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【サーフィン研究所特大号】前田博士とコスモス・ボードミーティング『スリルと制御の最高峰』_(1967文字)

先日、

前田博士とボード・ミーティングをした。

使用ボードは2本。

コスモス・クラシック80と、

ログ界の名作ピグのコスモス流『ネオ・ピグ95』だ。

上の図表だと、

左から5番目と6番目のモデルだ。

私がこのクラシックに乗っていると、

さまざまな声が聞こえてくる。

「短く見える」

「テイル幅がありますね」

「信じられないほど速い」

「持った感じが古典的でかっこいい」

「特急わかしお号」

たいていはそんなことで、

所有している私も同じような感想だけど、

乗り手としては、

「すごいトルクを感じる」と付け加えておこう。

ボランクロスなので、

比重というか渋く、

しっかりと重い。

薄緑、

または薄い青をまとったボラン色にうっとりとする。

この重さによって、

テイクオフの振り出しが早く、

加速すると、

ラグジュアリー・セダンのように

「まさかの速さ」となる。

大きなボード、

滑走速度が異様に速いとなると、

まるで大型単機筒『ビッグ・シングル』

というモーターサイクルの原点の様相を帯びる。

そしてこれこそが、

サーフィンの原点というか、

『スリルと制御』

そんな相反する項目に夢中になるのだった。

このクラシックを誕生させたのは前田博士だ。

いままでありそうでなかった

クラシックのノーズにシモンズ系のテイルを採用することによって、

より小波を速く滑ることができ、

そしてプレーニングを安定させた。

博士としては、

このクラシックの初乗りだ。

自身でさまざまな事象を確認しつつ、

メンタワイで鍛えたバックサイド・トリムを見せた。

「ミニマムなターン」

そんなことを意識しましたと教えてくれた。

博士はさまざまに詳しく、

キックアウトもキチリとテイルを踏んで、

結末を合図する作法も持ち合わせていて、

なかなかにすばらしかった。

そのあいだ私がカメラ係、

ナッキーが前田博士所有のネオ・ピグ95に乗っていった。

傍観者であるのは、

第三者というか、

自分ではない意見を聞きたかったからだ。

ごらんのようなささやかな波だったが、

きちんとセクションに長いレイルを入れ、

パワーゾーンを走るナッキー。

このサイズの波は、

短いボードでも乗れるけど、

この長さになると、

波に乗ることに夢中かつ、

確かな没頭体験となる。

なので、

巷(ちまた)で見る大きなボードに乗っている人が明るかったり、

楽しそうなのは、

ボードによって波乗りのスリルを満喫しているからだとわかる。

よくできた話だと思われるだろうが、

ログやクラシックみたいな大きなボードに乗っていると、

本当に楽しいものだ。

もっと書くと、

沖にセットが見えるたびに緊張して、

喉がカラリと渇くのを感じる。

博士とナッキーのボード交換図。

今回は、

千葉モニースの干潮時、

具体的には潮位5cmにセッションを開始したのだが、

このころには、

ときおりオバケセットというか、

ゴーストセットが入るようになった。

ナッキーはそのゴーストセットの下にいて、

こうして乗っていってしまう。

「白アパ前セッションMVPは伊達ではありませんね」

突然そんな声がしたかと思ったら、

シギーGだった。

これはスーパー・レフトで、

およそ100mは突っ走ったナッキー。

「この波サイズであそこまで斜面が続く波は本日初ですね」

これもシギーGのササヤキ戦術によるものだった。

「サーフィンしないの?」

シギーにそう問うと、

「風の音を聞いています」

「風なんかないけど」(私)

「ぼくが目覚めたとき、

新しい世界の一部になります」

そんなことを言うので、

ハタと気づいたのが、

シギーGのセリフは、

村上春樹さん著の

『海辺のカフカ』の結末からのものだ。

「君は、カラスと呼ばれる少年になりきっているんだね」

カメラから目を外して私がそう言うと、

ハルキニストのシギーGは、

「サーフィンします」

そう言って、

駐車場のほうに歩いていってしまった。

また良波が来た。

どうやら潮が上げに向かって動き出したようで、

波は突然すばらしいものになった。

タキビ神はこのことを

「反応がよくなってきた!」

と表現する。

博士もネオ・ピグ95で

「粘りターン」を見せた。

聞いてみると、

「これらピグ系のロングボードは、

加速しづらく減速しにくいデザインとしています。

レスポンス良くレイルを上下させるのは苦手です。

というより、

こういうボードでレイルを上下させたらクールではありません。

そのかわり波が切り立つのを待って、

レイルラインで加速します。

すると、

速度は落ちににくくなるため、

トルクがあるサーフ・フィーリングになります」

そんなことがアフター・サーフの話題となった。

もっと書くと、

正確には95-1/2なので288cmのログがネオ・ピグの身長だ。

【巻末リンク:クラシック8の初乗日】

【サーフィン研究所台風3号特大号】トリスケル波とコスモス80シングルフィン_夢の550mライド_台風波や兵どもが夢の跡_(2773文字)

【巻末リンク*2:コスモス・サーフボードのこと】

【サーフィン研究所渾身特大号】コスモス・サーフボードの由来と現在地_(2836文字)

【巻末リンク*3:白アパMVPとは?】

【サーフィン研究所渾身三部作】GWシロアパ・セッション後編_MVPは誰?_ヘア・カリフォルニア・スタジオ千葉_(2079文字)

Happy Surfing and  Happy Lifestyles!!