Anguirus Amami Oshima
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Catch Surf ®ODYSEA Skipper Fish x Taj Barrow Pro 6’0″
Tyler Warren Twin + VEKTOR Rear
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水深数センチ、
または海面に浮き上がってくる岩がある。
激浅のセッションは、
ゾクゾクするような瞬間の連続であり、
喉が乾くほど興奮するものだと再確認した。
ボトムに降りてしまうと、
(運が悪いと)フィンを失う。
フィンがなくなると、フィンレスとなる。
そうなってもコントロールするためのグラブレイル。
[波乗道・操作型波乗印]
そんな型のひとつの動作であり、
“印”というのは、
スタンスやトップモーメント動作のこと。
3Dウエッジを擁する手広海岸の夜明け。
奄美の春分の日は夏日となった。
深夜になっても23度以下にならず、
夏の虫まで鳴きだした。
虫の協奏曲が網戸から入ってきた夜。
季節は春から夏へ。
Nation Eagle 6’8″
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サーフボードの
『マキシマム・エンジョイメント』である奇跡。
そんな『究極』に達したイーグル。
(巻末リンク*1を)
千葉に戻ったら試乗ボードとするので、
関東近県の方はぜひお試しください。
[アマミアン・サーフスタイル看板]
奄美大島各地のサーフスポットに
立てられている看板にいつも感動させられている。
水は山ぬうかげ
水は山のおかげ
人は世間ぬうかげ
人は世間のおかげ
波人は海ぬうかげ
波人は海のおかげ
さすがなのであります。
全国のサーフスポットにこの札を設置したらいいのに。
これは私にとってコスタリカ旅から続く、
旅のお供スキッパーフィッシュ6’6″JOB。
(巻末リンク*2にコスタリカを)
サイズ感よく、
そしてタフさで言ったら車で踏んでも壊れないほど。
メインサイドは、
ベースが長いキールフィン系、
そしてリアトレーラーにはVEKTOR。
しかも逆向きに装着するということに行き着いた。
こだわったフィンセッティングが、
キャッチサーフの性能を押し上げることは、
まぎれもない事実です。
晴れた夕陽時刻に明神岬に登るのはいつものことで、
これを続けると、
すばらしい海人となる言い伝えがある。
下に見えるのが友浜。
そしてドラゴン岬。
対岸というか、
遠景右手にはバックドアが見える。
さて、
昨日もここでお伝えした重野玉里店の弁当。
私はシゲタマ弁当と略している。
「シゲノさん」で良いのだが、
この辺りの商店はみんな重野であるので、
それぞれが地名やビジネス名を付けて屋号の完成となる。
海苔弁当330円。
緑くんに聞いたところ、
重野さんは商店家系らしく、
それぞれの店は兄弟だったり親戚筋。
先日ここに登場してくれた蓮(レン)くんは、
このシゲタマの近所で生まれ育った純血統だ。
「シゲタマ世代」とか、
『シゲタマ・トライブ(種族)』と言うらしい。(未確認)
大変うらやましい。
なので、
呼吸をするように顔色を変えずにスパムおにぎりを買っていった。
ほぼ無休のシゲタマは、
店の裏というか横に厨房を持つ。
そこから朝7時15分となると、
まるで時報のように300円程度の小弁当が銀色のトレーに載せられて、
20数個単位でやってくる。
シゲタマの開幕だ。
始球式であり、今年のイチローさんである。
そしてそれから15分くらいかけて、
シゲタマ・シェフ(たち)が持ってくるのは、
まるでセドメ・タマサト(瀬留玉里)モーニングパレードだ。
これは、
ディズニーランドのエレクトリカルパレードの興奮よりも数倍高い。
奄美が誇る大自然の鼓動が振動となって、
