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【突然特大号】柔らかい波に思い出す豪傑たち_カワサキさんのもう一回言ってくれぃ?!!_マイクロカーVSマイクロボード_いい雪駄とBD3_(4622文字)

美しく晴れた空もそろそろ夕陽時間となってきました。

いつものフォードアーズですが、

満潮プラス、

明日のメモリアルデーの用意もあるのか、

陽が傾き始めると、

あれだけいた人たちがあっという間にいなくなってしまった。

俺の週末はこの時間を見計らって波乗りに行く。

満潮フォードアーズのパーフェクション。

連続した斜面が手前の椰子の左側まで続くのが、

この満潮波の特徴である。

斜面は緩慢で、

まるでゼリエースの上を滑っているような錯覚に陥る。

遠浅の特徴である柔らかい波は、

押し出されるような滑走もなく、

怖いほどの切り返しもない。

だからこそ、

泡も斜面の一部として使ったり、

波の上部の切っ先や芯をうまく使って速度を付けて、

それを失速させないように丁寧にサーフしていくのが楽しい。

九十九里浜、七里ヶ浜、木崎浜、ワイキキ、ここサンオノフレ。

世界でもこういった波質は多く、

じつは好きな波質のひとつであります。

ホワイトハウス(ノースハワイ)やカリチェ岬(コスタリカ)、

キンチャンズ(湘南)のように硬く、速い波も好きなので、

食べものに例えると、

焼肉も好きだが、

湯豆腐もいいね、という感覚だろうか。

無論、フォードアーズが湯豆腐ですが、

七里ヶ浜にうねりが入ったときのように極上の湯豆腐であることは間違いない。

フォードアーズではいつもミッドレングスやロングボード、

サンオノフリーやキャッチサーフなのだが、

今日はカーブボールで乗ってみた。

日本の波にそっくりで、

懐かしい気分となり、

波待ちの間、

友だちやお世話になった人たちの顔を思い出していた。

俺が始めたときに世界一のサーファーだったのが杉さん。

この平野杉さんは、

後にプロサーファーとなり、

あの当時にコンスタントに見せていた電撃8の字カットバックは、

サーフィングを芸術まで引き上げた滑走だった。

30年経った今もあれを超えるカットバックを見たことはない。

そのとき好敵手だったD先輩のバックサイドリップも、

時の人マーティン・ポッターに匹敵する動きでした。

これはセンパイのことだからといって書いているわけではなく、

あれは胸程度のセクションに垂直に上がり、

ボードは空を駈け、

テイルを1cmだけ残して残像を残して返っていった。

現代サーフィングではおなじみの高速バックサイドオフザリップだが、

30年前にバックトゥザフューチャー的な動きをしていたのがD先輩。

「もう一回言ってくれぃ」

と酔ってしまったのも今ではよくわかります。(笑)

そして伝説的にすごかったのが抱井さんでした。

彼はボードにこだわらず、

ボディサーフはもちろんのこと、

プラスティック製のウインドサーファー艇で見事に波に乗ったり、

あの当時からフィンレスサーフィングをしていた。

そして抱井さんの文章力は、

サーフィン界の村上春樹か北方謙三だろう。

水滸伝ではないが、

豪傑の中のメインキャラクター的な存在であります。

当時抱井さんは、

空志海児さんというペンネームでSW誌にコラムを書かれていたけど、

あの珠玉文章を集めて出版してほしいと思っている一人であります。

こうした人たちに囲まれていたので、

俺の1983年(昭和58年)は、

今も彩りが鮮やかで、忘れがたいほどの記憶を焼き付けている。

村上さんが「1Q84」を書いたが、俺の『1Q83』を書きたい。

波乗りというのは、

時に味覚の記憶のように似た波に乗るだけで、

その時代と場所に連れていってくれます。

あのときお世話になった人たち、

本当にありがとうございました。

ネコ好き仲間であり、

ハッピーグライド友の会仲間のOMF大谷さんからメールで、

「ぼく的ですが、茨城フォードアーズをご紹介します」

とメールがあり、

昨日の波模様を送ってきてくれました。

いい波ですね!

さて、今日のこちらは日曜日。

メジャーリーグはマティネーと呼ばれる昼興行、

つまりデーゲームが多く開催されていた。

イチローさん、岩隈さん、青木さん、

藤川さんたちの試合登場機会があったが、

本日特筆すべきはカワサキさんでした。

岩隈さん以外は3試合同時進行の日で、

MLB.COMで観戦することを選んだのはカワサキさん。

初回のファインプレー、3回のチーム初安打となるセーフティバント、

8回の満塁時のタイムリーヒット、

そして最終回には、

2アウト3?2カウントという絶体絶命状態から、

試合を決める逆転サヨナラ二塁打を打った。

マリナーズ時代は、

控えの控えみたいな不遇なる役に徹していたが、

カナダのブルージェイズという名門チームに行ってから、

カワサキ時代が到来したと思える。

ラテンの人たちよりも陽気な性格、

ボディアクションでチームメイトと意思疎通し、

カワサキボディアクションはチームに浸透して、

TVの解説者までが

「最近の趣味は、球場に来たらカワサキを見ること」

とまで言うほどチームの顔となっている。

試合に出て、

バッターボックスに入ったらピッチャーに球数を投げさせ、

ドラッグバントのような小技、ベース上での執拗なリード、

守備の確実さとグラブさばき、頭脳あふれるプレイ。

その全てが実を結んだのが今日。

彼のこの活躍に涙を流したのは、

俺だけではないだろう。

カワサキさんことムネリンは、

あれからずっとニヤけているのでしょうね。

おめでとうございます!

