「安酒を飲み続けると、
極めつきを飲んだ瞬間に感じるものがある」
開高健(放浪文学家。本人は作家であるという)
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若い人がお酒を飲まなくなってひさしいが、
私たち世代は酒が飲めてなんぼのものだった。
よって、
私もその仲間入りをして、
ワインなんぞに手を出してこの身を染めた。
カリフォルニアにいたので、
トレーダー・ジョーズのツーバック・チャックには常に目を光らせて、
赤を中心にショッピングカートの角に張り巡らせていた。
ツーバックとは2ドルのことであり、
チャックとは、
ブランド名の(*Charles Shaw)チャールズからついた愛称のことだ。
*Bronco Wine Company
何が言いたいのかというと、
冒頭に書いた
「酒は安いものを飲み続けると、
極めつきを飲んだ瞬間に感じるものがある」
ことと、
波が結びついたのだ。
安い波は、
ご想像通りに弱かったり、
でこぼこだったり、
手強かったりするあれだ。
しかし極上に乗った瞬間に何を感じたのだろう、
その感覚とはなんだったのかを考えてみた。
稲妻を受けたような衝撃が確かにいくどもあった。
それでいて、
ツーバック・チャック(安波日)に知った懐かしい風味をたずさえつつ、
けれどもこれこそがVRAI de VRAI(ホンモノからほんもの:正真正銘)だとわかった。
しかし、
このVRAI de VRAI(ヴレ・ド・ヴレ)ですらサーフィンの本質の輪郭はおびるのだが、
やはりこれだけではない奥深さをたたえているものだとわかった。
これも上等なワインと似ているのかもしれない。
まだまだ先へと続く道が示されたにすぎないと、
奥深くの膨大さに私がよろめいたのかもしれない。
こんなことを感じた日に会えたアンジェロ。
彼もまたサーファーのヴレ・ド・ヴレであり、
私は彼の視点、
または波乗り作法に感激した日だった。
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【巻末リンク:懐古主義というわけではないが】
【巻末リンク*2:当たるもハッケ】
【サーフィン研究所スペシャル4】八卦ヨノピーク_ドラグラ予言者ジェイミー・ブリシック_ここまでのいろいろ_(2637文字)
【巻末リンク*3:こちらもヴレ・ド・ヴレ】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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