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【サーフィン・テクニック編】切り立つ波でのバックサイド・アプローチと脱出法_(2376文字)

夜半、

房総半島をかすめるように低気圧が過ぎていった。

また植木が飛んでしまっているのだろうか?

ウエットスーツもどこかにいってやしまいか?

そんなことが気にほどの猛風だった。

明けると、それは北東風だとわかり、

さらには、

この一宮近辺がクローズアウトするほどのうねりも届いているという。

一級焚火師ヤスくんによると、

「北東うねりのようです。およそ038度の角度です」とのこと。

勝浦方面だと直感し、

南下していくと、部原の波があまりにも良く、

しばし見入ってしまった。

ただ、混雑。

やってやれないことはないけど、

みんな波を争って乗っているように見えた。

で、北側を見ると、

ショアブレイクだったが、

左手の岬から押し出されてきたウエッジが重なると、

それはそれはの圧縮系となる。

NATION Classic Fish 5’4″ x 20-1/4″ x 2-1/8″

.

先発していたサーファーは2人だけだった。

ひとりは「リーシュを切っちゃいました〜」

そう言いながら上がってきて、

少しするともう一人も切っていた。

「風が吹けば桶屋が儲かる」

そんなことわざがあったが、

「ここに波が立つと、リーシュ屋が儲かる」

そんなことを考えながらパドルアウトしていった。

今日もまた連続写真を得たので、

そのコマ間にキャプション風に説明していくことにする。

まずはテイクオフ。

張り付くと、

もしかするとチューブに入れるかもという切り立ちだったので、

できる限り、ディレイ(Delay=遅延)させて、

波のトップに最後まで自分を残すことにした。

けれど、チューブにはならなさそうだったので、

加重を下、波底に集めるようにしてドロップインをする。

具体的には前足に向けて、全体重を落としていく。

バックサイドなので、

スタンスはストリンガーの左側がよろしく、

この意味は、例えどんなに壁が掘れ上がったとしても、

左側、

つまり波側のレイルが波壁に食い付くようになっている。

テイルとレイルで押しつけているところは、

自分が崩してしまった波トップ。

なので、

バレル内に発生するフォームボールのようにボードを沈ませようとする。

この場合は「Sink(沈む)」と使うが、

たいていは

「なぜバレルから出て来られなかったか」を表現する用語である。

Sinkしていたが、

おかまいなくレイル加重を続ける。

テイルがぶれてあちらこちらに向いてしまうが、

それを気にしないように。

これはフィンレス・サーフィンで得た大きなことで、

フィンが抜けようと、テイルが逆を向こうと、

それはいつも起きていることなので用意がある。

さらには

「テイルがブレるのはそこまで大きなことではない」

と認識できるのが大きな長所。

今までは、この位置でテイルが滑り始めると、

「ああ無理かも」

とあきらめる種子を蒔いていたのが過去の自分。

波壁に出ることができたが、

海底が急激に隆起して浅くなっているので、

波が跳ね上がるように切り立ってきた。

「ここからバレル(チューブ)になる」

そう見積もった瞬間。

気分はジェイミー・オブライエンか、

ジョンジョン・フローレンスであります。

前足をレイルに置くという過度の波側への加重を続け、

壁に留まろうとしていた。

この位置が最良だろうか。

ここから一気に波が跳ね上がるのだろう。

けれど、前方から反対側のセクションが、

向かってくるように、

浅瀬で増幅するように膨らんできた。

バレルインはできても、

バレルアウトができないと判断し、

「テイルを踏んでセクションからの脱出」と、

身体の各部に瞬時に指令した。

具体的には波前方に離れる滑走を。

後ろから迫ってくるのは、

ちょっとした怪物みたいな水の塊。

波乗りをしている人ならわかるが、

これだけ分厚いリップ(波先)の初期インパクトを喰らえば、

背骨や首を骨折するものもある。

判断のタイミングが良かったようで、

ちょうどインパクトの10cm程度前に出られた。

後方で爆発するように弾ける波。

圧縮系とか、

トップ&ボトムという波の種類がこれです。

「波は高さではない」

大波乗りが良く言う言葉だが、

まさにその通りの強大なエネルギーを発する波。

後方爆発中。

これもフィンレス・サーフィンで会得したのだが、

体勢を低くしていると、

波から落とされることが極端に減った。

というか、ほぼ落とされることはなくなった。

脱出完了。

まるで引田天功であります。(笑)

これでバレル系のテイクオフもメイクし、

さらには波さえ良ければ、

バレルインできて、

さらにはバレルアウトの脱出法までができた。

この場合のポイントは、

波がどうなるのかを良く見ることと、

「揺らがない信念」そんなことでしょうか。

メイクしないと危険な波だけど、

こうすることによって、ボードも無事、

そして無傷で上がることができる。

「波を攻めよ」とは最近聞く言葉だが、

こうして綱渡りのようなスリル連続の満足ライディングという日もあります。

連日続いてしまったけど、そんなテクニック編です今日も。

左からクニくん、近藤さん、ピースサインはヨッシー、

ビームス美術長の永井さん、レオくんのお父さんの金尾さん、

しょう寅しょうちゃん、横山泰介さん、トミヤマさん、

さらに後ろには菊池さん、マーボーさん、高橋さん、

黒澤さんにオゴちゃんがいたショット。

これは新宿ビームス・ジャパンさん4Fの、

私のPOP UP個展

“NAKI BRANDNEW ARTWORKS 2017″の一コマです。

こちらは後10日間、

6月30日まで開催しております。

ぜひビームス・ジャパン4F

トーキョーカルチャート特設コーナーまでお越しください。

東京都新宿区新宿3−32−6

11時00分~20時00分

03-5368-7300

http://www.beams.co.jp/beams_japan/

どうぞよろしくお願いします。