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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その8_(484文字)

【日曜日の連載シリーズ2月編】

銀鯖道の夜

そして夢であるいた天の川もやつぱりさつきの通りに白くぼんやりかかり、
まつ黒な東の水平線の上では殊にけむつたやうになつて、
その右には太東岬にある橙光がうつくしくきらめき、
そこらぜんたいの位置はそんなに變(かわ)つてもゐないやうでした。

ジロバンニは走りはじめました。
さあつと胸が冷たくなつたやうに思ひました。
そして近くの人たちへ、
「何かあつたんですか。」
と叫ぶやうにききました。
「波に乗ろうした人が戻つて來ないんですよ。」
「シギパネルラさんだ。」
さう感じたジロバンニは、
まるで夢中で波の方へ走りました。

【解説】

不思議な夢から覚めると、

サーファーが戻ってきていないという。

そのサーファーとは、

④(巻末リンクを参照ください)に登場した、

夢の中で見たシギパネルラさんだと直感したジロバンニくん。

彼がショアブレイクに走るのが、

実写的な光景となるように描写されています。

「さっきより熱した付近」は、

“「その状況を見ている人たちの心配」

——を熱く感じる”

というミヤサバ先生独特の表現のようです。

(9へ続きます)

文責:華厳旭 D.G.P.

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