いテイクオフ姿勢にはなっている。

ただ「最大トルク」のインパクトパドリングをしていなかったので、

波の切り立つ速度と、

サーファーのタイミングが合致していない。

具体的には、

サーファーが波に対して遅れている(ディレイ)という状態。

でもこういう場合のサーファーは、

自分を遮る他サーファーがいない

危険ではない

良い波だと決めた

等々によるコミットメント(決定)後は、

初志貫徹するのが基本です。

そして「怖い」または「自信がない」だけで、

この遅延状態とは気づいていないので、

テイクオフ動作は続いていく。

(逆に言うと、もしここで止めてしまうと、

トップから浅いボトムに直接ヒットするので、

大怪我をする確率が高くなります)

ここでご紹介したいのは、

さらなる新概念『張り付き』です。

要は、

「どんなに掘れ上がっても、

切り立っても、レイルが張り付いていればメイクできる」

ということ。

テイルだけでもメイクできるのですが、

これだと直滑降になってしまうので、

『メイク』という観点ではNGとなる。

その張り付くための角度をここに青矢印としました。

そして完全なるテイクオフという観点から

マリオカートで言うところの”ゴースト”を出してみることにしました。

今回のゴーストは、

キャッチサーフ同僚ジェイミーオブライエンと、

ウナクネ新皇帝であるジョンジョン・フローレンスです。

青い矢印にあるのが壁に張り付くゴースト(青)。

しかしボードは赤の直滑降のモーメントに留まっている。

これはやはりあの『インパクトパドル』、

つまり、

「波と自分が合わさった瞬間にするパドリングのこと」

をしなかった結果がここに現実となって現れています。

けれど、「張り付き」

をするのならまだまだメイクできるチャンスがあります。

Go Go!

ここではかなりゴーストに離されてしまったけど、

まだメイクできるチャンスはあります。

張り付きましょう。

具体的には左手を肩の方に「グイ」と持ち上げて、

固定します。

これでレイルが入っていき、

さらには直進性を固定することで得ます。

これも同じ。

滑り出すボードに乗せるようにレイルを立てて。

波壁に食い込ませて、はわせて、沿わせて。

この状況においてもじつはまだメイク可能。

掴んでいた左レイルを弧のように回し入れるだけだが、

それはまた別のテクニックなので、

いつかの機会にお伝えいたします。

ゴーストくんは、

すでにチューブセクションでオフザカーブをしていますが、

こちらはかなりひどい目に遭う瞬間です。

何度も言いますが、

これも全て『インパクトパドル』がなかったからです。

足から行くと、

海底は浅く、

全面岩なので大怪我をします。

けれど、幸運なるナッキーは、

足が支点となって、

前に倒れ込んでいきました。

完璧です。

幸運なのか、

体術なのかはわかりませんが、危険でした。

波に弾かれたサーフボードが、

襲ってくるかもしれませんし、見ているだけで怖ろしいです。

大怪我をしてしまうと、旅もそこで終わってしまいます。

こんな運命みたいな挑戦となってしまったのは、

『インパクトパドル』があったか、

なかったかでこんなにも違うのです。

よく『テクニック』とありますが、

それらのたいていは、

ボトムターンやらカットバックですが、

何が一番大切なのかを考えてみてください。

「テイクオフ」ができないと波に乗ることはできません。

今回はテキサスとか、イタリア、はたまたカナダからと、

あまりサーフの盛んでない地方から来たサーファーたちに会いました。

けれど彼らはか弱い波だと乗ることができるのですが、

こういうハワイ系となった途端に姿を見せなくなります。

つまりこういう波に乗れないことを知っているのです。

または初日はサーフしたけど、

前出したように怪我をしてしまったり、

自分自身の最大能力を知って、

他のサーフブレイクに行ってしまったのでしょう。

でも

「こういう波にテイクオフできる」

のと、

「波に乗ってひどい目に遭ってしまう」

のでは、どちらが良いかは明かですね。

なので、テクニックはテイクオフに凝縮しましょう。

まやかしのテクニックは良い波に乗るのに必要ありません。

きちんと完全な場所からテイクオフして、

波をメイクするだけで、サーフィンは夢クラスまで到達します。

ベンチュラ・セイジとも話しましたが、

「今までサーフトリップに行っても、

海賊岬でも伝説的な波になると、なぜか乗れなくなっていました」

そして次に

「今回のトリップで、インパクトパドルの重要性と、

そして有効性を嫌と言うほど知ることができました」

「こんなに大切だったのだかと」

「なんでナキさんたちだけ乗れるのかすらわかりませんでした」

「ただあの人たちは本当に上手なんだとばっかり思っていて、

自分が乗れることすら知りませんでした」

「でも今は、その謎も解けましたし、

この自分でも乗れる手がかりを掴みました。

これからも精進できますし、明日からの波乗りに役立てます」

めでたしめでたし。

「姫、ご無事で何より」

「お、若殿、サーフというよりボディサーフをしましたぞよ」

そんな一枚。

ご無事で何より。

で、解説をしている私が、

同じボードで実践してみせました。

イニシャルパドルを合えてせずに、

ボードの角度だけでテイクオフ。

波は最大限まで切り立っていきます。

波に対しての浮力体であるスキッパーフィッシュは、

たまらず滑り降りてくる。

しかもテイルが先に落ちてくるのは、

それだけフィンの抵抗がある証拠です。

普通はここまでで強制終了。

マックで言うレインボーカーソルです。

けれど、そのままレイルを固定すれば、

されど、

なんと、

こうしてメイクできるのでありました。

張り付きは重要ですね。

これはわざとイニシャルパドルをしないだけで、

ボードがどんな挙動になるのかを試し、

その新発想である『張り付き』の有効性を見ていただきました。

張り付きは、

次回のテクニック編は、【テイクオフ編2〜ボード角度の重要性(仮題)】なので、

その次くらいに考えております。

あ、約束だったミッドレングスでのダックダイブ編をどこかの間に挟みます。

こんなことができるようになったフィンレスサーフィンに大感謝。

すごい修行だったと、日本でのエックス波のあれやそれや、

はてはタカラ鮮魚の鯖の味噌煮定食までを想い出した。

それではまた明日ここで!

Pura Vida!!