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【サーフィン研究所】虹色激烈波の記録報告書_(1233文字)

昨日のことだ。

低気圧が沖を通っているようで、

それまでオンショアだったのが、

突然オフショアとなった。

しかも強風だ。

ばらついていたうねりが合わさっているようで、

波は突然まとまってきた。

パドルアウトしようと、

南側に歩きはじめると、

遠くからタキビ神モービルに似た車がこちらに向かってきた。

千葉は、

この冬で一番寒い雨の日だった。

辺りには人気(ひとけ)はないのと、

雰囲気がそのようなので、

これはきっとタキビ神だという直感そのままに、

車窓が下がり、

中にはやはり破顔したタキビ神の御顔があった。

「どうですか?」

「かなりいいです」

私は見たままの波を伝えた。

「そうですか。すぐに追いかけます」

そんなことになって一人パドルアウトすると、

ジェフリーズ・カレントというか、

沖に吸い込まれるような大河があった。

その激流を越えると、

向こうには切り立った波壁が、

折り重なるダブルアップが、

3m以上もある波壁で展開していた。

分厚く、

重い波質と、

波面のすべてを跳ね上げるようなオフショア。

そして砕ける重轟音。

写真はないが、

この冬で一番良い波に乗った。

オフショアに押さえつけられた波壁と私は、

降下していても浮遊している感覚でもあった。

大きなバレルにも包まれた。

「ワールドクラスの波です100%完全に」

パドルアウトしてきたタキビ神とそんなことを話しているとき、

虹の予感がありありと満ちてきた。

「もうすぐあちらあたりに虹が出ます」

その感覚をタキビ神に吐露すると、

「虹ですか!」

そう言って、

たいそう目を輝かせてくれた。

神は時計を持たれていたので、

オン時間を聞くと、

まだ1時だと教えてくれた。

ご存じのように虹は、

太陽の位置が低くないと出ないので、

夕方まではまだ先だし、

当分は出ないかもと心配になった。

けれど、

数分すると突然色彩が立ち上がって、

水平線の向こうにアーチを描いた。

その虹はずっと空に大きく浮かんでいて、

「消えない虹」という楽曲を思い出した。

ちなみに上の画像は、

ポパイ・ケイスケが、

九十九里船長業をしているときに撮ったものなので、

きっと私たちが見たものと同じものだ。

虹はずっと出ていて、

ようやくなくなったが、

1時間は出ていたような気になったが、

サバ読みで38分だと言いそうになった。

最後の良波を駆け抜けて上がってくると、

また虹はあがり、

うっすらと色彩の追体験をしてくるのだった。

タキビ神のマンライ成仏後のディスプレイ。

これは、

たった二人だけの波乗りを媒介とした、

忘れられない色彩と剛健な波の記憶を焼き付けた日の記録だ。

これは銚子は、

根本さん家でいただいた辰巳寿司。

美しい伊達巻き寿司と、

銚子が誇る海産物の結晶のことも同時に思い出していた。

それはまた虹の様子と、

伊達巻きのアーチが似ているのかもしれなかった。

【巻末リンク:虹の別編】

【サーフィン研究所】千葉の大きな虹_エミリーと法王_(1188文字)

【巻末リンク*2:カッシーニとは?】

【サーフィン研究所】カッシーニ曲線のジロー_室戸ロッキーロード_スカシー・カフェ本日オープン!_(1539文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!