Mele Saili, Seea
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メレは、
サンディエゴあたりにいて、
とってもサーフィンが上手だ。
そしてすばらしいアーティストでもある。
シーアの撮影で奄美大島を訪れたときに彼女を撮ることになった。
発売前のスイムスーツだったのと、
ルーキの作品もあったので、
アマンダ(シーア主宰)に送るのをやめて、
私のフォルダー内で眠っていたものを発見した。
Catch Surf® Skipper Fish Ⅵ 6’0″
Nakisurf Original Twin + Vektor VMK
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波壁を意識して、
低くならないようにハイラインで持っていくのだが、
波トップが分厚く、
大げさに書くと、
ネコが通るくらい狭く、
難易度が高い波だった。
細かいターンが要求されるので、
フィンにはこだわっている。
このスキッパーフィッシュのフィン・セットアップは、
NAKISURFオリジナルのツイン+VEKTOR VMKだ。
フィンのベースを長くすると面積が増える。
メインフィンには、
ベースの長いツインフィンを使い、
すぐ後ろにベースの硬いVMKを付けたのは、
流れの観点から見て、
「トレーラー(後方)・フィンは、
メイン・フィンの後方に流す水量を支え、
整え(ボードに伝える)、
サーフボードのコントロール(操舵性)を高めるもの」
そう数年前から気づいたからだ。
で、
ボードから連結する重要な位置の面積を増やした。
「操舵力は、かじ(舵)面積に比例して大きくなる」
操舵力というのはコントロールのことだ。
フィンのベースを長くすると、
フィン面積が増える。
増えたからと言って、
コントロールが良くなるわけではない。
これには全体バランスというか、
複合的なことで結果が出る。
例えば、
フィンの面積を10%大きくすると、
操舵力が*10%増加する。
(*実際には摩擦があるので、10%より少し小さい)
フィンはボード直結(グラス・オン)か、
フィン・ボックスを経由するのか。
その素材が硬いのか柔らかいのかということに加え、
面積や切れこみ湾曲形状、厚み等々。
「かじ(舵)面積に比例して操舵力は大きくなる」
これは流体力学の原則だ。
舵の図表で説明すると、
グラフのカーブは、
1/A/LPP×dが40付近で最も低くなり、
フィンの効きが一番良いことがわかる。
ただこれも条件によって変化する。
具体例を挙げると、
1.フィンの大きさ
2.フィンの形状
3.フィンの数
4.フィン位置
5.サーフボード体積
6.ボードボトムやレイル形状
7.テイル形状
8.操作者(サーファー)の足位置&加重強弱、加重時間
このように多くの要素がからみあっているので、
数学の定理を使って数量的に分析するのはむずかしい。
けれど、
サーフィンというのは、
技術的なこと、
または乗る機材ではなく、
波に乗ることで、
こころを満たすことが大切だと思う。
あまり頭でっかちになったり、
あえてHOW TOなどを見ないことも重要だ。
上手な人を見て覚えればいい。
私たちは先輩や、
やってきたプロたちのサーフィンをじっくりと見て、
こうすればいい、
ああすればいいとやってきた。
今でもそうだ。
吹き荒れたオフショアのおかげで、
太平洋側はささやかな波となってしまった。
これで荒れてから8日目。
ようやく低気圧も北海上に去り、
次はハワイのノースショアだったり、
カリフォルニアのマーベリックスなどに巨大なうねりを運ぶのだろう。
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【巻末リンク:メレとの奄美】
【メレ動画:この0’33開始で、
彼女のサーフィンが見られます】
Happy Surfing and Happy Lifestyle!!
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