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naki's blog

【サーフィン研究所渾身号/長編】Hair California Studioの歴史_(2989文字)

Catch Surf® X Nakisurf Special Skipper Fish 6’0”

Nakisurf Original Twin + Vektor VMK (rear)

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神奈川県平塚市。

鎌倉でサーフしていると、

平塚から向こうは西湘(セイショウ)となる。

バニュウ(相模川)の向こう側は、

それまで遠浅だった海底を深くし、

パワフルなショアブレイク系へと波質を変え、

『(湘南)ウエスト・サイド』と名乗るにふさわしい波が立つ。

カルちゃんこと、

軽部京介さんは生まれ育った平塚でサーフィンを始めた。

パワフル系の波に向け、

ほとんどのサーファーはショートボードを選択するなか、

『ログ』でファースト・パドルアウトしたのは、

全体主義的な動向に反抗したかったのか、

古式サーフィンへの探究心からのものからだと筆者は推測している。

「探究心」と書いたが、

私に映るカルちゃんは、

これぞ探究心のかたまりだ。

「どうしてこうなったのか?」

「どうしてこれを選ぶのか?」

そんな推察と疑問があり、

その着眼点がじつに見事なのだ。

この着眼点こそが、

「ヘア・スタイル」という3D芸術の礎となったようで、

高い標高点の美容師を目指し免許を取得すると、

サーフ修行と合わせ組むようにして波乗り旅に出た。

19歳だったという。

さて、

海外で長期間サーフ旅をするとなると、

無人島ではない限り誰かのお世話になるだろう。

「ガレージに泊まっていいよ」

「部屋が余っているからさ」

旅先で知り合ったサーファーたちは、

こんなオファーを旅行者にすることがある。

受けた側は、

その滞在費代わりに掃除をし、

または庭師やシェフ、

ストーリー・テリング、

子守りやボード修理をして滞在させてもらう。

または自分の住居などがあれば、

将来の滞在をそのご恩の担保に入れることもできる。

長期滞在した後は、

最低でもサーフボードを置いていったりもするものだ。

要は物々交換という対価を発生させることで、

自分の滞在を金銭的にも正当、

または対等化させていく。

カルちゃんならば、

そのお礼に家人たちにヘア・カットをしたのだろう。

滞在先がサンディエゴならば、

ジョエル・チューダーだろうか。

彼の息子のトッシュにも施し、

彼らの記憶に「凄腕のヘア・カッター」という記憶を残したのだろう。

Tosh Tudor and St.Karu

at Hair California

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それからサンクレメンテに北上し、

歴史あるダナ・ポイントまでやってきて、

ソルト・クリーク波のパワフルさに故郷の台風波を思い出しただろう。

Christian and Herbie

The Fletcher’s and Saint Karu

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そのダナ・ポイントで麗しい彼女といたタイラー(・ウォーレン)は、

カルちゃんのヘア・カットの芸術度と再現性を大いに喜び、

パトロンとなって、

HAIR CALIFORNIAのロゴ制作、

そして自身のオリジナル油彩を託したのだと容易に想像できる。

そしてきっとタイラーは、

トラベラーであるカルちゃんのために誰かの家を思いつき、

「キミの家に部屋が余っていなかったか?

