おはようございます。
今日は巨大波が届く日です。
こんな日の前夜はなかなか寝付けず、
少し寝、また起きては、
ブイ計測をiPhoneから確かめていました。
昨夜の一番ブイ計測値が10ft@11sec.
このサイズだとダブル程度でしょうか。
早朝2時の同ブイが11ft@14sec.
と大きく動いた。
数字で見ると、たかだか3秒の違いですが、
うねり間隔の3秒というのは
「いーち、にー、さんー」と数えてみるとわかる通り、
何メートルもの幅の違いなのです。
厚みと威力を増したうねりは、
きっと倍程度には上がっているのでしょう。
「いよいよやってくるな」
と目を瞑り、再び眠りに落ちると、
公平さんとフォーカラットのボードについて談義をする夢を見ていました。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/9007
こちらで公募したデザインに多数応募いただきまして、
ありがとうございました。
いただいた作品を純城と、公平さん、そして私で選考中です。
そんなこんなで、
「その周辺の夢」を見ていたのだろうな。
そんな寝起きの思考を遮るように雨の音。
時に強く、時に静かに。
一日の始まりが雨というのもすてきだ、
と窓の外を見ると、雨の色というのか、
白色の空になっていて、
俺は「雨は浄化」という言葉を思い出していた。
で、ブイは15ft@15sec.WNW ( 297 degree)
までさらに計測値を上げていて、
英語で言うと、「fifteen, fifteen」
となったハワイの今朝。
波情報では、
「Surf will be 25 to 35 feet Tuesday.」
と、波の高さが25?35フィートと伝えている。
ブイはうねりの速度でここから6?8時間沖にあり、
なので、うねりが届くのはおよそ9時過ぎといったところだろう。
風情報に電話をすると、
「180@08(南風@8ノット=約4m)」
と伝えている。
島のこちら側だと、ソフトサンド方面がオフショアだ。
だが、昨日の時点で
「ダブルオーバーの波サイズ」とカイルが言っていたので、
この大うねりが届いているのなら、
ソフトサンドはきっと天変地異みたくなって、
誰も沖には出られないだろう。
メーラーを開くと、
「昨日のブログよかったです!」
とか、
「息をするのを忘れて読んだよ」
と読者や友人たちから多くのメールがあり、
「やや、ありがたい」
と、感謝しながら自分で読み返し、
ーーいつも、よくあるーーいくつかの記述を修正しておきました。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/9509
メキシコ大ちゃんには、
「あれなら”日刊ナキさんが乗った波”という題名で出版できますね。
このように波に乗って、毎日書いていたら一年で365冊の著書になりますよ」
と持ち上げられ、
「乗った波とその模様、心象風景などを毎日書いていく」
ということに自分でも少し惹かれ、
「原稿用紙20枚(8000字)くらいあれば表現できるから可能かも」
と考えていました。
もちろん自主出版で、
それにしても「こんな波乗本」
をいったい何人の人が購入してくれるのかも大事だなあ、
と「きんちゃんに、わんちゃん、そして…」
と友人たちの顔を浮かべながら指を折っていました。(笑)
いつかね、きっといつか。
Someday.
□
少し時間があったので、
日本の天気予報を見ると、
すごい低気圧が列島を通過中です。
「この等圧線はすごいぞ!」
と天気予報サイトを開くと、
北陸方面は海上で最大風速23mと、
「暴風警報」が発令されていた。
だが低気圧の中心は990ヘクトパスカルで、
そこまで大きくなかった。
きっと左右にある高気圧からの吹き込みから猛風になっているのだろう。
さらにここでは海上波高が7?10mと伝えている。
7?10mというと、約23?30フィートで、
それは荒れ狂ったものすごい海原が想像できる。
とすると、
本日の北日本海上は「猛風とうねり」となっているようです。
もしあなたが今そこで船などに乗っていたら、
大変なことになるでしょう。
で、その海洋気象閲覧で、
「有義波高」というのを発見した。
これはきっと気象英語で記述するところの
「Significant Wave Height (WVHT)」
のはずで、俺が紹介している
「ブイ情報の@の前のftが付く数字」
と同一であることがわかる。
その語句説明には以下のように書いてあった。
—
「ある地点で連続する波を観測したとき、
波高の高いほうから順に全体の1/3の個数の波
(例えば20分間で100個の波が観測されれば、大きい方の33個の波)
を選び、
これらの波高および周期を平均したものを有義波と言います。
つまり有義波は一番高い波でも単なる平均の波でもありません。
また、大きな波や小さな波が混在する実際の海面では、
目視で観測される波高は有義波高に近いので、
一般に波高と言った場合は有義波高を指します。
現実の海面には、
有義波高より高い波や低い波が混在しており、
時折、有義波高の2倍を超えるような波も見られます。
例えば、100個の波を観測した時に目視される一番高い波は、
平均的には有義波高の約1.6倍にもなります。
これを「100波に1波は有義波高の約1.6倍」とか、
「100分の1最大波は有義波高の約 1.6倍」などと言うこともあります。
また、1000波の場合には、そのうち1波は、
有義波高の2倍近い高さの波となります」
—
とあり、文体が少し学術的でむずかしいけど、
サーファーにとって特筆すべきは、
「100本の波中に平均値より1.6倍大きい波が混ざる」
ということと、
「1000本であれば、2倍サイズの波が一本混ざる」
と、ここで「オバケ波のことについて」
がしっかりと書かれていました。
波乗りしていて、
たまにやって来る大きい波は倍あり、
それはおよそ千本に一本だったのか!
