【カタサバ・コラム】
1.
今日は雨だ。
午後3時近く、
ぼくはタートル・ベイからタウンに向けてカメハメハ・ハイウエイを走っていた。
パイプラインのロペス家がずっと静かだ。
どこかに行っているのだろう。
雨は、
それほど強くはなかった。
FMレディオから流れるKPOIのハワイアン・ミュージックのリズムとマッチしているようだなと、
ワイメア・ベイの手前で感じた。
このステーション番号を伝える105.9という数字に意味があるのかと考えていた。
カメハメハ・ハイウェイは、
ベイの形のままに湾曲して、
最後の左カーヴを終えて直線となった。
アリゲーター・ロックの前でトッド・チェイサーのことを思い出した。
サイオン・ミロスキーが乗るヒマラヤズの波
.
ヒマラヤズは、
まさに神話波として知られていた。
トッドが逝ってしまったときはジェットスキーも使っておらず、
仲間とボードだけが頼りの生身そのものでサーフしていた。
広大なる沖のリーフ帯だ。
ひとたび波に乗ってしまうと、
およそ500フィートの距離を動くだろうから、
仲間がどこにいるかすらわからないはずだ。
トッドはそんな神話時代にここで命を落としたのだ。
ハレイヴァの橋を渡り、
マツモト・シェイブアイスを通り越す瞬間、
ジェリーズ・スィート・ショップのことが昨日のことにように蘇った。
記憶というのは小さなきっかけで、
拡がるように連鎖してさまざまが戻ってくる。
カフェ・ハレイヴァに向けて速度を落としていくと、
日本人の美女が、
フォード・ランチェロのぼくにむかって手を上げた。
(2に続く)
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【巻末リンク:カタサバ先生作品集】
【巻末リンク*2:先生の功績】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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