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〜16号までのあらすじ。
1970年代、ノースショアに住む「ぼく」は、
タウンに向かう途中でマウイ島に住む美女夏子と再会する。
ワイキキでサーフする約束をし、
カカアコでぼくは彼女に抱く気持ちを伝えた。
そのままフォード・ランチェロを走らせ、
ワイキキで最も歴史があるホテルのドライヴウェイへ入れると、
友人のマイクがヴァレ係をしていた。
17.
サーフライダー・ホテルの裏に物置があり、
マイクたちのロングボード群はそこにおかれていた。
マイクのボードは仲間たちが使って良かった。
その中から10フィートと、
エイト・スリーのボードを丁寧に出した。
椰子の葉のあいだから見える空はまっ青で、
白い雲がときおり太陽をさえぎるようで、
一瞬だけ虹色の光線をきらめかせた。
僕と夏子は、
同時にそのきらびやかな世界のかけらを感じたようで、
お互いに笑顔をかわした。
箱の中からワックスを出して、
ボードデッキやレイルに塗っていく。
薄く軽くとやってから、
たまらずに波を見ると、
ブルーの海の上を白いサーフが横に伸び、
こちらにやってくることを繰り返していた。
僕たちは、
それぞれのサーフボードを頭の上に置き、
浜までのポーチを歩いていった。
僕はずっとアロハというものに包まれていた。
たぶんきっと夏子も同じ気持ちだったはずだ。
(18に続く)