と再確認した。
さらには「有義波周期」ともあって、
これは気象英語で
「Dominant Wave Period (DPD)」だろう。
このブログでは@の後に付いているSec.つまりうねり間隔の秒数です。
その定義は、
「有義波の頂点が来てから、次の有義波の頂点が通るまでの時間」
とあり、これが長ければ長いほど
うねりは厚く、威力のあるものとなる。
では、それを例えるために
「5m@5秒」と、
「5m@10秒」というふたつの計測値を用いて説明してみます。
最初にある
「5mのうねりが5秒ごとにブイを通過する」波は、
オンショアから発生したばかりの風波。
とすると、途切れずにやって来ているタプンタプンとした波。
沿岸のサーフブレイクで崩れるとき、
切り立った波の斜面距離(セクション面積)は短く、
波高は最大でも5mの半分未満でしょうか。
「波間隔が短いと、波は思っているよりずっと小さい」
ということですね。
次の5m、そして10秒というのは、
うねりとうねりの間隔が10秒間あるので、
「しっかりとしたうねり」なのだとわかります。
ブレイクした波も斜面をたっぷりと携えた
滑ることに適したうねりです。
さらには(そのうねりを受ける地形によっては)、
最大波高は、有義波高を上回るでしょう。
□
としてみましたが、
要点は「波高」x「間隔秒数」
の数字の結果がみなさんが見ている、
または乗られている波の大きさ強さとなっているわけです。
強烈な台風などから供給される強いうねり、
しかもそれが遠くからやってくると、
波の威力がさらに増大していきます。
それはうねり群が長距離を移動する間に
波と波が合体していくからだとされています。
そろそろこの
「波高の読み方の説明」を終えますが、
自分でもなかなかしっくりこないのは、
有義波高とか、有義波周期という見慣れない言葉が続くからでしょうね。
他の言い方はないのかなあ。
□
こんなことを書いていたらブイはさらに上がり、
そろそろうねりが届く時間になりました。
今日こそは太いリーシュを持って行ってきます!
今日も昨日も、
そしていつもNAKISURFにお越しいただきありがとうございます。
原宿ショールームでは、
新春特別企画としまして、
『初夢レンタルプログラム』
のキャンペーンが始まりました。
最長で、6泊7日のAVISOボードレンタルを
西暦にちなんで2010円としてみました。
でもこれは首都圏の方だけへのサービスなので、
もし、全国各地に
「レンタル業務をしてくれるサービスセンター」
があればみなさんにご紹介できるのになぁ、
とまた色々なことを夢想していました。
□
今日の標語は大波にちなんで、
「日本で吹いた大風が、遠く離れた海を高くしています。」
と、詩みたく書いてみました。
□
シケを感じで書くと、
「時化」となります。
波乗りの時もセット(シケ)に襲われ、
何もできないときがあります。
人生でも同じで、そんなときは字にあるように
「時が代わるまで」じっとしているのも手ですね。
「大波よ、ぜひ来なさい!」
と、ワイメアで優勝したグレッグ・ロングのように言ってみたい自分がいます。
でも、「そのような日は来ない」ということを知っている大波が好きではない自分もいます。
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