みなさん、こんにちは、
華厳です。
おひさしぶりです。
いかがお過ごしですか。
本日はドラゴン・グライド・プロダクションズが、
NAKIブログを受け持つことになりました。
今日もどうぞよろしくお願いします。
わたくしは1948年生まれです。
きっとみなさんよりずいぶん歳が離れているでしょうが、
文学とカルチャーが大好きで、
そんなことから昨年より
ドラゴン・グライド・プロダクションズに入社した72歳のヤングサーファーです。
さて、
本日はNAKI氏より文体のお題が出ていて、
それは「オオサバ先生よりもハードボイルドで」というものです。
大藪春彦と同等なオオサバ先生の文体などに迫るのはとんでもないことですが、
みなさんに文学の楽しさを知らせるためにやってみることにしました。
(オオサバ先生のポストは巻末リンク*1へ)
Catch Surf® Skipper Fish Ⅵ 6’0″
Nakisurf Original Twin + Vektor VT
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野龍死すべし
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低気圧からのうねりとは思えないほど、
威力をたずさえた波だった。
トップが暗碧色をしたレフトは、
長い龍がのたうつように、
奄美大島のリーフの上で果てようとしていた。
およそ12mのバレルセクションという腹の中のようなふくらみが精悍だ。
バレルの位置を確かめつつ、
体を深く湾曲させ、
レイル加重を調節してグラヴレイルを締めた。
傾斜した波側に左手を落とし、
ジェットエンジンのような轟音の中につつまれながら、
セクションを睨む。
垂直近くまで切り立ちながら波壁が丸まっていく視界に、
出口までのラインを刻んでいた。
ライン上に巨大なボイルが浮かび上がっていて、
それを避けるわけにはいかなさそうだった。
NAKIは、
レイルの握力と圧力を上げ、
ボイルに吸われてラインが落ちないように、
さらに波側に自身の体をねじりこんでいた。
ボイルの上でスキッパー・フィッシュ6は、
生き物のように跳ねたが、
起伏を過ぎた頃ラインは再び戻ったが下に降りすぎていた。
すぐに要求されるハイライン。
さらに減速させると、
ボード、視界、全てが小刻みに揺れはじめた。
来る。
その直感と同時に龍が後方で弾けた。
飛沫で白くなった視界と、
したたり落ちる水滴、
滲む視界の中でただ出口までのラインを合わせ続けていた。
@mandalacoffee_japan
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コーヒーの小宇宙という言葉がある。
小宇宙と思い浮かべると、
ラカ法王が書いた著書が思いだされる。
「タイラー・ウォーレン=アレックス・ノスト=ショートボード以外派におけるストイシズムの研究」
この三章の後半にある言葉が忘れられない。
”ストイシズムはサーフィンの一様式だ”
そんな主張から始まり、
ラカ法王のドラグラ派では
「自然(nature)」こそが存在であると定義する。
それは神道のアニミズムにように
「自然界のものを神のごとく敬え」というのではない。
ここでは、
宗教的な教義を超えた様式=サーフスタイルの提案がなされていく。
実際にドラグラ派の考えと、
顕教の教えがかなりの確率で合致すると、
著者である法王は数多く挙げている。
ショートボード派の対立より、
サーフィン界の調和に目を向ける法王の暖かい目線のセカンドライン・ビート。
スマイリー・グリズリーのロック・サバ号。
(巻末リンク*2を参照ください)
詳しく書くと、
Smiley Grizzlyの乗る専用車に
(スマイリー・グリズリー。日本名:ニコニコ・クマさん)
ドラグラ校章であるハッピーサーフィンが貼られていた。
スマイリー・グリズリーこと伊藤は、
ロックサバ号のステアリング・ハンドルの奥に、
二百キロまで目盛られたスピード・メーターと、
およそ3/4残った燃料を示すフューエルメーターを見た。
そんなオオサバ文体真っ盛りでございます。
さきほどラカ法王が登場したので、
さらにドラグラ話でもしましょうか。
「宇宙に実在するあらゆるもの、全てが真理です」
そんな存在論(ontology:オントロジー)を、
第1原理(Metaphysics:形而上学)で宇宙論を説明したのがタキビ神である。
ドラグラ内で、
両界歌合戦(巻末*3)でPRされる金剛界と胎蔵界(大日経)がある。
金剛界は意識を説き、
胎蔵界は物質を解き明かすものでありつつ、
それぞれ別の展開だったり、
解釈や時間と場所を越えて伝わった「尊師(釈迦)からの教え」だ。
西暦700年代後半には、
その合い交えない異なる二つの世界をひとつにしたのは、
*伝説の数々を持つ不空を師匠に持つ恵果(えか、けいか)だ。
(*不空は、玄宗皇帝にクーデターを起こした安禄山(あん ろくざん)に悪性のできものと、
彼を失明させた祈祷、呪術で今も知られている)
ちなみに恵果は空海の師匠であり、
不空が恵果の師範だ。
タキビ神は、
ドラグラ史上初の「両界曼荼羅」を論理化したのです。
意識と物質の反射、
タオイズムでの陰陽の巴(ともえ)形のこと、
宇宙はドラゴンだということを理解し、
ここに実在体現したのです。
その一部が伝統的な噺にも出てくるタキビ詩(詞)であります。
(巻末リンク*4を参照ください)
結果、
幽体離脱し、
瀧朗の上空に飛び立ち、
『不思議なピーチパイ』を聞き、
時空をも超えて、
細野さんの音楽や各音頭と一緒にメキシカンやパスタ、
ブタニク(巻末リンク*5を参照ください)を食べたのです。
これはジローくんがまだ25キロだったころの話でございます。
いただいた字数が尽きたのでここまでとします。
みなさまご清聴ありがとうございました。
令和三年2月12日
ドラゴン・グライド・プロダクションズ華厳
Bonzer 1970 and BarryMcGee
Photo by Takiro Sanzo
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【巻末リンク*1:大鯖春彦/オオサバ先生】
【巻末リンク*2:スマイリー・グリズリー・ストーリー】
【サーフィン研究所特大号:動画あり】不空の生まれ変わりは空海_ニコニコ・クマさん=スマイリー・グリズリー_(2502文字)
【巻末リンク*3:ドラグラ毎年末のフィナーレですな】
【巻末リンク*4:タキビ詩な噺はこちら。傑作】
【巻末リンク*5:ジローくんが25kgの頃。やたらかわいい】
【巻末リンク*6:華厳1】
【巻末リンク*7:華厳2】
【巻末リンク*8:華厳3】
Happy Surfing and Happy Lifestyle!!
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