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【サーフィン研究所】ふえん運動の軌跡_1973スティングと68スマグリはん_(1007文字)

Sting 1973 Ben Aipa / Hiroyuki Maeda

6’2″ x 21″ x 2-1/2″

.

三島由紀夫が、

川端康成の『伊豆の踊子』の感想として、

「純粋に選択され限定され定着され晶化された資質の、

拡大と応用と敷衍(ふえん)の運動の軌跡」

と解説文として書いていた。

(サーフボードについては巻末リンクを参照ください)

これでは埴谷雄高並に難解だが、

三島は川端の弟分であり、

「ふえん」は、

この場合「増加」という意味なので、

「(川端康成の書いた)キャラクターや設定が良く、

内容が『晶』=明かで、

物語はさらにさらにと拡がっていく」

そう書けばいいのに、

やはり文学狂いの三島青年は、

そうは書けなかったというのが実情だろうか。

(〈伊豆の踊子〉は、三島が1歳のときに発表されている)

もっと書くと、

大正〜昭和初期というのは、

主要メディアが本だったため、

文学は現在で言うとTVで、

インターネットでもあり、

または映画、

ポッドキャスト、

ゲーム、

レジャーの全てを担(にな)っていた時代の、

名作であり、

それは結実することのない連続するドラマだ。

もし私が95年前に生きていたら、

この『伊豆の踊子』をどのように読んだのだろうか。

1926年にこの作品をはじめて掲載した〈文藝時代〉へ、

川端康成は『文壇的文学論』でこんな文章をよせていた。

「新しい時代の文芸は、
哲学と結びついて古代からの宗教になるべきだと私は考えている」

(現代語に意訳しました)

黒潮町の名店『まるや』のターボーくんが来るまで、

私はそんなことを考えていた。

動画全盛となり、

文学がすたれていくが、

これも悪い気持ちではない。

スマグリはんは、

このシックスエイトをいたく気に入り、

そして私は有名なカツ丼を食すことになった。

(このサーフボードについては巻末リンク*3を参照ください)

いただいてみると、

「このカツ丼がおいしい」

という評判との違いに放心してしまうほど普通のカツ丼で、

ずっと楽しみにしてきた身としてはちょっぴり驚かされた。

これなら「あるね屋」のカツ丼にすれば良かったと、

満月を見上げつつ、

心からそう思ったのだった。

【巻末リンク:タキビ神の説法続編】

【サーフィン研究所&DGPスペシャル・渾身号】タキビ神の説法2_(2539文字)

【巻末リンク*2:1973年のサーフボード】

【サーフィン研究所渾身号】市町村の一律的な愚策_1973年ワンスモア_(1973文字)

【巻末リンク*3:シックスエイトのレットイットビー】

【サーフィン研究所】タキビ・カラーの千葉ジェフリーズ_アジテーションのシックス・エイト_(1377文字)

Happy Surfing and Happy Summer!!