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naki's blog

【サーフィンとは技ではない。総合的なもの。人間力の集大成】サーファーズ岬での先輩たち_(2097文字)

「台風マンクットで波が3日間もあったよー」

そんな声が聞こえてきたのは、

年間およそ50日程度の頻度で波があるサーファーズ岬。

それぞれのメールには巨匠写真が添付されていて、

感動したのは泰介さんのボトムターンでありました。

1948年生まれ(70歳)ですぞ。

Our Master,

Taisuke Yokoyama at the Surfers Cape(s)

.

円弧
到達点レイル
悟りボトムターン
体幹バランス

 

横山泰介さん。

私たちは尊敬と憧憬を込めて

「泰介さん」と呼ばせていただいている。

そんなお人で、

ウナクネ界のマスターオビワンといった位置のお方である。

私が初めて泰介さんにお会いしたのは、

35年前の七里ヶ浜。

あれは七夕祭りがあって、

少し経ってからだから盛夏の始まりだろう。

そこは右側に河口があって、

左手には美しい稲村ヶ崎、そして大きな三浦半島が見える。

小舟、ディンギー、ウインドサーファー艇。

まばゆい陽射しの中、

美しい波がグレイトサーファーと一緒にやってきた。

そのサーファーは、

まるで風が吹き抜けていくように滑っていた。

的確に、

確実に波に乗っていく。

彼は、

砂浜の手前でボードをさっと翻し、

次の瞬間はすでにパドリングの姿勢で漕いでいた。

私はこのとき

「サーフィンとは技ではない。総合的なもの。人間力の集大成」

だと直感し、

「パドリング、ボードの取り回し、波の待ち方」

そんな学科も出現して取り組んだ青春時代だったが、

すでに青春という言葉がなつかしく感じられるのは、

あれから35回もの夏が通過したからだろう。

ただ強く言えるのは、

その直感はどこまでも正しく、

いまだに

「サーフィンとは技ではない。総合的なもの。人間力の集大成」

であることがうれしい。

(巻末にこのレオン誌をリンクしました)

そしてその後、

泰介さんは大野薫さん(故人)と親しい友人関係だったり、

昼間からグラスワインの白を傾けて論にふけっていたのも日本人離れしていたし、

私の初めての吉浜は、

この泰介さんが連れて行ってくださることとなり、

感動を越えた感動日となりました。

とにかくかっこいい大先輩でありました。

Okamoto san on

Catch Surf ®ODYSEA Log 7’0″

.

もうひとりの大先輩は、岡本さん。

ムートンのセーターを着ていたり、

バーバリーのサマーセーター、

(しかも当時でボーダー)をまといつつ、

ポルシェからさっと降りてきたと思ったら、

上目遣いにこちらを見て、

「サーフィンはお洒落じゃなくてはダメだぞ」

次はレンジローバーから降りてきて、

「とにかくかっこよく波に乗れ」

そんなことを賜ってきた。

彼は、

私が20代前半の頃、

ウエットスーツのスポンサーとして私の生活を支えてくださった社を主宰されていて、

さらに書くと毎冬、

アスリートたちのためにノースショアに3か月も家を借りてくれたり、

そのご縁で千葉公平さんともお知り合いになることができました。

(リンク*1私の波乗りの歴史を参照)

Sone Kin 723 on

Tyler Warren’s Bonzer Disk 6’7″

.

キンちゃんは、

私が乗っていたタイちゃんボンザーを駆り、

この日は誰よりも大きい波に乗っていたと聞こえてきた。

彼は私の大好きなサーファーであり、

心友であるのだが、

このサーファーズ岬波だけを愛し、

波が上がったと聞くやいなや夜明け1時間前にはパドルアウトし、

暗くてあまり見えない波を追いかけている夢狂な人であります。

かと思えば、

五反田の「おにやんま」で『冷とり天ぶっかけ』を注文し、

後輩のしょう寅さんにとり天を分けてあげつつ、

その翌日には有休を取って突然京都に行き、

「みっちゃん(私のこと)、ズイガンザンで自己と向きあう禅だぞ」

と言いつつ、

魂に耳を傾けて求道するその姿勢は、

彼の佇まいとなっている。

菩薩のような笑顔がその証拠であります。

Nick Nakamura on

Tyler Warren’s ASYM Quad 5’9″

.

ニックちゃんに初めてお会いしたのは、サンディエゴだった。

そのときはデジタルカメラはもちろん、携帯電話すらなかった。

高名なデザイナーと聞いていたら日本人で、

私が初めて買ったパソコン(Power Macintosh 6100)の、

イラストレーターやグラフィック関係が動くように全てチェックしてくれ、

それから私はデザインの道に傾倒するようになったいきさつがあります。

私が知り合うよりも前からドノバンを知り、

サーフ業界を見渡すほどの眼力を持たれた

サンディエゴ/湘南ふたつの大先輩であります。

こちらはタイちゃん(タイラー・ウォーレン)家での一コマ。

Nation The Champagne on Ice 6’11”

.

これは無人のサンオノフレ・レフトでの一コマ。

芯が徐々に離れていく系の波。

こんな続きはまた明日ここで。

【巻末リンク*1:私が波乗りを始めたとき】

【naki’sコラム】vol.64 私編、波乗りの歴史_(48420文字)

【巻末リンク*2:泰介さんのレオン誌記事】

https://www.leon.jp/peoples/6105

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