『根性が必要である!」
「センセ、何の話ですか?」
「エックスは突然激ぼれするので、そうなっても怯まないのだ!」
「なるほどわかりました。あの波のことですね」
「そーである」
Catch Surf x DFW 2017 7′ Finless
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「瀧朗くんのように迷わずいきなさい」
「センセはそう断言されるのですね」
「なぜならそこには波乗りのエッセンスが詰まっているのであーる」
「この場合のエッセンスと申しますと?」
「スリルだ。これはすでに情報社会の現代には失われつつあることじゃ」
「なるほど」
「不良魂とあるが、それをここで見せつけなさい。さらば得られよう」
「何が得られるのですか?」
「自分の糧だよ。それが養分となって、人生を彩っていく」
「スーパードライがうまくなる、暗にそうおっしゃっているのですか?」
「ムーチョアロハもうまいぞ」
「その通りです」
「瀧朗くんは、普段の不良魂を藤沢駅や片瀬エキシマ駅付近では漏らさず、
この場において自己責任でそれを拡げているのがうれしいのじゃ」
「と言いますと?」
「この掘れ上がった斜面箇所を滑るだけではなく、
“ノーズをブチ入れてしまえ”と、
ヤングマガジン好評連載の主人公のような動きをしているのじゃ」
「むずかしくてあまりわかりませんが、はい」
「ラー!」(瀧朗)
「そうじゃ、浮力のあるボードでノーズを差すと、そこを支点にボードが流れる。
首都高で流れるのは『頭文字D』だが、これもヤングマガジンの連載作品だな。
ここではそれに深く触れないでおこう」
「センセは、マンガがお好きなのですね」
「サーフマンガの原作を書いてみたいと、高森朝雄さんに勝手に弟子入りしたところじゃよ」
「梶原一騎さんですね」
「なんだね、知っているではないか」
「はい、自分はスポーツ系編集者なので、そっち方面は詳しいです」
「らー!」(平仮名でたきろう)
「たきろうくん!だが、この位置で後ろ向きになったらむずかしいぞ」
「そうですよね」
「ふははは!瀧朗の顔はまるで、
怪傑ハリマオに追いかけられているチヌグ汗の汗部(はんぶ)みたいじゃ」
「ハリマオ!?先生はいったいおいくつなのですか?」
「田河水泡先生と同年代じゃ」
「のらくろ、のですか?すると119歳ではないですか」
「いかにも」
「いくらウネクネ師範でもそんなことがあるのですか?」
「失敗は最大の師である」
「それは”最後のジェダイ”でのヨーダのお言葉ですよ」
「いかにも。師の受け売りじゃ」
「やはり」
「ところで砂漠の狼というのを知っているか?」
「カラウス、セレンガ、キフタ、でしたか?」
「君こそ年齢がわからないね」
「ブル聯隊長(のらくろ)が好きでした」
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これぞ春の日というショット。
ハッピーサーフィン!!
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