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【サーフィン研究所・特大渾身号】コスモス・サーフボード『TheOne』の真実_(3258文字)

NAKISURFの新しいWEBが完成した。

けれど、

家で言うところの、

「引っ越しはできます」

という程度で発進をさせていただいた。

新生WEB開設を急いだ理由は、

師走というか、

12月の忙しい時期だったので少しでも早くと、

柱と屋根、

床と壁が少々あれば良いですよと、

リニューアル・オープンした。

このことによって、

新生NAKISURFの目玉だったコスモス・サーフボードの掲載が間に合わず、

カミング・スーンなどと、

次回作の映画ポスターについている単語で後回しとさせていただいた。

後回しというのは、

この場合は肯定的な言葉だ。

コスモス・サーフボードのことを説明すると長くなる。

時代を取り戻したり、

これから創りあげるサーフボード・ブランドだと考えると、

懸命なことがたくさんあるので長くなるのだ。

「ひとつの時代を築いたサーフボード・デザインの復刻」

Surfboards that created an era.
A manufacturer of reproductions of designs based on tireless research.
And the work of an enthusiastic craftsman.

これがコスモス・サーフボードのコンセプトだ。

コスモス・サーフボードは、

サーフボード・マニアが集まって、

例えばデビッド・ヌイーヴァが、

USチャンピオン・シップスで乗ったサンディエゴ・フィッシュとか、

キャンベル・ブラザーズのボンザー、

そしてベン・アイパが考案したスティングを完全復刻させた。

これから、

ビンテージ・ツインピンや、

ミニ・シモンズなどがラインナップされる予定だ。

完全復刻=サーフボードのフルコピーならば、

博物館に行って対象物を借りてきて、

スキャンして3Dコピーすればできる。

(かんたんではないが)

