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【サーフィン研究所特大号】WBPの円月殺法_ネムリ・キョウ・シャチョー_(1963文字)

台風による猛風がやってきて、

辺りにいたヤブ蚊を全て吹き飛ばしたようだ。

気温が2〜3度、

水温が1〜2度下がった。

よってかなり快適であるが、

また嵐がやってきそうな気配がある。

昨日も未明に起きだし、

西に向けて車を走らせた。

昔は、

「西に向かう」

ということを

「死に向かう」

と言っていたことを思いだした。

須崎あたりで

DJ VCA氏から、

「今日はあんまりです。

フダラックの奧に行けばええんやろうけど…」

そんな情報が入ってきた。

(フダラックを巻末リンクしておきました)

偉人タマちゃんと話すと、

「川が流れゆうき、数日できんやろ」

そんなことを言っていた。

ならば室戸に戻り、

奈半利町に入るとシャッチョさんから

「WBPできそうです!」

そんなうれしい連絡があった。

Catch Surf® Skipper Fish 6’0″

Tyler Stanaland model

Mega Quad Fins

.

WBPとは、

ウォーレン・ボルスター・ピークの略。

名付け親は抱井さんとされているが、

じつは細野晴臣さんファンのシャッチョさん由来でもある。

この名は、

1970年代だか80年代にさかのぼる。

抱井さんが、

米の人気写真家ウォーレン・ボルスターと土佐高知にやってきて、

このWBPでサーフして、

それは見事なバレルに包まれた。

そのあいだ福田義昭さんはずっと寝ていて、

この波の記憶が一切ないのだそうだ。

「よくあんなところを見つけましたよね」

前出のシャッチョさんはそう言うほど、

人はここまではやって来ないほど辺境であり、

阿波国(徳島)から見ると、

鬼の国、

土佐の果てでもある。

ちなみに上は、

土佐ジローで作ったプリンを頬張るジローくんだ。

メインのうねりと、

東からの岬から跳ね返った波、

そして西にある港や岬からのウエッジが、

この波を複雑にしている。

シャッチョさんのエンゲツ・サッポーがこれだ。

SRのときのようにガンではなく、

5・8フィッシュだ。

やはりシャッチョさんが、

長いボードを持ち出すほどSR波は特別なのだろう。

Magu-yan on

Eric Christensen Cosmic Fonzer 7’2″

.

マグやんは、

WBPでサーフするのが二回目。

このテイクオフをメイクできなければ、

インサイドの八間岩地獄が待っている。

そんなことでマグヤンは、

ここまで腰が引けてしまっているのだ。

昔は、

「腰が抜けた」と言ったけど、

そんな慣用表現そのままのテイクオフ。

こういう波は、

いわばマニア的ではあるけれど、

「人気があるから」とか、

「安全だから」と、

通常のブレイクに行かない気構えもすばらしい。

Shacho House on 5’8″ Fish

.

偉人タマちゃんは、

いつもこんなことを言う。

「シャッチョのグラブレイルは世界一です」

「ほう!」

あれは半端ではありません」

 

ということで、

先週からシャッチョさんのグラブレイルを拝見している。

なるほど、

タマちゃんの言うように安定度がすごい。

「シャッチョは何歳なの?」

そう聞いてみると、

「1967年生まれやから、

ナキさんの2つ下やったと思います」

そんなことを言う。

この位置というか、

ボード角度、

体勢、

速度感、

全てが完璧である。

波が切り立ちすぎて、

フィッシュに直付け(グラス・オン)された

大きなハーフムーン・フィンですら抜けて、

ずるりと横滑りしていた。

けれど慣れたもので、

シャッチョさんは平然とグイとレイルを引き寄せて、

トラクションを確保した。

さすがという他はない。

さらに押しつけて、

ハイラインに持っていく。

シャッチョさんは何万回も同じ動きをしてきたのだろう。

シャッチョさんのターンを見ていると、

『円月殺法』という剣術を思いだした。

柴田錬三郎の小説で、

眠狂四郎(ねむり きょうしろう)という主人公の必殺技だ。

ちょうど、

シャッチョさんが生まれた年のTVドラマだとあった。

その『眠狂四郎無頼控』の円月殺法で、

このむずかしいWBPの斜面に張り付き、

そのままバレルに包まれていくネムリ・キョウ・シャッチョ。

彼のダンディズムと、

複雑なレイルワークが融合した瞬間でもあった。

シャッチョさんは、

このような実力があるゆえ、

突然*DGPの登場人物になった。

これがこれまでのいきさつだ。

(*ドラゴン・グライド・プロダクションズの略。

巻末リンクしておきますね)

ベンチュラ・セイジから、

「信じられない猛暑です。ベンチュラ5000です」

そんなメールと画像があった。

彼の農園は最上段のフィルモアにあるので、

午後2時の気温が47.2度と表示されていた。

ホンダ・サバットも暑そうだ。

法王はお元気ですか?

【巻末リンク:フダラックとは?】

【サーフィン研究所】ポタラカとフダラク_最大セット波のワンオフ_土佐西南いろいろ_(1322文字)

【巻末リンク*2:DGPとは?】

【お知らせ】ドラグラ・プロダクションズ発足!!_(2665文字)

Happy Surfing and Happy Summer!!