TYLER WARREN / naki SPECIAL(ワン・オフモデル)
6’5″ x 19-5/8″ x 2-1/2″
(このボードは巻末リンクを参照ください)
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1967年に起きた
『ショートボード・レボリューション』。
“1967’s Shortboard Revolution”
これはそれまで主流だったログを半分、
真っ二つにしたものだった。
その概念が各地に伝わると、
その地の反逆児というか、
カウンターカルチャーの旗手たちが、
こぞってぶった切ったボードに乗った。
これこそがフィッシュの原型だろう。
歴史上では、
それから3年後、
ボンザーが台風のようにやってきて5年間くらい話題となって去っていった。
(ボンザーについては巻末リンク*2を参照ください)
あれほどまでにすばらしいサーフボード・システムが歴史からなくなってしまったのは、
やはりこのとき台頭していた全体主義(マジョリティ)によるものだと思われる。
マジョリティのパワーというのは、
徹底した資本主義で知られるアメリカでも日本とそう大差ないことがここからもわかる。
ショートボード・レヴォルーションのあとはツインフィンであり、
サイモン・アンダーソンによるトライフィンとなり、
時代はトム・カレン一色となっていく。
その後、
クアッド・フィンが出たが、
レヴォルーション(革命)というほどではなく、
トム・カレンのターボ・ブーストのようなケリー・スレーターが出現し、
ジョン・ジョン・フローレンスに続いていく。
あれ、
この稿では歴史のこと(巻末*3へ)を話したかったのではなく、
カウンターカルチャーのことだった。
カウンターカルチャーが定着すると、
その中にさらなるカウンターカルチャーが派生し、
元々のカウンターカルチャーがマジョリティとなってしまうのはご存じだろう。
例えば、
ジーンズのウォッシュやダメージ加工はその昔不良少年のものだった。
だが、
20年前くらいからそのダメージ加工を売りにするイタリア・ブランドがやってきて、
徐々に浸透していったのはご存じだろう。
もっと書くと、
そのブランドですら一般的な固有名詞となると、
それらはカウンターカルチャーではなくなってしまう。
一般的な固有名詞というのは、
「有名になる」と同じ意味なので、
より新しいもの、
より違う色を求めて独自のスタイルを打ち出すが、
結果それすらも一般的な固有名詞と同じものになる。
例えば、
ポルシェとか、
サーフボードで言うところのフィッシュは、
その昔はとがっていて、
カウンターカルチャーの突端みたいなものだったが、
これだけ多くの人が見かけたりすれば、
すべて同様に一般的な固有名詞となってしまう。
波乗りもそうだが、
いくら尖ろうが、
磨こうが、
それが光輝けば輝くほど、
革命ではなくなってしまう時代になった。
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【巻末リンク:この65というボードについて】
【巻末リンク*2:ボンザー登場】
【巻末リンク*3:サーフボードの歴史】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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