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【サーフィン研究所:連載】彼女の島-3_(559文字)

【サーフィン研究所:連載】彼女の島-1_(757文字)

【サーフィン研究所:連載】彼女の島-2_(432文字)

〜2までのあらすじ。

1970年代、

ノースショアに住む主人公は、

タウンに向かう途中、ハレイヴァで知り合いの美女と会い、同乗することに。

3.

ぼくがこれまで書いていなかったフォード・ランチェロのことだが、

3速のオートマチック・トランスミッションと組み合わされた400ci V8モーターが載っている。

ちなみに400ciは400キュービック・インチのことで、

およそ6.6リッターのモンスター・エンジンだ。

ぼくはこのモーターの回りかたが好きだった。

ぼくが数年前に書いたいくつかの短い文章のうちのひとつ、

『ナツのナッツ』のなかに登場したナッツこと夏子さんは、

じつは彼女だ。

春野夏子という。

まるで芸名だねと最初に会ったときに言った言葉を思い出していた。

彼女に会うのは3年ぶりだ。

 

「タウンに行こうしていたの。

カフェ・ハレイワから出ると、あなたと似た車が来るのが見えたの」

「いつ来たんだい?」

「昨日よ。数日間のトランジット(乗り換え)だけどね」

「ひとりで?」

「もちろん、あなたは?」

「最近はずっとそうだ」

「へー」

彼女はぼくの顔をのぞき込んでいるのだろう。

ぼくは彼女の方は見ずに、

「タウンにいくのなら、乗せていこうか?」

「まあうれしい!そうしましょう」

(4に続く)