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【サーフィン研究所:SR三部作中編】SR5000波研究_(2169文字)

国土交通省港湾局が、

全国の波高を伝えてくれているが、

なんと最大と設定している

「波高5m」を上回って、

計測不能=レッドラインを叩きだした。

これが海を渡ると『コード・レッド』となる。

この台風のうねりはそれほどまでに強く、

太く、

険しく、

壮大だ。

波は、

「高さや大きさではない」

と言われているが、

まさにその通りだと再確認させられた。

圧力や硬度、

速さ、

ブレ、

揺れ、

重さでは人生最強の波だっただろう。

「だろう」というのは、

記憶は風化するものなので、

もしかすると、

イナリーズ(カウアイ島)の方が強烈だったとか、

パイプラインの方が硬かったとかあるが、

複雑な海底、

そして誰も知らないことが起きることを考えるのなら、

このSR500の波に軍配が上がる。

The Boss on 7’2″ Pintail

.

ボスというのは、

英語で「社長」という意味だが、

こちら(*DGP)のボスも同じ発音で「シャチョー」と言う。

(*DGPについては巻末リンクをご覧ください)

その社長さんの見事なセットアップ。

海底にある岩が由来する複雑な斜面。

長く、

細く、

分厚いドン・ジョンストン・ガンのレイルを押さえつけていく。

社長が何かを押さえつけるというのは、

いわゆるパワハラだが、

波も私たちサーファーにパワハラをするので、

問題がない。

柔術のことが思い浮かび、

その流れで前田光世さんのことを思いだした。

鍛錬あるのみ。

Tyler Warren 2+1 / 6’5″

.

チューチューガタゴト。

荒馬に乗る

『ロデオ・ライド』ということを思いだしていた。

元々ここのブレイク名は、

SR500だった(巻末リンク*3を参照してください)

SR500 / 2019

.

上の画像は昨年のSR500だが、

今回の波写真を見たベンチュラ・セイジにより、

「これでは5000ccではございませんか」

そんなことになり、

ボア・アップ命名されたSR。

台風10号ハイシェンからの激烈なるうねりは、

風速50mだか、

ガスト70mの威力を十分なほど伝えていた。

ファースト・ピークからアンジェロが乗り、

私はセカンド・ピークの岩エリアを通り過ぎている。

波を滑る軌跡が太く、

白くなっているのは、

それだけテイルを踏んでいるからで、

逆にテイル・トラクションをかけないと、

硬い斜面はまるで氷のようなので、

ボードはスリップして、

瞬時に景色が逆さまとなる。

テイルを踏む=(イコール)フィントラクションをかける。

このことは、

6フィートという長さのフィッシュ等で、

強い波を滑る絶対的なことである。

ではあるが、

瞬間の判断の連続で、

頭の中は真っ白のまま波を突っ走っていった。

もしかすると、

スキーの大回転という競技は、

こんなことなのかもしれないと感じていた。

今回のうねりは、

長いショルダーが魅力で、

ここからさらに壁を延ばしていく。

速度が出ているので、

振り落とされないように、

飛ばされないようにレイルを掴むのは、

ここでのバックサイド作法だろう。

ガタゴト波は続く。

アンジェロは感極まっている。

私がインサイド・セクションに入ると、

アンジェロがセカンド・セクションに入っていた。

インサイドは深いので、

こんなモサリ系となる。

かなりの高速なので、

全力でボードを傾けないと曲がらない。

このあたりまで来ると、

ようやく余裕となり、

サバ手などをしつつ、

ショアブレイク・エリアに行き、

*マンライ成仏というのが、

ここでの最高峰でしょうか。

*マンライ=満足ライディング(©オガマさん)

*成仏=上陸(©タキビ神)

ブレイク全体がわかりづらいのだが、

要は岬周りの岩場でサーフしている。

とても良い波といえばそうだし、

好事家以外は地獄絵図みたいなものなので、

たぶんきっと普通のサーファーは、

サーフする、

したくなるような場所ではないのだが、

去年この波を知って以来、

(巻末リンク*3を参照ください)

ずっと狙っていた場所である。

この台風の位置から土佐高知にうねりが届くまで、

8時間かかるというので、

きっと午前3時の天気図が公正であろうか。

920mhPの中心気圧。

怖ろしいものである。

波高が高いので、

いつもの場所ではブレイクせずに、

はるかアウトサイドで波は崩れた。

しかもこのうねりの向きで、

このサイズはいまだかつてなかったということで、

ここで一番多くサーフしているシャチョーでさえ、

「こんなところに岩があったのですね」

そんなことばかりだった。

岩だらけで、

乗っているあいだは、

ずっと背骨あたりが急速冷却されたかのように、

ヒヤリドキリとしていた。

私とシャチョーの波待ち画。

.

ただ、

まだ未開というのもすばらしく、

波情報やさまざまな媒体で、

世間はもはや知る波ばかりとなった昨今では、

未明の光明である。

本当に誰も怪我をしないで良かった。

アンジェロは、

8フィートの重いサンセット・ガンを持ち出してきてのアタック。

さすがの渾身チャージに見学者のひざが震えていたのを見逃さなかった。

こちらは昨日。

ヤシイ・パークのハッピーサーファーたち。

DJ VCA氏と、

コシヒカリの無農薬米と山北みかん農家の村上くん。

ちなみに村上くんは、

シャチョーの親類でありました。

【巻末リンク:DGPについて】

【ドラゴン・グライド・プロダクション】ラカ法王音頭_(2007文字)

【DGPについて2】

【サーフィン研究所&ドラゴン・グライド・プロダクション・スペシャル】不安と迷いを持たれている方へ(DGP会員限定記事 :タキビ神の視点)_(2250文字)

【巻末リンク*3:SR500のはじまり】

激烈波のSR500_海の事故防止策_(1223文字)

Happy Surfing and Happy Summer!!