【サーフィン研究所】南うねり到来_夢幻御殿の秘曲_(1188文字)

東うねりが続いていて、

東南東うねりが入ってきた。

あれ?

そう思って、

今日のお昼くらいの風予想を色モデル化したものを見ると、

なんと西風が強く広く吹くようで、

そこからのうねりもあり、

さらにはバックグラウンドで南西うねりも入っているようだ。

伊豆半島の東側になると、

風は列島の地形を受けて回りこむのか北風なので、

サーファーズ岬もいいだろうし、

トリスケルもありで、

近場だとマリエルあたりだろうか、

現在午前2時だが、

そんな思案をしている。

先生のところに教えを乞いに行くと、

ネコ界の二刀流ビッコがいて、

見事にジャンプしたのを激写した。

これは先月の画像だが、

ショアブレイク好きにはたまらないブレイクを見つけた。

【土佐民話】

夢幻御殿の秘曲

今は昔のことじゃ、

大那波泊という逸品波があった。

ある日、

集落に住む信が、

みかんの仕事をしていたが、

季節外れの暑さにたまりかねて、

ラングラーでザリバリと大那波泊のほとりまで降りて行くと、

それは立派な波がドカンと音を立てて砕けていた。

信は連続する波の炸裂を見ながら腰をかけて休んでいた。

よほど疲れていたのか、

腰をかけたままいつしか眠りに落ちてしまった。

どれほど時間が経っただろう。

冷気を感じて信は目を覚ました。

あたりを見渡すと、

とっぷりと日が暮れ、

夜空に浮かんだ月の光があった。

波は変わらず、

ドッカンと盛大な音を立てている。

そんな時、

信の耳に波の轟音とは別の、

何やらとても美しい音色がかすかに聞こえてきた。

「琴の音だ…」

いとも妙なその琴の音色はどうやら波の方から流れてくる。

信は波へと目をやった。

なんとそこには、

これまでなかった立派な御殿が波の右に現れていた。

軒には提灯が灯され、

ぼんぼりがいくつも灯された座敷に、

若い女性が琴を鳴らしていた。

この時代の琴は、

神を呼ぶための重要な祭祀用具であった。

つまり琴の音色に神が憑依し、

託宣(神のお告げ)をするものだ。

信はまるで、

何かに憑かれたかのように我を忘れて琴の音色に聴き入ってしまった。

「すがるなく、

いつまでもハッピーサーフ」

琴の音色は、

繰り返しそう朗吟していた。

気がつくと、

知らぬ間に夜が明けていた。

先ほどまでうつろに眺めていた御殿もすっかり消えていた。

「不思議なこともあるもんだ…」

再三驚かされた信は急ぎ足で里へと帰り、

ことの次第を里の人たちに話した。

話を聞いていた古老の一人が

「それは信の願いと想いが、

十五夜の精となってあらわれたものじゃ

それからというもの、

信がこの波に近づくと、

遠くから琴の音が聞こえるようになったという。

【巻末リンク:民話1】

【サーフィン研究所】土佐民話シリーズ2「ふしぎなお遍路さん」_オオモンハタ_(1198文字)

【巻末リンク*2:民話2】

【サーフィン研究所】空海_(982文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!

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