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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その9_(676文字)

【日曜日の連載シリーズ2月編】

銀鯖道の夜


ジロバンニは丘から飛ぶやうに下の廣い砂浜へおりました。
砂浜にぼうつと見える小さな川があつて、
ヨオドの水が流れてゐました。
ジロバンニはちよつとの間、
ここでとまつて、
せはしい息できれぎれに立つてゐましたが、
にはかにまたちからいつぱい走りだして、
水際へいそぎました。

するとジロバンニは、
さつきシギパネルラさんをいつしよに見たケントに會ひました。
ケントがジロバンニに走り寄つて云ひました。
「ジロバンニ、シギパネルラさんが居なくなつたよ」
「どうして、いつ。」
「スキツパーフィツシユが沖に流れてゐつたんだ。
するとシギパネルラさんがすぐ飛びこんだんだ。
けれどもあとシギパネルラさんが見えないんだ。」

【解説】

物語が大きく動きました。

夢で見た旅立つように笑っていたシギパネルラさんは、

現実世界からいなくなってしまったようです。

タマサキに流れるヨード川がここで登場しました。

現代でもこの川は存在していて、

ヨウ素を採取した(伊勢化学工業)残り水が流れています。

黄色の泡が浮くので、

私たちは気になって独自に調べてみました。

これは睦沢温泉と同じ太古水で、

しかもプロセス後の安全な温水ということがわかりました。

それからタマサキでの名所となりました。

それと、

スキッパーフィッシュというのはサーフボードのことで、

第一章でのシギパネルラが持っていた黄色いボードです。

それがジロバンニの記憶にしっかりと焼き付いていたようです。

(10へ続きます)

文責:華厳旭 D.G.P.

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