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naki's blog

【新春スペシャル】37年間の夢が溶けてひとつになった日_(1917文字)

Minegahara, Kamakura

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1982年、鎌倉峰ヶ原。

昭和57年。

私はここで波に乗ることを始めた。

もはや37年も前のことになる。

(注釈リンク*1を参照ください)

思い出すのは、

切り立った波壁がいつまでも続くことと、

潮が干くと、

パドリングする腕がワカメにからまるのが楽しかった。

とすると、季節はこの初春の頃だったのだろうか。

雪が降った翌日に波が出た記憶があるから、

きっとそれは2月か3月のことだったのだろう。

半袖のフルスーツ(英語ではこういう表現をする)で、

追加で袖だけを付けただけの激寒仕様だったが、

冬に海に入れる幸せの方が大きかったのを覚えている。

ウエットスーツの下にトレーナーを着ると暖かい

そんな噂まであったほどだ。

その当時私にとって、

波はこのようにおぼろげに見えていたのかもしれない。

なぜなら波のことはあまりわからなかったからだ。

ピークとか、ウエッジ(合わさる)、

うねりの向きとかも。

ただ手前の建物と、江ノ電の電柱、

そして崖の模様から浅いリーフの場所を求めて、

そこで波を待っていた。

今もその場所を覚えていて、

そこで波を待ち、

やってくる波はあの頃と何も変わらないようだった。

波の小さい日はひとりで波を追いかけていた。

もっと小さくなると、

一時間に1本崩れる波が来るか来ないか。

いつまでも来ることのない波を待っていたり、

パドリングで小動岬まで行ったり、

一本松の妖気を感じたり、

稲村ヶ崎も同様で、

もし東に向かったとしてもパドリング練習はいつもへの字までか、

正面までだった。

正面にあったJJモンクスでは、

泰介さんと薫さんがいつもワインを飲んでいたことを覚えている。

(ムスターファという肥った茶ネコがいた)

油断して大切な食料を鳶(トンビ)に盗られたりしたこと。

ブレイクから見る風景は、

ロアの階段がなくなったり、

家が多くなったりとマイナーチェンジはあるが、

風景の下地は江ノ電があって、

丘がこうあって、美佐くん家があり、

鎌高の駅があそこに見えて、

さらには七里ヶ浜高校の校舎、

ローカルタウンがあった場所、

駐車場の壁だったり、江の島や富士山の位置。

そして伊豆半島の後ろに沈む冬の夕陽。

当たり前だがそれらは変わらなかった。

あの日もこんな夕陽を見た。

この37年間の日々。

あれからほぼ毎日サーフして、

あの波にも乗った、あの海にも行った。

こんな波に乗って、あんな波にも乗った。

過ぎ去った幾つもの季節の中に数百の夢があり、

それが瞬時に混ざり、

溶けてまた夢となったような気持ちになった。

そして、

そんなことを想うのは、

とても不思議なことだと感じた、

感じましたと、

この場所に連れてきてくれた人に連絡すると、

拡張するような返事が戻ってきて、

うれしくてサバ手(巻末注釈リンク*2)をすると、

それは富士山を模写した手であることがわかった。

それをタキビシに打診すると、

漢詩ブームの彼からは

「鰻書抵萬金 – 鰻書 万金に抵る」

とあった。

これを現代語にすると、

「ウナクネ関係からの手紙は万金にも値する」

そんなことらしく、

杜甫ぽいところに唐の時代がチラリ見えるのであります。

私にも漢詩ブーム到来です。(笑)

こちらドローンの第一人者である中村豪さんの撮影風景。

(巻末注釈リンク*3をご覧くださいね)

こうして家族と一緒に、

しかも彼のお父さん由来の堤防から撮るところに心を打たれた。

峰のショアブレイクは、

今は土管前と名が変わっていて、

“エド”というブレイクですら、

定着しなかったようで”峰横”という名前になっていた。

平野杉さんも三浦さんもいなくて、

マーカス・マーナーにもマーボー・フレミングスにも会えそうになかった。

けど、土井さんと泰介さんは偶然お会いできた。

太郎さんの息子太陽くんにも。

大友さんは今も夜明けだけにサーフしているという。

乞食というブレイク名の由来となったコジキももちろんおらず、

海に降りる階段が東南と分岐していた。

乞食の前の湧き水はどこに行ったのだろうか。

Happy Surfing!!

このポストのインスピレーションはやはり、

中村家のおやっさんです。

引き合わせてくれた竜くんにも豪くんにもThank you!!

【漢詩おまけ】

鰻宮高處入青雲 仙樂風飄處處聞

ウナクネ山の離宮は高所にあって雲に隠れるほどである。

天上の音楽が風に乗ってあちこちから聞こえる。

緩波海舞凝絲竹 盡日法王看不足

のびやかな波乗りも美しく

法王は波に舞い、決して飽きることはなかった。

【巻末注釈リンク*1:波に乗り始めた頃】

【特大号】33年間の想いを抱く夢波と、仲間(先輩)たち_(3474文字)

【巻末注釈リンク*2:サバ手とは?】

【ウナクネ・サイエンス】サバ手の真実_(1584文字)

【巻末注釈リンク*3:中村家にありがとう!】

豪ちゃんと湘南鎌倉めぐり_最高の場所にある世界的な逗子SURFERS_中村家のみなさん_(2273文字)

ハッピーサーフ!