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【サーフィン研究所】耽溺(たんでき)し、危機と対峙すること_(1026文字)

台風7号からのうねりの角度と潮位、

そしてブイ計測に誘われた。

このうねりならあそこだと、

しっかり体調を整え、

何度も心拍数を上げつつパドルアウトすると、

そらに浮かぶ雲と同化するような波がやってきた。

それは天からの歓呼のようでいて、

地獄への誘いのどちらにも感じられる輝きを見上げていた。

リーシュを切りたくないので、

ボードを離すことはなく、

懸命にできる限り深くダックダイブした。

次の瞬間には、

世界の全てが膨張したかのような爆発があり、

海の核心まで回りこむように、

そして意識不在のまましみこんでいった。

やがて浮き上がりはじめると、

もがかずに海面を目指していく。

大量に浮かんだ泡をかきわけて、

息を吸いながらそらを見ると、

また猛(たけ)った大量の海水が襲ってきた。

そんな調子で波を待っていると、

そのうちにテイクオフ・スポットが絞られてきた。

そして、

偶然と奇跡の重なりが目の前にやってきた。

Cosmos Surfboards

The Classic 8’0″

.

それに乗り、

キックアウトしてうねりの後ろに出ると、

例のやたらとあたたかく豊満な気持ちに満たされた。

その後、

仏教の「シーニャ(空)」

という概念における無と有、

否定と肯定が交互にやってくる。

そしてまたあのゴースト・セットが入り、

望まざる高速回転体験ツアーがあり、

その都度ボードによじ登って、

吸い込まれる渦の上を次の波がやってくるまで、

少しでも圧が弱くなる方向へヨタヨタとパドリングする。

感情を出すと、

瞬時に息切れするので、

何も考えず、

もちろん畏怖もせずにパドルを続けていく。

とまあ、

「強烈波」の記憶というのはこういうものばかりだ。

話は突然土佐に戻るが、

台風6号のとき、

こんな壮烈なる朝陽があった。

豊満と虚無ということばが交互に浮かぶのはいつものことだ。

さて、

生粋のノラ猫「ボス」の子どもあろう「ミニボス」は、

なぜか親と同じ位置でたたずんでいて、

ボスのとき(巻末リンク)と同じように私がここまで行って、

カメラを構えても一向に逃げることはなかった。

警戒心が強いのにめずしいと感じながらシャッターを押していた。

こちらがボス。

ちょうど二年前の写真だ。

すべては諸行無常なのだ。

【巻末リンク:ボスのこと】

【サーフィン研究所】片岡義男さんのサーフィン小説1977_さよならボス_(1143文字)

【巻末リンク*2:法王について重要なこと】

【サーフィン研究所&ドラグラ】土佐横浪半島のたべもの_熱き心に(歌詞)_(1053文字)

【巻末リンク*3:ポピュリズムとは何?】

【サーフィン研究所&ドラグラ特大号】狼満月_ポピュリズムをかわしつつ、楽しくサーフする20の方法【前編】_(1981文字)

Happy Surfing and Happy Lifestyles!!