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naki's blog

【サーフィン研究所】竜と狸の国文@平安時代拾遺物語_(1864文字)

Tyler Warren 6’7″

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龍浪。

こういう波に乗るコツというか、

ヒントを得た。

少し前のことだが、

「波に気づかれないように乗る」

そう書いた。

【サーフィン研究所】波のパワーの主な要因_阪神タイガース_おいしいものを研究_(1476文字)

すると、

千葉とバリからお便りが来て、

おふたりともほぼ同じことが書いてあった。

「じつは、私(ぼく)もそんなことを思っていました」

さすがである。

Photo by @Satoshikanayama #高知新聞

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昨日高知に降った雪はすごく、

高知新聞の金山さんをして、

少し裏は積雪20cmだとあり、

ベンチュラ・セイジの実家風景を得た。

閑話。

『宇治拾遺物語』を読んでいる。

原文でも読む。

これこそが、

読書のオルタナティヴそのものだと感得したので、

ここにご報告を。

まず最初に、

ドラグラ・プロダクションズは、

おいしいもの研究所であり、

サーフィン研究所であり、

国文学研究所でもある。

現在の教授は、

千葉東浪見の吉原(よしはら)さんと、

伊豆大島の高校教師Kさん、

そしてキャットフォード大(インドネシア)名誉教授の高間氏である。

私は研究員であり、広報部を担当している。

ドラグラ・プロダクションズがわからない人も多くいますので、

巻末にリンクしておきました。

かんたんに書くと、

「構築し直して、愉しみがわかるようになった派』

ん?

わかりづらいな。

「味がある玄人好み」

こんな感じの考え方であり、

その集まりである。

サーフィンで言うと、

「みんなと違うけど、じつはとっても楽しい」

という集まりです。

さて、

そのウナクネ、

じゃなかったドラグラ読書ですが、

まずは平安時代(11世紀)に『宇治大納言』という本があり、

それを改訂、増補させて『宇治大納言物語』が発刊された。

この話の多くが、

『今昔物語集』となり、

その今昔をカップリングさせつつ、

宇治大納言物語から漏れた話、

スピンアウトなどを掲載した拾遺集がこれである。

どうです。

オルタナティヴそのものではありませんか。

元々成立しづらい民話があり、

その拾遺=「漏れ落ちた集まり」

ということに深い感慨を得た。

7巻に悲しい話があり、

読み進めると、

ハッピーエンドだったので、

それを脚色しながら書いて、

文藝部長のテラさんにお見せすると、

早速NALU誌の演芸場(私の連載コラム)で採用され、

今月末の締め切りを待たずに草稿をお渡しするに至る。

ただ、

最初は11枚(4400字)くらいあったので、

これを5枚以下に絞らなくてはならない。

話が逸れた。

その平安時代であろう

そのオルタナ・ストーリーズは、

健保元年(1213)ごろに成立している。

その中からひとつをここに。

宇治拾遺物語 巻第三より改編

『狸家に火つくる事』

(原文)

今は昔土佐国に館の侍なりける者の夕暮に萩浪乗りて

(現代語訳)

昔々、土佐(現土佐市宇佐)の侍の話です。

侍は、

夕暮れに屋敷を出て萩岬で波に乗っていると、

狸の逢ひたりけるを追ひ懸けて引目して射ければ狸の腰に射当ててけり

海の上で狸と出くわしたので、

板子を蹴って狸の腰を射当てた。

狸射転ばかされて鳴き侘びて腰を引きつつ浮きにけり

狸は転ばされて、

痛いと泣きながら、

腰を引きずりつつ深みに浮いている。

この男行くほどにこの狸腰を引きて先に立ちて行くに

男が追いかけると、

狸は腰を引きずりながら逃げるので、

また射んとすれば失せにけり

また板子で射ようとすると、

いなくなってしまった。

家今四五町かとて見えて行くほどにこの狸二町ばかり先立ちて火を銜へて走りければ

その帰りのことである。

家まで四、五町となった辺りで、

二町ほど先を狸が火をくわえて走っていた。

火を銜へて走るはいかなる事ぞ とて馬をも走らせけれども

「獣が火を!どういうことだ」

そう焦り、馬を走らせたが

家の許に走り寄りて男になりて火を家に放けてけり

その狸は、

人(男)に化けて、

侍の家に火をつけた。

人のつくるにこそありけれ

こんなことは人がすることではないと、

とて走らせけれどもつけ果てければ狸になりて

そう嘆き、馬を走らせたが、

火をつけ終えると、

人は狸となって、

竜に泳入て失せにけり

竜(現在の土佐市竜)に泳いでいなくなった。

さて家焼けにけり かかる物も忽ちに讐を報ふなり

「家は焼けてしまった」

獣でも、

たちまち仇を返すものである。

これを聞きてかやうの物をば構へて打ずまじきなり

このようなものを決して懲らしめてはならないのだ。

この狸が逃げた方向は、

現在の青龍寺奥の院だったとされて、

そこには烏天狗がいたという示唆を受けた。

【巻末リンク:ドラグラとは?】

【お知らせ】ドラグラ・プロダクションズ発足!!_(2601文字)

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