国土交通省港湾局が、
全国の波高を伝えてくれているが、
なんと最大と設定している
「波高5m」を上回って、
計測不能=レッドラインを叩きだした。
これが海を渡ると『コード・レッド』となる。
この台風のうねりはそれほどまでに強く、
太く、
険しく、
壮大だ。
波は、
「高さや大きさではない」
と言われているが、
まさにその通りだと再確認させられた。
圧力や硬度、
速さ、
ブレ、
揺れ、
重さでは人生最強の波だっただろう。
「だろう」というのは、
記憶は風化するものなので、
もしかすると、
イナリーズ(カウアイ島)の方が強烈だったとか、
パイプラインの方が硬かったとかあるが、
複雑な海底、
そして誰も知らないことが起きることを考えるのなら、
このSR500の波に軍配が上がる。
The Boss on 7’2″ Pintail
.
ボスというのは、
英語で「社長」という意味だが、
こちら(*DGP)のボスも同じ発音で「シャチョー」と言う。
(*DGPについては巻末リンクをご覧ください)
その社長さんの見事なセットアップ。
海底にある岩が由来する複雑な斜面。
長く、
細く、
分厚いドン・ジョンストン・ガンのレイルを押さえつけていく。
社長が何かを押さえつけるというのは、
いわゆるパワハラだが、
波も私たちサーファーにパワハラをするので、
問題がない。
柔術のことが思い浮かび、
その流れで前田光世さんのことを思いだした。
鍛錬あるのみ。
Tyler Warren 2+1 / 6’5″
.
チューチューガタゴト。
荒馬に乗る
『ロデオ・ライド』ということを思いだしていた。
元々ここのブレイク名は、
SR500だった(巻末リンク*3を参照してください)。
SR500 / 2019
.
上の画像は昨年のSR500だが、
今回の波写真を見たベンチュラ・セイジにより、
「これでは5000ccではございませんか」
そんなことになり、
ボア・アップ命名されたSR。
台風10号ハイシェンからの激烈なるうねりは、
風速50mだか、
ガスト70mの威力を十分なほど伝えていた。
ファースト・ピークからアンジェロが乗り、
私はセカンド・ピークの岩エリアを通り過ぎている。
波を滑る軌跡が太く、
白くなっているのは、
それだけテイルを踏んでいるからで、
逆にテイル・トラクションをかけないと、
硬い斜面はまるで氷のようなので、
ボードはスリップして、
瞬時に景色が逆さまとなる。
テイルを踏む=(イコール)フィントラクションをかける。
このことは、
6フィートという長さのフィッシュ等で、
強い波を滑る絶対的なことである。
ではあるが、
瞬間の判断の連続で、
頭の中は真っ白のまま波を突っ走っていった。
もしかすると、
スキーの大回転という競技は、
こんなことなのかもしれないと感じていた。
今回のうねりは、
長いショルダーが魅力で、
ここからさらに壁を延ばしていく。
速度が出ているので、
振り落とされないように、
飛ばされないようにレイルを掴むのは、
ここでのバックサイド作法だろう。
ガタゴト波は続く。
アンジェロは感極まっている。
私がインサイド・セクションに入ると、
アンジェロがセカンド・セクションに入っていた。
インサイドは深いので、
こんなモサリ系となる。
かなりの高速なので、
全力でボードを傾けないと曲がらない。
このあたりまで来ると、
ようやく余裕となり、
サバ手などをしつつ、
ショアブレイク・エリアに行き、
*マンライ成仏というのが、
ここでの最高峰でしょうか。
*マンライ=満足ライディング(©オガマさん)
*成仏=上陸(©タキビ神)
ブレイク全体がわかりづらいのだが、
要は岬周りの岩場でサーフしている。
とても良い波といえばそうだし、
好事家以外は地獄絵図みたいなものなので、
たぶんきっと普通のサーファーは、
サーフする、
したくなるような場所ではないのだが、
去年この波を知って以来、
(巻末リンク*3を参照ください)
ずっと狙っていた場所である。
この台風の位置から土佐高知にうねりが届くまで、
8時間かかるというので、
きっと午前3時の天気図が公正であろうか。
920mhPの中心気圧。
怖ろしいものである。
波高が高いので、
いつもの場所ではブレイクせずに、
はるかアウトサイドで波は崩れた。
しかもこのうねりの向きで、
このサイズはいまだかつてなかったということで、
ここで一番多くサーフしているシャチョーでさえ、
「こんなところに岩があったのですね」
そんなことばかりだった。
岩だらけで、
乗っているあいだは、
ずっと背骨あたりが急速冷却されたかのように、
ヒヤリドキリとしていた。
私とシャチョーの波待ち画。
.
ただ、
まだ未開というのもすばらしく、
波情報やさまざまな媒体で、
世間はもはや知る波ばかりとなった昨今では、
未明の光明である。
本当に誰も怪我をしないで良かった。
アンジェロは、
8フィートの重いサンセット・ガンを持ち出してきてのアタック。
さすがの渾身チャージに見学者のひざが震えていたのを見逃さなかった。
こちらは昨日。
ヤシイ・パークのハッピーサーファーたち。
DJ VCA氏と、
コシヒカリの無農薬米と山北みかん農家の村上くん。
ちなみに村上くんは、
シャチョーの親類でありました。
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【巻末リンク:DGPについて】
【DGPについて2】
【サーフィン研究所&ドラゴン・グライド・プロダクション・スペシャル】不安と迷いを持たれている方へ(DGP会員限定記事 :タキビ神の視点)_(2250文字)
【巻末リンク*3:SR500のはじまり】
Happy Surfing and Happy Summer!!
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