こちらは、

ギークでマニアック、

そしてエンスー度マックスな前田博士がバックに付いている。

未来度マックスのエウレカの完成度でも、

彼はその超絶なるシェイプ&デザイン能力を見せつけてくれた。

とにかく前田氏と私は、

各地のグル(導師)たちとディスカッションし、

それぞれのサーフボード・デザインを解体していった。

「サーフボード・デザインは

1970年代に一度完成している」

スニーカーもそうだし、

車もそう。

大枠で言うと、

カウンターカルチャーという文化までも。

これは私の持論でもある。

そして、

水流と抵抗を考慮したそれぞれの進化版を制作し、

さらにそれを超耐久仕様として、

50年間乗ることができるサーフボードというのを目指した。

これはデザイン的にはもちろん、

前述したように耐久度、

耐候性というのも考慮して50年なのだ。

父から息子へ、

または叔父さんが親戚のサーフ狂いのキッズへ、

「(自分の生きた)ひとつの時代」

という自信と敬意をこめて、

次世代へ継承するサーフボードというのが、

コスモス・サーフボードの背骨的なコンセプトとなっている。

繰り返すが、

この数十年間に渡る前田博士の、

エンスー(熱狂的な詳細マニア)なレジン・ワークの結晶がある。

それらのボードを自身で数年乗ってみて、

その輝くような結果によっての打ち出しだ。

海外の名の知らない工員が、流れ作業で結実していくサーフボードでない。

これは、

最初から最後まで博士一人で重ねていく行程の工芸品であり、

職人技でもあり、

博物館から堅牢な鎧をまとって出してきた新品のサーフボードだ。

もちろん、

毎日乗ることができる

『デイリー・イクイップメント』というのを念頭においてある。

ここで本題。

コスモス・サーフボード発足のきっかけとなったサーフボード

TheOneの話をしなくてはならない。

TheOneの原型(オリジナル)は、

タイラー・ウォーレンが作ってくれた2+1だ。

タイラーは、

ミニからショートボード、

ミッドレングスはもちろん、

14フィートのログに卓越して乗ることができるカリフォルニア屈指のシェイパーだ。

「もし一本だけのボードで旅をするとしたら?」

彼にそんな質問をすると、

ずいぶんと考え、

「6フィート半くらいの2+1かなぁ」

そう聞いた私はすかさず

「その一本だけ」

という65版を作ってもらった。

モデル名もなかったので、

タイラーは見てくれのまま

これに『2+1』(ツー・プラス・ワン)と名付けた。

2はツインで、

1はシングルフィンということだ。

これがマジック(ボード)となって、

自身ブログでは、

数度かなりの枚数をさいてご紹介させていただいた。

ただこのボードは、

8ヶ月にわたるほどの奄美や沖縄、

千葉と伊豆、

そして土佐の激しい波で、

すっかりとベコボコになってきてしまった。

で、

タイラーに同スペックで72と長くして、

追い制作してもらった。

この2本の究極系(2+1)に乗り込んでいくと、

かなりのことがわかってきたので、

そのことを博士にインプットすると、

超素材樹脂と、

超耐久性ガラスクロスで68版を制作してくれることになった。

すべての利点と魅力、

タイラー・ウォーレンの英知と理論、

前田くんのタッチやエッジと、

そして折れたり壊れたりしないように、

前田くんが駆使する匠のすべてが結実した。

そしてこの前田博士謹製の68は、

普段使いはもちろん、

台風時の本番舞台用のボードとなってくれたのだ。

ただ、

斜面が切り立ちすぎると、

レイルラインの限界を感じるようになった。

パイプラインを滑るジェイミー・オブライエンやジョンジョン、

セス・モニーツやロボ(ジャック・ロビンソン)のように短くすることで、

接水を効かせようと短くしたかった。

具体的には、

ライフガードなどがいない日本の台風波で、

テイクオフの安定度を高めたかった。

(ワイプアウトしたり、ボードが折れると大変なことになる)

前田博士に相談すると、

「(68と)同じアウトラインと

コンセプトで4インチ短くしましょう!」

短くしてフィンの効きを上げ、

波との密接度、

つまり接水効果をアップした64バージョンの制作となった。

超耐久仕様で完成したのがこれだ。

ツイン仕様としたのは、

複数形のフィンではなく、

ミニマルにしたかったので、

シングルよりもツインの汎用性から採用した。

これには1970年代のレトロ紋様というか、

そんな風合いのデザインが施された。

千葉のエックスの小波で、

湘南でも伊豆、

はたまた土佐のビーチブレイクから、

激流リーフ、

リバーマウスの究極波まで乗ってきた。

ある日、

この64に対して、

「人生で一番のマジックボード」

と称えて今にいたる。

乗り味はというと、

とにかく足に付いてくる。

突然のバックウォッシュですら吸収してしまう。

まるでボード自体が滑りたいのかと錯覚するほど、

テイクオフ時には揚力が満ちる。

この揚力こそが、

ボトム・コントゥアーの妙だと仮説を立てて前田博士と論を交わすと、

「エントリー(ロッカー・エリア)から

テイルに抜ける水流が適切だとこうなります」

前田博士はすでに解答を得ていたようだ。

とにかく64と短いのにグライド(滑走)が速い。

ツインなので、

自身の体勢をミニマムに封じ込め、

そしてこのボードの回転性を最大限に活かす。

サーフボードのデザインは、

フィンとの関係で最終的に結合する。

そんな初志以来の原始テーマが、

熱くたぎるような温度感覚と共に戻ってきたのが、

このザ・ワンだ。

The Oneを翻訳すると、

「その1」とあったが、

そうではなく究極の、

唯一無二の、

そして「これ一本」という意味のザ・ワン。

最初で最後のサーフボードだと、

究極デザインへと願いを込めて命名されている。

現在、

COSMOS SURFBOARDS

(THE ONE含め)のブランドページは、

2023年1月のスタートに向けて鋭意製作中です。

【巻末リンク:64=TheOne里帰り編】

【サーフィン研究所】笠雲富士の縁起とNAKISURFセッション_64の里帰り_(1125文字)

【巻末リンク*2:生涯のマジックボードと命名した回】

【サーフィン研究所渾身号】生涯マジックボードNo.1の64生誕記_(2296文字)

【巻末リンク*3:梨とコスモス・サーフボード】

【サーフィン研究所】針木の森本果樹園の巨大赤梨_コスモス・サーフボードの初ポスト_じろうトーストの出現_(1044文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!