台風7号からのうねりの角度と潮位、
そしてブイ計測に誘われた。
このうねりならあそこだと、
しっかり体調を整え、
何度も心拍数を上げつつパドルアウトすると、
そらに浮かぶ雲と同化するような波がやってきた。
それは天からの歓呼のようでいて、
地獄への誘いのどちらにも感じられる輝きを見上げていた。
リーシュを切りたくないので、
ボードを離すことはなく、
懸命にできる限り深くダックダイブした。
次の瞬間には、
世界の全てが膨張したかのような爆発があり、
海の核心まで回りこむように、
そして意識不在のまましみこんでいった。
やがて浮き上がりはじめると、
もがかずに海面を目指していく。
大量に浮かんだ泡をかきわけて、
息を吸いながらそらを見ると、
また猛(たけ)った大量の海水が襲ってきた。
そんな調子で波を待っていると、
そのうちにテイクオフ・スポットが絞られてきた。
そして、
偶然と奇跡の重なりが目の前にやってきた。
Cosmos Surfboards
The Classic 8’0″
.
それに乗り、
キックアウトしてうねりの後ろに出ると、
例のやたらとあたたかく豊満な気持ちに満たされた。
その後、
仏教の「シーニャ(空)」
という概念における無と有、
否定と肯定が交互にやってくる。
そしてまたあのゴースト・セットが入り、
望まざる高速回転体験ツアーがあり、
その都度ボードによじ登って、
吸い込まれる渦の上を次の波がやってくるまで、
少しでも圧が弱くなる方向へヨタヨタとパドリングする。
感情を出すと、
瞬時に息切れするので、
何も考えず、
もちろん畏怖もせずにパドルを続けていく。
とまあ、
「強烈波」の記憶というのはこういうものばかりだ。
話は突然土佐に戻るが、
台風6号のとき、
こんな壮烈なる朝陽があった。
豊満と虚無ということばが交互に浮かぶのはいつものことだ。
さて、
生粋のノラ猫「ボス」の子どもあろう「ミニボス」は、
なぜか親と同じ位置でたたずんでいて、
ボスのとき(巻末リンク)と同じように私がここまで行って、
カメラを構えても一向に逃げることはなかった。
警戒心が強いのにめずしいと感じながらシャッターを押していた。
こちらがボス。
ちょうど二年前の写真だ。
すべては諸行無常なのだ。
□
【巻末リンク:ボスのこと】
【巻末リンク*2:法王について重要なこと】
【巻末リンク*3:ポピュリズムとは何?】
【サーフィン研究所&ドラグラ特大号】狼満月_ポピュリズムをかわしつつ、楽しくサーフする20の方法【前編】_(1981文字)
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
◎