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naki's blog

古風&新時代タイラー・ウォーレンのサーフボード世界(中編)_(1696文字)

(昨日からの続き)

私が日本から戻り、

タイラーがメキシコから戻った。

あのメキシコ大地震にも遭ったという。

なんと震源地から320km程度のところにいて、

それはそれはの揺れが90秒も続いたと言っていた。

天災は恐ろしい。

それも旅先での恐怖は忘れられないものとなる。

私も23年前にここサンクレメンテで、

米国史上最も経済的損害が大きかったとされる

ノースリッジ地震(Northridge earthquake)を経験している。

朝の4時半だった。

私はトレッスルズ駐車場隣にカールズJRというハンバーガー・チェーンストアがあり、

そのすぐ横のアパートメントの二階に寝ていたが、

あまりの揺れと、

建物の崩れるような音で飛び起きた。

すかさず裸足で道路に出て、

「ワシワシ」と音を立てながら揺れる建物と電柱を呆然と見ていたことを思いだした。

冒頭からこんな話で恐縮だが、

記憶というのは崩れるように戻ってくるようで、

そのことを記録したくなったのであります。

これは昨日の冒頭の作品にもあったが、

サンディエゴのアーティストが、

1970年代のエアブラシをイメージしたゼン・アート。

©Jeff Divine

David Nuuhiwa and John Gale;

Laguna Canyon, California; 1971

Nuuhiwa, together with fellow surfers Mike Hynson,

Herbie Fletcher, Les Potts, and Barry Kanaiaupuni,

appeared in the Brotherhood-financed film Rainbow Bridge,

which featured a guest appear Jeff Divine.

反射的にデビッド・ヌイーバのボードアートを思い出した。

(デビッド・ヌヒア、ヌヒワという誤表記もあります)

この項を膨らませるのなら、

今このブログ等を書いているオフィスから4分のところにいるハービー・フレッチャーと、

3分ジェフ・デバイン(キャッチサーフ近所のサーファーズ・ジャーナル)に聞くだけで、

16ページ程度の特集記事になりそうなので、

歴史に興味のありそうな各編集長のお顔を思いだしていた。

良く見ると、

この時代にすでにデュアルフィンがあったのですね。

そのデュアルフィンを示すタイちゃん。

なんとデュアルは初製作であるらしい。

ベンチュラセイジが育てた日本の梨。

それを頬張るタイちゃん。

「ワォ!爽やかに甘いね。まるでおいしいリンゴみたい。

これが梨?すごいです。そういえばセイジの長めのボンザーは、

どうだって言ってた?リンコンでやっているのかな?」

そんな話題に飛んだ。

ボードルームから外に出ると、

Dフィン・フィッシュがあり、

このぼってり感が最近のサーフボードの風潮を標準化したものだと思う。

サーフボードはぼってりしていた。

1970年代、いや80年代までは。

90年代前半になると、

ケリー・スレーター、ロブ・マチャド、

シェーン・ドリアン、カラニ・ロブたちによる

『ニュースクール』という大流行があり、

それはエアはもちろん、

「ノーズを波の中に差し入れてテイルを進行方向とは反対に流す(リバース)」

「斬れ味鋭いレイルトゥレイル」

というターンのために薄く短いボードが流行して今に至るが、

最近のサーフボードは、

私の読者ならご存じのようにその種類だけではなく、

「より伝統的に」

「クラシックこそがサーフィンの美しさだ」

というファクトも現れた。

ちなみに私は、

「フィンを小さく、または取り払ってしまえば全方向滑走」

できるということを知った。

これによってボードは厚く、大きくなり、

「波に乗ることができる」

「ターンしないでも滑っていくことができる」

そんなサーフィンの楽しさと原点に気づきはじめた。

そんな新時代というか、

古風なルーツを具現化したのは、

間違いなくタイラーたちによる功績だろう。

(明日、日曜日に続きます)

すばらしい土曜日、

すてきな週末となりますように!

(明日の後編に続きます)