細胞を震わせているような感覚となる。
ウミカフェの一平くんがいたら、
膝をガクガクさせて、
シゲタマ・ベントーという芸術に感動したことだろう。
途切れ途切れにパレードが続き、
7時30分には、その日およその弁当が揃う。
シゲタマ・マニアたちの狙いは、
いまだ見たことのない無記名弁当(値も貼っていない)。
これは名店シゲタマ親父からの無言のチャレンジとされていて、
出現率がやたら低い。
よって、
私のような期間限定のマニアが遭遇するものではないらしい。
これだけ奄美にいるのだが、
過去に見たのは2回のみ。
一度目は豚しょうが焼き弁当(目まいがするほどおいしかった)、
二回目はソーキ弁当(お弁当の新定義)だった。
どちらも絶品という表記ではもの足りず、
激品とやってみると、
それはやりすぎのようで、
まるでドンキホーテのPOPのようになってしまった。
このシゲタマ親父と私の関係は、
彼が味噌汁マシーンを導入した際、
初、
つまり1杯目の味噌汁を研究しながら一緒に注いだ仲であります。
(半インスタント、50円。400円以上の弁当には無料)
シゲタマ親父は、
私と同年代で、
表現するのなら目線の優しい角さん(©水戸黄門)という風貌。
シゲタマ・プロフェッショナリズムという流儀を貫き通し、
地域で繁盛する商店のあり方を追求する。
奄美大島が誇る一人であります。
さて、弁当。
プロパーでありながら珍しいのが三色弁当で、
このサンショクのことを調べてみると、
創業当時からのシゲタマ銘品御三家の一つだという。
だが、上記したように出現率が低い。
私見だが、
“三色丼330円は、元祖本家の銘品がゆえに、
手をかけなくてはならず
(特製滋味鳥そぼろによる茶、炒り卵(平飼い)による黄色、山菜による緑)、
その要求に対してのマンパワーがないのだが、
元祖老舗本家シゲタマである威厳を保つために時折作って、
その食への探求と継続をイチローさんのように示しているのだろう。”
このシゲタマ・シチジハン、
またはシゲタマ・ローデッド目当てに多くの人がやってくる。
(loaded、荷満載)
北は笠利崎から南は古仁屋から。
もちろん離島からも、私のような旅行者も。
マニア通過後は、
シゲタマ・アンローデッド(*unloaded、荷、弁当がなくなること)となるが、
*(unloadの過去形、または過去分詞)
そういうときは**リローデッドとなるのを待つ。
**(reload、再びの過去形、または過去分詞)
とにかくシゲタマに向かう車内では、
幸運だったあの日の視界を思いだしつつ、
どれにしようか迷いに迷う自分がいる。
直視線だったり俯瞰だったりしつつ、
過去はどうだったのか、
付け合わせは何かという迷宮があり、
いつもその入り口で迷う。
そうなると、
タキビシ(後のタキビ神)に連絡して、
彼の持つ直感や占いを賜ったりもする。
この日は、
もしそういうのがあるのならシゲタマ大漁旗が掲げられるほど、
献立の豊富さに富んでいた。
そして全ての弁当が暖かかった。
まるで夏休みとオーバーヘッドが同時にやってきて、
しかも快晴と無風である。
うれしすぎて迷った末にタキビシにSMSを送る自分が俯瞰できた。
話が逸れるのだけど、
俯瞰するというのは、
浮かんだ状態で見る高みのこと。
直近では、
幽体離脱していたようで、
自分の意識だけを浮かしていたことを思いだした。
それは、
自分と、焚火の間くらいに浮き上がって、
自分を見ていたことに気づかずに見ていた。
世田谷生まれで世田谷育ちのEPOがいて、
彼女が歌うダウンタウンがかかった。
とつぜんその自分の見たことのない視界に気づき、
その視覚に集中していたので、
シュガーベイブのオリジナルだったかもしれない。
曲の中頃、
瀧朗が部屋の入り口に立ち、
こちらに携帯のレーザービームで私本体を照らしている。
隣というか、
向こうで寝ているシギーGは、
「うーんうーん」とうなされている。
竹内まりやの不思議なピーチパイがかかった。
