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the white sound -白音- part1 (2001年1月作品)

ビッグイベントのクリスマス、新世紀となったニューイヤーズデイも迎え、いまだにのんびりした休日ムードが抜けずにいる。

一昨日、そして昨日と大雨が降った。新聞「ロスアンジェルスタイムス」の公式発表によると、この降雨量はこの冬最大だということ。
春から夏、そして秋まで大陸に堆積した汚れがバクテリア(細菌)となり、海に流れ込んできた。
キャピストラノビーチの崖まで行き、眼下に広がる海を見ると、川からの流れが沿岸沿いをくねくねと曲がりながら茶色い帯を海面に作っていた。
雨によって海に流れ込んだ細菌は、傷口や、粘膜経路で感染するサーファーにとって怖ろしい病原菌だ。
先日、オーシャンサイドで波乗りをした友人が感染し、発病後に意識不明となり、救急病院で集中治療したほどなので、カリフォルニアでの雨の翌日には要注意したい。

俺はクリスマスの前週に新体験をした。
それは波乗りの新しい世界に違いない。

東日本でこの秋一番の寒さをもたらした寒気団。
それは勢力を増しながら北に向かい、アルーシャン海域でさらに発達する。
冷たい猛風の下で海面はさざ波となって揺れ動く。
さざ波は連なり重なり、それはやがて大きなうねりとなり、貿易風に乗ってはるばるハワイ諸島のある中央太平洋海域に突進してきた。
うねりとなってから実に100時間がここまで費やされている。

3番目に大きい島、オアフ島。
その北部には「7マイルの奇跡」という伝統的な波乗りができる海岸があり、トリプルクラウンのために世界中から集まったサーファーたちをこの大波は歓喜させた。
ソリッド20フィート、つまり波の前から計ると15メートルという北西うねりは、ハワイ諸島に上陸し、すさまじいエネルギーを波の切っ先にこめてブレイクした後は、北米大陸の西端までさらに進んだ。

南カリフォルニア。
その入り組んだ地形から「オレンジカウンティで最後の秘境」と称されるラグナ・ビーチ。
そこにモナークビーチと呼ばれる小さな岬があり、隣に白砂が広がる群立海岸公園『ソルトクリーク・カウンティビーチ』。
ここはオレンジ群で北西うねりを最大に捕らえる海岸として、サーファーに知られている。
その湾の北側にサーファー達の間では、『ザ・ピット(穴蔵)』と愛称が付けられた海底隆起があり、ものすごい波の饗宴がここで展開される。

さきほどのうねりが未明に届いたザ・ピットは、朝陽と共にその大きな口を開いた。

(明日へ続く)

One thought on “the white sound -白音- part1 (2001年1月作品)

  1. padako

    とおるさんのインタビューで知った時から気になってて、この記事読みたかったんですよ!!

    感激~~~っT▽T

    まさかコレが一発目に来るとわ!
    たまには行方不明も万歳!?(笑)