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naki's blog

32フィートとは10mもある波なんですね_「お好きな道具でお好きな波に」、「楽しく波に乗ることは幸せ哉」_(3244文字、中短編です)

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美しい夜明けイナリーズに今日も行ってきた。

15feet@17secondという一番ブイ情報で、

NW(北西)325°からのが主に届き始めている。

今夜には25フィートから32フィートになるそうで、

32フィートというと、10mの高さの波。

マンション3階のてっぺんの高さが10mといいますから、

それはものすごい海の壁だろうな。

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それにしても美しい波ですね。

明日はゴジラかキングギドラ波がやってくるのです。

気を確かに持たないとな。

早川さんはいらっしゃるのかな?

きんちゃんと電話でお話していたら、

『ロングボードと、ショートボードの壁の高さ』

という話題になった。

これは波の壁ではなく、

きんちゃんのホームブレイクではショートとロングの垣根がベルリンの壁よりも高く、

それは簡単に行き来することができない状態なのだよ、と言う。

「ふーん、それでは沖でショートとロングを取り替えて乗ったらどうなるのですか?」

「それは非国民、じゃなかった非友好民となるんだよ」

「そこまでなんですね。どうしてそうなったんでしたっけ?」

「それはさ、何年か前にこの岬波にロングの連中が押しかけてきて、

みんなでよってたかって波に乗っちゃって、

そうしたらショートは誰も波に乗れなくなっちゃったんだ。

そんなことに困り果ててローカルのボスが、

”ロングボード禁止令”を出して、それが施行されたんだよ」

そんなことを聞きながら先日メジャーリーグベイで、

タチアガリ(SUP) 5台がやって来る全ての波に乗っていてしまい、

一般のサーファー(ショート&ロング)は波に乗れなくなったことを思い出した。

「こっちではタチアガリと普通のサーフィンには高い壁がありますよ」

「おー、そんなに流行っているんだ」

「そうなんですよ。でもタチアガリはオール(櫂)を使って漕ぐわけだから、

“モータライズ”というくくりにして、船舶の免許取得、

そして『サーフィンと同じ場所で遊んではいけない法案』

が去年に可決しそうになったらしいのです。

でも”ワイキキのカヌーはどうなるのだ?”

という懸念があって、州の大半は観光業で収入を得ているわけだから、

そんなことがあって、

カヌーを保護するためにペンディング(未決定)になっているんです」

「おー、タチアガリ恐るべしだなあ」

「そうなんですよ。これはフレちゃんとも話していたんですけど、

タチアガリSUP(櫂)の人たちが、

“乗れるから乗る”のではなく、

周りを見て、波を分け合うようにしていれば何も問題がないのですが、

どうしても目線も高く、移動速度も早いから

“自分が優れている”と思ってしまうみたいで、

それで波を多く乗りすぎて不公平感を高めているようです」

「なんだか俺たちのところと問題が似ているね。

ロングの人たちもさ、周りを見て乗ってくれればいいんだけど、

戻ってきては乗り、さらにはね、

ずっと待っている人にかぶせたりして乗っちゃうからみんな嫌になっちゃうんだよね」

「それで壁という気持ちになっているんですね」

「そうなんだよ。だから俺は絶対にロングには乗らないぜ」

「えー、ロングはおもしろいですよ。

シュターって何も考えずに滑っていくのもいいですよ。

ニーパドルとかもその世界がありますし」

「そうなんだね。まあロングはやったことがあるからわかるけど、

さっきも言った非友好民みたいに思われちゃうのもなんだからさあ」

「でもそうして白黒つけない世界があったらいいですね」

「ほんとだよ?。日本は波がなさすぎるんだよ。

特に湘南は波がなさすぎて、そんなことも関係あるんじゃないかな」

「そうですよね」

と電話を置いた。

「あちらを立てればこちらが立たず」

みたいなものではないのだろうが、

サーファーには自由な気持ちで、道具を選んで欲しいなあ。

どんな道具に乗っても、

公平な気持ちで相手を敬ってサーフすればいいんだし、

「波を共有する」と考えれば解決しそうだけど、

本場ハワイでもこんなSUP問題があるくらいだから、

むずかしいといえばむずかしいですね。

まあ、空いているところを探してサーフしよう。

ソウルサーファーの祖、師範、

カリスマ、そして伝説の抱井さんは、

道具を使わない「ボディサーフィンに凝っている」と聞くし、

波に乗るというのは、

「ごゆるり」な遊びであるといいなあ。

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カリフォルニアのソウルサーフィング師匠、

師範クリスちゃんは浮くものであれば、

何にでも乗るし、乗れるし、

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そうだ、Catch Surfのビーターにも上手に乗っていました。