この話とはあまり関係がないが、
このインスピレーションが、
ここに書いた替え歌につながっているのです。
(巻末リンク*3:不思議な南浜)
曲が終わって少しの間、
私は会場を俯瞰していた。
時間だと10分弱といったところだろうか。
こんなタキビナイトの実体験により、
このような視線の俯瞰は、
いつでも任意で実行できるようになった。
さて話は戻って、タキビシに連絡したと上に書いた。
「シゲタマ、本日の傾向と、その選択についてのアドバイス」
そんな内容のものでした。
ちなみにタキビナイトの主催者も彼であります。
超級焚火師に昇華しています。
タキビシは宇宙学に長けた天文博士であり、
波の芯や柱に詳しい波乗導師でいて、
今の占星を知りぬき、
歴史に強く、そして未来を予見する者。
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シゲタマを毎日食べているとわかるのが、
基本というか献立の背骨は揚げ物だ。
徹底的にフライヤーが活躍している。
ヘッドライナーで揚げ物を避けると、
鮭
鯖
ハンバーグ
サンマ(半揚)
という選択となる。
サンマ以外は、
大(520円)と中(420円)のバリエーションを持つ。
そうやっていると、
「これはですね。シゲタマ・シホーイン(四法印)と言います」
「ほう」
「ウナクネ大学(後のドラ大)入学試験に出題される内容です」
そんなことをタキビシが後ほど言ったことを思いだしていると、
ピコピコとiPhone6が鳴った。
たぶんタキビシだ。
返信だ、やった!
そのとき彼の返信が興味深かったので、
夜を待ってタキビシに電話して聞いてみると、
「全ては本質も常に流動しています」
「ほう」
「はい、シゲタマもその例に漏れず、
常に変化し、その存在は同一性を保持しません」
「そうか、だから必ず無いものがあるんだ」
「そうです。最近は肉団子を見ましたか?」
「そういえばないね」
「最近の傾向を見ますと、肉団子が焼売となっています」
「本当だ」
「これこそが京都でラッコ旦那と食べた焼売の引き寄せです」
(巻末リンク*4)
「そんなことになっているんだね」
「はい、これを縁因(ニダーナ、Nidana)と言います」
「へー」
「まとめますと、
弁当が変化することをシゲタマ・サンカーラと言います。
陰陽師で知られる天文博士の
安倍晴明が言う“呪(しゅ)”と同じ意味の引き寄せが見られます」
「そうなんだね」
「この強い呪があるので、フナキさんもシゲタマに向かうのでしょう」
「因縁かな?」
「そうでありますし、またはそうでないかもしれません」
「むずかしいんだね」
「はい、シゲタマもそうですが、一切は常に変化しています」
「本当だね」
「これを重野玉里店弁当棚(シゲタマ・アニッチャ)と言います」
「お、ちゃんと言葉になっているのがすごい」
「はい、刹那の間にあらゆるものは変化します」
(刹那については巻末リンク*5)
「不思議だなぁ」
「この世の摂理(ことわり)です」
そんなコトワリ・ベントーを
番屋岬手前の青い海の前でいただいた。
青にきらめくハンバーグ弁当。
本日の付け合わせは、
肉団子が焼売となり、
または唐揚げと流転=シゲタマ・アニッチャし、
コロッケ半切りとなっていた。
このシゲタマベントーをユネスコ無形文化遺産登録へと、
奄美大島はその申請をするべきものだと、
そんなことを切に感じたお味でした。
奄美は最高よ〜!
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【巻末注釈リンク*1:NATIONイーグル】
【巻末注釈リンク*2:コスタリカ】
【巻末注釈リンク*3:不思議なビーチパイ】
【巻末注釈リンク*4:京都ラッコ旦那の焼売】
【巻末注釈リンク*5:刹那について=波乗り問答】
Happy Surfing!!
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