ロードトリップを終えて、
新たな気持ちで過ごしてきた日々のことを思い返すと、
それらはまるでひとつの時代のようだと感じた。
ミヤサバ先生ではないけど、
私たちは有限の日々、
瞬間だけがあるという原則を知った。
ちょうどいまから50年も前、
片岡義男さんは、
ノマディック(nomadic=放浪)のことを書いていた。
1975年のことだ。
千葉に戻り、
前田博士のところに行くと、
TheOneの検診となった。
実寸での再計測や、
あんな波、
こんな波をあれだけ乗って、

Cosmos TheOne6’4” Groovy Fins Twinzer Shape, Design and glass by @hiroyuki_maeda
いまだにどこも壊れていないと知った、
博士の、
卓越した職人特有の笑みが忘れられない。

Cosmos TheOne6’4” Groovy Fins Twinzer Shape, Design and glass by @hiroyuki_maeda
再計測したのは、
コスモスTheOneストック/サンプルの完成が間近だからだ。
フィン位置を解体し、
再構築したツインザー・ラインが、
クリアボディに経絡のように写っている。
64(193cm)は私のビンテージ・ティントと同じサイズ感で、
さらにスピーディになっているはずですと、
後述するYucchiさんに引き続き、
メンタワイ帰りに試乗した博士がうれしそうに言った。
バックフット・エリア(back-foot area)にある浅いカーブチャンネルは、
生涯マジックボードであるTheOneに軽快な操作感を与え、
さらに後ろ足のタッチを融合させるという意欲作だ。
そのカーブ・チャンネルの入口にあたる箇所につけられたシングル・ウイングは、
個性的なフォルムに目を奪われる。
ターンの際に引き込んだ水流を広くテイル・エンドに流すことによって、
速度を増しつつ、
中央の層でダウンフォースを発生させるという卓越があった。
バージョンアップの予感がひしひしとあり、
サーフする日が待ち遠しい。
サンプルなので、
シングル・ホットコートのクリア、
ドライ・サンディング仕上げなので完成間近だ。
これまでの告知に追加する形で紹介が遅れたが、
今回のプロジェクトは、
マジックボードのクローンを同サイズで10〜20本ほど製作し、
それを頒布するアイディアだ。
理由は後述するが、
エンスーラボの製作ではない。
だがグッド・ニュースとしてはお求めやすい価格となる。
この背景には、
コスモス・サーフボードは、
博士ひとりでシェイプから、
グラッシング、
ホットコートからティント、
フィン・ボックス・インストール、
リーシュ・プラグ、
ロープ(ロービング)から
グラスオン・フィン、
各サンディング、
グロス、
バフ、
ポリッシュ全ての工程を行う。
あまりにも*エンスーであることから、
ここをエンスー・ファクトリーと呼ぶようになった。
博士は卓越した技術があり、
「それを磨き続ける」
たゆまぬ進歩をさせつつ、
細部に渡る正確性を持続させてサーフボードを長年作り続けている。
唯一、
博士の工程にないのが、
パートナーのYucchiさんによるボード・デザインだ。

@evolve_surf
彼女の世界的なアートがあり、
指名されたボードに施されていくのは、
エンスー・ファンであれば周知の事実だろう。
さてさて、
今回、
ブライト・ロマンチカと名付けられたプロジェクトの概要は、
「マジックボードのクローン」である。
あるが、
私たちはこれまでのクローンではなく、
できる限り全ての方法を用いて、
耐久性や拡張性でさまざまなアプローチを施そうという魂胆だ。
68(203cm)版にもクイックなツインザー感覚を増すべく、
浅いカーブチャンネルが施されている。
後報はまたここで。
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【巻末リンク:人生で一番のマジックボード】
【巻末リンク*2:Blue.最新号発売中!】
【巻末リンク:こちらもTheOne関係】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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