ビーターのフィンが取れたり、ついてなかったりしているのは、

「サーフィン禁止(ハードボード)の海水浴場で乗ることができるように」

という楽しい仕様なのです。

「お好きな道具でお好きな波に」

というキャッチコピーが浮かんできたけど、

そんな気持ちで海に行きましょう!

そうだ、

「キャッチサーフのブログに出てますよ」

とメキシコ大ちゃんに教えてもらいました。

http://www.catchsurf.com/blog/2010/02/small-creek-joel-naki/

けれど、これはキャッチサーフでなく、

AVISO FIRE BLADEに乗っているショットですね。

キャッチサーフはこれを掲載しちゃうとは懐が深い。(笑)

そうだ、お返しに

「クリスちゃんがビーター試乗をしているシークエンス」

をここに掲載します。

場所はロングボードの聖地サンオノフレ(サンクレメンテ、CA)です。

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俺がまず乗ったんだけど、

クリスちゃんがこうして「前乗り」してきた。

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けれどこの場合は、

サンオノフレなどの「ごゆるりブレイク」では、

「浮力が少ない方を擁護する」

という弱者を保護する考え方があって、

こうなったらロングに乗った浮力がある俺は直ちにストールさせて、

前乗りを優先させるのです。

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嘘のようだけど、本当なんです。

こうすればみんなが乗れますし、

いいアイディアだと思います。

で、クリスちゃんが

「ハイホー!」と進んでいきます。

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ハイラインで速度を付けて、

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そのままオフザトップ。

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本当に上手いなあ。

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スピードが付いたところで、

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右側のレイルを入れ、そのまま回転。

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回転は丸かった。byクルーリン。

(地球は青かった。byガガーリン)

というヴィレッジヴァンガードのPOPのような言葉が出てきた。

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廻る慣性を利用して、前のセクションに出ていきます。

回転寿司の100円皿をつかむ要領ですね。(違うか)

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前にでたら前半と同様に斜面側にレイルをかけていき、

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ダウンザラインで斜面を滑っていくのです。

9J4V0969今度はカットバックよろしく、

先ほどとは逆側のレイルを使い、

軸となる左手を波の中に差し込むと、

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「はい、これで逆回りでございます」

と、海老一染之助・染太郎さんではないが、

「おめでとうございますぅ。右回り、左回りと、見事に廻りましたぁ!」

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と言いながらめでたく回転するクリスちゃん。

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まじめな読者からいつものように

「英語のクリスチャンはそんなことは言っていないと思います」

というメールが来ても困るので、ここに訂正しておきますが、

本当におめでたい気持ちだったと思いますよ。

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もうマンライ決定です。

(マンライ=満足ライディングcオガマさん、カカイさん)

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キックアウトして、

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「へへー」(これはcDセンパイ)

と書いていたら、またキャッチコピーが浮かんできた。

「楽しく波に乗ることは幸せ哉」

標語をまた始めてみたくなりました。

今日もNAKISURFにお越しくださってありがとうございます。

トップページが毎日変わるのって、

楽しく、毎日更新し続けていた自分たちでも

「ほー、こんなページがあったんだ」

という驚くようなこともあるのです。

暖かく、楽しく、そして幸せな日にしてくださいね。

「春一番が今週やってくる」

と映画興行の宣伝文句のように伝えられていますが、

春一番の風が去った後は毎年いい波だったような記憶があります。

ウエットとボードの用意は大丈夫ですか?

ワックスもいりますね。

リーシュとタオルと、ラジオ体操もぜひ!

春はもう見えてきたようです。

ALOHA!