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【サーフィン研究所:二本立て】ミヤサバ先生渾身新作『タキビ神とムツクその1』_チュラさんのTheOne完成!_試作エヴォルーション・ダイナミックス_(1314文字)

タキビ神とムツク

宮鯖賢治

新字旧仮名

1.

玉前(たまさき)海岸の、

北のはづれに、

少し小高く盛りあがつた所がありました。

雑草がいつぱいに生え、

そのまん前にはきれいな波がありました。

たいていはそんなに大きくありませんでしたが、

波はてかてか光り、

シヨルダアは美しく伸びて、

そらには白き雲をつけ、

朝や夕刻には、

黄金や紅やいろいろの波がくずれました。

ですからドラグラのタキビ神やナツキーも、

また法王や総料理長もジロウくんもみんなこの波に乗りました。

たゞもしも他のヤング波乗り愛好者たちが来てゐるときは、

私たちは遠くからそれを見付けて決して近くへ寄りませんでした。

この波が大好きな二人がいました。

一人は、

少し離れた酒井塗装店の丘に住んでゐるタキビ神で、

もう一人はいつも南の方からやって来るムツクだったのです。

けれどタマサキの波神は、

どちらかと云へばタキビ神の方がすきでした。

なぜならムツクの方は、

ごく乱暴で髪もぼろぼろの木綿糸の束のやうで、

眼の上の眉毛もぼうぼうでした。

共通しているのは、

二人ともいつも夜明け前にやってくることでした。

タキビ神の方は、

大へんに上品で、

滅多に人を怒らせたり気にさはるやうなことをしなかったのです。

たゞもしよくこの二人をくらべてみたら、

タキビ神の方は正直で、

ムツクは少しボケボケだったかもしれません。

(続く)

Tyler Warren’s 9’4”

【第二部:コスモスサーフボード】

「セイジさんのザワンがもうすぐ完成します!」

前田博士からそんな連絡を受けて、

すぐさま東浪見のエンスーラボに行ってみると、

完成間近のコスモス・サーフボードがあった。

しかもこれはセイジこと、

ベンチュラ・セイジのオリジナル・デザインのラミネートが封入されている。

「ジミ・ヘンドリックス・フォント」

そんなフォクシー・レディ風のデザインが美しい。

かなり巨漢、

186cm/86kgのセイジに合わせて、

私やシャッチョさんと同じ64(193cm)でありながら

体積42リットルを誇る博士の魔法が施された。

しかも完全にマジックボードの、

生涯これ一本のお墨付きという逸品だ。

このモデルは、

コスモスのニューモデルとなる

エヴォルーション・ダイナミックス(evolution dynamics:仮名)の試作品だ。

コードナンバーは『83E25』だ。

細密にラグジュアリー・チューンしたソフト・レイルと、

パワートレインを発生させる複雑なビヨンド・ボトム。

ビヨンド・ボトムの概要は、

エントリー・ロッカー部(胸の下)から入った水流が、

フィン周りの弦巻線(ヘリックス)からVへ流れる起伏だ。

↑ヘリックスの図表

.

この水流によって、

ボードは自然にスピードを上げ、

シームレスにギアを変えるような加速性能を誇る。

同時にレイルからフィンに直結するステーブル(stable)性によって、

ターンが外にふくらんでいくアンダーステアが減らされている。

【巻末リンク:シャッチョさんとセイジのザワンについて詳しく】

【サーフィン研究所】台風6号_コスモスTheOneツインザー_爆釣物語_(1099文字)

【巻末リンク*2:コスモスのエンスーラボとは?】

【サーフィン研究所渾身号】Blue.の赤_波に乗る重い物体とエンスーラボ・エナジー_(1459文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!