私のすばらしい友人のためにお願いごとを聞いてくれないだろうか」

そんなことを電話してくれただろうか。

カルちゃんならきっとどこでもそんなことになって、

ボードバッグにハサミを忍ばせつつ、

あちこちへサーフトリップを続け、

やがて家族を持った。

ハワイのサウスショアのヘア・サロンで

「カリフォルニア・ヘア・カット」のディレクションをしつつ、

サーフィン環境を確保しながら

このオルタナティブ・サーフ界に「KARU」の名前を広めていった。

日本に帰国すると、

カリフォルニアの「ウキウキ気分」と、

ハワイの「アロハ・バイブス」をからめて、

『ヘア・カリフォルニア』という屋号のヘア・サロンをオープンさせた。

Hair California Studio

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ヘア・カリは、

カルちゃんが南カリフォルニアで受けたインスパイアを原素とし、

まるでEPOが歌う楽曲のような心の状態を環境として、

海上がりの意義や、

好きなものと現実の境界線に焦点を当てた作品を多く発表した。

「古式サーフィンが携(たずさえ)るインスピレーションを
“詩描画されたヘア・スタイル”としていく」

これはラブランドという芸術家が、

ヘア・カリフォルニアについて書いた言葉だ。

今日は、

私が感じたヘア・カリフォルニア・スタジオの、

発火のような文化的な特性のことを書きたく、

ここまで筆を進めてみると、

逆にこちらが深遠な真理を受けとることになった。

サーフィンやハイ・ファッションの持つ文化的な特性までも取り入れ、

「サイト・スペシフィック(場所固有)な環境を探求する」

そんな意識が漂うニュアンスを残しているのが実に見事だ。

まとめると、

聖式カルちゃんこと軽部京介さんは、

「ヘア・カッター」というクリエイティブな活動を軸に、

「CONTENTMENT」

「JOY」

「ENJOYMENT」

というライフスタイルへのウキウキを与えてくれる。

のみならず、

このヘアカット後の縁というか、

すばらしい気運まで呼び込んでくれるので、

グレイト・サーファーやアーティストから絶大な支持を受けているのもわかる。

また個々の利用に重きを置いているので、

マンツーマンの個室方式という念の入れ方が、

ヘア・カリフォルニア・スタジオだ。

さらに書くと、

再流行している『シティポップ』は、

山下達郎さんがシュガーベイブのころからのファンで、

そんなリズムとリゾート感をたずさえた空間作りをしたのは見事としか言いようがない。

彼の優れたカウンセラーとしての能力と、

ヘア・カッターとしての技術を持って、

『3Dスパイラル・シャンプー』

『マイティ・パーマ』

『トリニティ・カラーリング(私のカラー)』

前出の『3Dスパイラル・シャンプー』

『マキシマム・トリートメント』

『スパークル・セット』を提唱した業績でも知られている。

他にもオリジナルやクラシックのレイヤーや、

グラデーションによるスタイル創りだったり、

ハサミ量子仮説によるカニカニ運動によって、

それぞれのスタイルを凝縮させたり、

私のようにサスティナブル(エコ、レトロ)に振ったりしてくれる。

今回は、

『1965年10月26日のデビッド・ヌイーヴァ』

というイメージでカットしていただいた。

ちなみに10月26日というのは、

この『ヘア・カリフォルニア・スタジオ』の誕生日でもあります。

カルちゃんの次女ココナちゃんは、

自宅の専用プールで深い海に潜っていくことをイメージして特訓していた。

マーちゃんことマヒナも妹には目を細める。

そのくらいかわいいお嬢さんたちもカルちゃんの魅力でもあるのだろう。

Hair California Studio

神奈川県藤沢市辻堂東海岸4-16-3

080-3344-8003

@karu_haircalifornia

【巻末リンク:ヘアカリフォルニア・スタジオ、オープン前夜】

【サーフィン研究所渾身号】新生ヘアカリフォルニア東海岸店!_テキーラと黒潮町の真夏_(2033文字)

【巻末リンク*2:聖式カルちゃん】

【サーフィン研究所】春分の日のおさらい_カルちゃん_総料理長のフォンドボーにおける人生論_(1188文字)

【巻末リンク*3:ジョエル・チューダーの息子@ヘアカリ】

【サーフィン研究所&ドラグラ・プロダクションズ】ダクトテープ・インビテーショナル6_トシュ・チューダー_伊豆サーフ・トリップ・メンバーのご紹介_(1412文字)

【巻末リンク*4:二年前のヘア・カリフォルニア】

【サーフィン研究動画編】湘南藤沢超名店『ヘア・カリフォルニア』来訪記_(1638文字)

【巻末リンク*5:直近のヘアカリフォルニア・スタジオ】

【サーフィン研究所特大号】クルーナー式のヘア・カリフォルニア・スタジオと、かわいいココちゃんの記録_(2187文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!