明日からも楽しみです。

ということで、

俺は自他共に認める野球好きです。

アメリカに住んでいるので、

メジャーリーグ世界をかなり深く追いかけている。

カワサキさんがコールアップ(メジャー入り)してから、

彼の弾けるような明るさがチームに伝搬したと言えよう。

これは基本に忠実で、

実力のある野球スタイルがカワサキさんを支えているからに他ならない。

それにしてもこれほどまでに楽しくプレーしているのは、

今までの日本人選手に見られなかったので、

このまま一流メジャーリーガーとしての階段を駆けあがってほしい。

いつかカワサキさんと焼き鳥屋さんで飲んだとしたら、

こういう内容にしたいです。

「カワサキさん、あのメジャー初逆転サヨナラ安打の試合は伝説です」

「見てくれていたのですか?」

「はい、カリフォルニアで朝10時から釘付けで観戦していました」

「うれしいです」

「あれは忘れられません。よくおぼえているので、

カワサキさんから詳細を聞きたいです」

「わかることでしたらいいですよ」

「あの日は、簡単に良く晴れたメモリアルデー三連休の日曜日でしたね。

トロントのロジャース・センターは、可動式屋根を開け放したデーゲーム。

試合は9回の裏にブルージェイズが一点差まで詰め寄りました。

満塁が崩れ、2アウト、ランナー3塁、1塁」

「詳しいですね?」(カワサキさん)

「ピッチャーはオリオールズの正クローザー、ジム・ジョンソン」

「彼、球速表示よりやけに速く感じるんですよ?」

「そうなんですね。調べによると、

ジョンソンは球速152km以上のシンカーを4種類投げわける超ハードピッチの29歳です」

「あのシンカーはものすごく重くて、やたら曲がってやばいんですよ。球速160キロ以上に感じます」

「やっぱりそんなにすごいのですね!ジョンソンは去年のオールスターに出場し、

51セーブのチーム記録を持ったオリオールズ史上最強のクローザーだとあります」

「え、そんなピッチャーだったの!」

「あ、カワサキさん知らなかったのですか?」

「いやあ、スカウティングレポートにはシンカーの種類と、

カウントによるロケーション傾向しか書いてないから記録まではわからないですよ」

「選手から見るとそうかもしれませんね」

「あの、試合の続きを話しましょう」

「そうでした。ロジャース・センターは、

“カ・ワ・サ・キ・カ・ワ・サ・キ!”と観客から合唱が起きました。

その中、ジョンソンはムネノリカワサキにセットポジションから第一球を投げました」

「おー!」

「時速149kmのツーシームファストボール、シンカーが低めにボール2個外れます」

「一球目は指に引っかかった感じでした。

けれどジョンソンは最後までずっとシンカーを投げてきました」

「二球目はアウトコーナーいっぱいに決まったベストピッチ。しかし審判はボールとコール」

「あれで無表情だったジョンソンの顔色が変わりました。

でも4球目には高めのボールを今度はストライクと判定されて、

行って来いになったんです」

「あの時、いいよいいよ!って打席で思ってませんでしたか?」

「んー、そうだったかなぁ?」

「で、3ボール2ストライクとなって、

3連休の超満員の球場の観客は総立ちとなりました。

“カワサキカワサキカワサキ”コールが続いています!

ジョンソンがサードランナーに目をやり、セットから第6球目を投げました」

「おおそれだ!おぼえてる!」

「シンカー。内側から真ん中低めに切れ、カワサキ、フルスイングでジャストミート!」

「嗚呼ー!」

「打球は弾丸ライナーで左中間、伸びる伸びる、二段階で伸びていく。

そしてセンターのアダム・ジョーンズを超えて、ワンバウンド、ツーバウンド、

スリーバウンドして117m地点のフェンスまでボードが跳ねていくー!」

「やった?!!」(立ち上がって両手を拡げてジャンプするカワサキさん)

「3塁ランナーのアレンシビアがホームイン、

続いて、1塁ランナーのマーク・デローサもホームイン、逆転サヨナラ?!」

「YES!!イエス、シー!アリガト?!!」

(両手を合わせて、店内の他のお客さんに向けてお辞儀するカワサキさん)

「チームメイトが全員カワサキさんの元に駆け寄ります。

うれしくてたたかれて、昂奮と感動と、

このドラマの結末に観客は歓喜の輪に包まれます。

チームメイトの輪から外れたときのカワサキさんのうれしそうな表情。

歓びに震えるブルージェイズ・ファン。ハイタッチと拍手の嵐がトロントに吹き荒れています」

「うれしいね?」

『最高ですね!俺もうれしくて、これを思い出すだけで感動に包まれます」

「あのー、船木さんひとつお願いしてもいいですか?」

「もちろんなんでも言ってください」

「もう一回言ってくれぃ???」

カワサキさん、こんな日が来るまでしっかりと憶えておきますね。

Rambler Americanという車を発見した。

この1963年式のステーションワゴンは珍しいという。

ハッピータクシーというのも発見。

前出したD先輩から「マイクロカー291」

というメールが届き、

そこにはこれらの画像詰め合わせがあった。

年代別に並べてみて、

いくつかの車の歴史を調べてみると、

それは興味深いものだった。

1938 Velocar

1951 Reyonnah

1955 Messerschmitt KR 200

1956 Fuldamobil S-6

1956 Isetta Velam

1956 BMW isetta 300

1956 Paul Vallee

1957 Voisin Biscooter C31

1958 Goggomobil Dart

1959 Scootacar Mk I

1963 Vespa Ape

1964 Peel P50

1966 Peel Trident

1972 Bond Bug 700E

2005 MCC Smart Crossblade

俺が一番欲しいのがBMWイセッタで、

そのことを先輩に伝えると、

「俺はいい雪駄が欲しいね」

と語呂合わせをしていた。

さすが先輩です。

すばらしい週のはじまりとなりますように!