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【特大号】未来のサーフボード、エウレカ_感嘆符だらけのインプレッション_ヨハンのフィン完成!_(2556文字)

Bow’s Surf Breakfast.

Selamat pagi!

(おはようございます)

.

波がさらに上がってきたので、

安定性を求めたフィンが欲しく、

レイク(傾斜)というか、

後方に面積のあるようにデザインし、

インドネシアで一番のフィン職人ヨハンにお願いした。

このエウレカはフィンスロットを6個搭載している。

それはやはりテストモデルだからで、

フィンの組み合わせを探ろうという魂胆だ。

なので、

今までのタイラーツイン+NAKISURFスモール中x2に加え、

前方の後ろスロット(2つ穴のテイル側)に

ナブスターを付けてみると、途端に安定した。

いくばくかの面積ではあるが、操舵感覚は顕著に表れる。

それがフィンのおもしろさであり、むずかしさである。

エウレカ開発時は、

こうしてラフスケッチをしながら前田博士と一緒にディスカッションしていった。

「このレイルラインだと、テイルが波に入り過ぎて失速します」

「じゃあ(テイル)キックを付けようよ」

「それだと、ふわふわした乗り味になってしまいます」

「全体的なロッカーを変えようか?」

「基本はフィッシュなので、その特性を活かすにはフラットベースでないと」

「じゃあ多面レイルにして、それぞれのラインを融合させよう」

「承知しました。難しいがやってみます」

「速度をマックスに保ったまま操舵できるように」

「全く相反する事項ですが、やってみます」

「ノーズラインが大事なんだよ」

「パドルしているときにいつも見えますものね」

「あのラインが決まると、サーフボードは命が入る気がするんだ」

「始まりのラインですものね。フィンはどうしますか?」

「ツインを基調とするけど、ミニマルフィンで培ったものがあるので、

それを補助フィンとしてトレーラー(後)に付けたり、

リード(前)として付けて、そのツインパワーを最大にしたい」

「こんな感じでね」

「なるほど、フィン側に加重すると、レイルが連動して、それがノーズまで行く、と」

「そうなんだよ。テイルラインを狭めて曲線にすれば、

波の中でフレックスして粘り、それがリリースのときに放たれるコントラストを出したい」

「なるほど」

そうやって前田博士は、原型となる型をコンピュータ上でデザインしてくれた。

サイズも5’11” x 20-1/2” x 2’ 5/8” 35.22CLとなって、

幅を持たせることによって、小波でのスケーティングを重要視した。

クイックさと回転性はフィンで決められるようにと、

プレースメントは博士が研究し尽くした位置を決めてもらい、

さらには激速テイクオフのために、

ノーズを最大限に押し込めるように分厚く、

そして安全性を考えて、丸めるが野暮ったくならないようにと、

また無理難題を出して、

エボルブ・フューチャーシェイプ研究所を離れた。

完成しました!

見てください!!

そんな感嘆符ばかりの連絡を受け、

慌てて春の嵐後の伊豆から戻ると、

『以心伝心』のような、

想像通りのサーフボードが完成していた。

見てください!

このノーズラインの美しさを!!

すごい!

前田博士の研究所は、

Future Shapesと掲げているだけあって、

これこそが未来のサーフボードだね。

そう言って、

さらには各面のパネルがわかりやすいように、

どこがどう機能するのか理解しやすいように色分けしてもらった。

また初夏伊豆に行き、

河合さん、ツナくん、ラカ(サバ)ちゃん、

菊池さん、田原さんたちとサーフしていると、

「カラーが完成しました!」

とあって、千葉に戻ると、

エウレカはいよいよ最終段階、

クロスと樹脂をまとう段階までやってきていた。

それからOCEANS誌の取材でノースハワイ(カウアイ島)に行き、

戻ってくると、ついについに完成していた。

エウレカ初号機。

フィン位置も全ての可能性を探るために、

そして未来のサーフボードになるべく、

鋭く、そして豊かなるフォルムを表現していた。

そのままボードバッグに入れ、

バリにやってくると、伝説的な銘波が届いた。

サーフボードとしては、

この上ないほど幸運をまとっている。

元々は小波からオーバーヘッドのサイズを想定してのデザインだったが、

こうしてフルサイズで入り、

高速滑走してみると、

人生最大のヨロコビを波乗りから得られるのだった。

夢波。

ノースハワイですらこのサイズはなく、

きっとこれは*エウレカという言葉の意味に由来する出来事で、

そんな運命をまとったボードであると、

しみじみと湿気のある空を眺めていた。

*Eureka(エウレカ)=ギリシャ語に由来する感嘆詞。

何かを発見、発明したことを喜ぶときに使われる。

古代ギリシアの数学者・発明者であるアルキメデスが叫んだとされる言葉。

私のグルメガイドを依頼してくださっている

8ホテルの島田社長と、秘書の谷内さんご一行さんと、

大樹くんがチャングーはデウス食堂にやって来られて、

みなさんと再会に乾杯し、

さらに私は密かにエウレカに乾杯した。

明けて翌日。

ヨハンが「フィンが完成しました!」

そんなまさかのことになり、

たった3日で自分のカスタムフィンが仕上がるとは!

感じたのは、エウレカにまつわるものは、

そんな感嘆符だらけのことであるらしかった。

描いた線がこうして具現化し、

それはまたエウレカに装着されると、

ゾクゾクするほどのセクシーさになった。

メインのツインはフレックスティップなので、

しなりがさらなる粘りとリリースを生み出す。

ヨハン、ありがとう!

テリマカシ〜!

そうやると、

4カ国語堪能の彼は、

「いえ、ジブンの仕事をシタマデよ」

そんなプロフェッショナリズムを、

タイラー・ウォーレンが愛するクラフツマンシップを

アジアの南端で感じたのであります。

いいなぁ。

それではエウレカの鋭意インプレッションをここに終えます。

まさかこんなサイズの波に乗れるとは思わず、

夏のバリのすごさを思い知った本日であります。

それではすばらしい週末をお迎えください!

Happy Surfing to you!!!

【リンク、ヨハンにフィンを注文した日】

おいしすぎるバリ_ヨハンのカスタムフィン_(1502文字)