高知出発日の朝、 チュラさんことベンチュラ・セイジ家を訪問すると、 頭脳明晰の鶏がいるというので見学する。 これはまさにチュラさんの演算装置によって、 天才的な頭脳を得たのだと推察した。 私にもその演算を施してくれとチュ…
【サーフィン研究所渾身号】鳥を見下ろす視点について_積み残し編1「愛媛県佐田岬〜」_(1864文字)

高知出発日の朝、 チュラさんことベンチュラ・セイジ家を訪問すると、 頭脳明晰の鶏がいるというので見学する。 これはまさにチュラさんの演算装置によって、 天才的な頭脳を得たのだと推察した。 私にもその演算を施してくれとチュ…
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符13 それからチヤーは、 シギパネルラのとなりの席に坐つてきちんと兩手を揃へました。 「ぼくたちは、 チヤーママのとこへ行くんだよう。」 腰掛けたばかりのチヤーは顏を變にして、 燈臺看守の向う…
3月となって暖かい。 少し前の朝は、 気温3℃とかそんなことだった。 それが今日は10℃もあって、 Tシャツ一枚で支度ができた。 この旅では、 なによりも寒さに強くなった。 移動中の身であるが、 100%車中泊でここまで…
未明から雨が降ってきた。 雨の降り始めに感じる香りは、 『ペトリコール』 (Petrichor:石のエッセンス、ギリシャ語) というらしい。 そういえば、 同名のベーカリーがあったことを思い出した。 そこからしばしオゾン…
遁走だ。 自由の方に。 77歳のきだみのるはそう言った。 1972年のことであり、 『太陽』(平凡社)の編集部員で、 きださんの連載の担当だった 祐乗坊英昭(ゆうじょうぼう ひであき)さんが、 冒頭のフレーズを記憶して小…