「完成シマシタ!」
そうやって、
サーフボード博士であり、
超級シェイパーであるライアン・イングルから連絡があった。
ショートボード人気が根強い日本に向けて、
私に5’11″を作ってくれたと言う。
主語が抜けているが、
ニューモデルというのではなく、
「究極のサーフボードです」
という代物だ。
Nation Glassing (N-Glass)
.
というのは、
ライアンは数年前から復活したCJネルソンのボードを作ることが多く、
彼が持つ400箇所のマジックボード数値と、
CJからのフィードバックである法則を見つけたという。
で、それを反映させてまずは9フィート台で作り、
7フィート台で確信し、6フィートとなって、
Nation The Eagle Glider (Single Fin Model) 6’11”
.
私に5フィート台を作ってきたという経緯がある。
けれど、私は膝を痛めていてリハビリサーフ中の身である。
Nation The Eagle (Future Fin Model) 5’11”
.
ショートボードなどに乗ったら膝などは粉々に砕けてしまう危険をまといながら、
「見るだけ、写真を撮るだけ」
そう言い聞かせるようにして新生NATION工場兼ショールームに向かった。
で、持ってみると、
むくむくとこれに乗ってみたいという気持ちが沸き上がってきた。
危ない危ないと思いながら海に行くと、
夏日であるので、陽射しはココサンシャインですな谷沢くん。
そんなことを言いながらステッカーなどを貼っていると、
サンオノフレ・サーフカンパニーのメディア担当であるサムがやってきた。
彼は知的なフィッシュゴッドとして知られていて、
本家フィッシュゴッドであるジャスティン・アダムスは、
最近となってあらゆるところに登場し、
元祖メディアであるNAKISURFはすでに
「フィッシュゴッドの存在を世界に広める」(巻末注釈リンク*1)
という役目を3年半前に果たしたので安心していると、
他のゴッドが次々にやってきた。
それはラカ法王や二郎くん、
さらにはタキビシたちとの旅の途中で、
茅ヶ崎の美住町フィッシュゴッドや、
この知的なフィッシュゴッド(An intellectual Fish God)のサムを知った。
(それぞれの神については、巻末注釈リンク*2〜4を参照ください)
彼は「これを教会岬で滑らせたいデス」
と言い、
私はこれにただ乗りたいと反射的に感じた。
究極は秘密でもなんでもなく、
1970年代のサーフボードに答えがあり、
「シンプルを突き詰めて、それらの必要なものを最小限だけ入れる」
そんなデザイン理論でこのボードが完成した。
NATIONのキールフィン、
そしてサンプルのスモールブレードをリアに付けると、
今度はミラーがやってきて、
またこのサーフボード談議となった。
モデル名は?
そう聞かれ、ライアンに確認すると、
“The Eagle”であるらしかった。
イーグルスはホテルカリフォルニアを歌い、
その歌詞に”The Pink Champagn on Ice”とあるが、
(巻末注釈リンク*5を)
その一環によるネーミングかと思ったら、
「羽根のように軽く、鷲のように速く」
と、機能が名前になったようだ。
サムが、
「ボクが後50kg軽かったら今これに乗るのに」
そんな言葉に発火して、
膝ブレースを強く締め上げてパドルアウトしてみると、
軽いどころか、
柔らかく、そして従順で、
自由でそれでいて速い。
テイクオフも軽々できるし、
ミッドレングスはなんだったのか?
というくらいの位置からテイクオフしていく。
あげくの果てには、
禁断のトップアクションもしてしまい、
膝を深く曲げなくても、
ショックもワイプアウトの予感も何もなく、
さらにはレイルが喰ったり、
またはノーズが刺さる
という予兆も何も起きずにメイクできた。
ふわり、
シュッタン!
「シャケのベイビー!(巻末注釈リンク*6を)」
二郎くんではないが、
「なんだ、かんたんだなと思いました」
そんな心持ちでありました。
テスラ社のイーロン・マスクの言うところの
「マキシマム・エンジョイメント」
と、コピーを得ました。
このボードのあまりの良さに乗ってからではありますが、
各部写真を撮ったのが以下。
ロッカーは弱く、
ノーズとテイルは若干1970年代の風味を漂わせ、
ライアン自慢のフィン位置は、
トライ、ツイン、クアッドのフル設定もなされている。
特徴のひとつである分厚いテイルブロックは、
ややするとマッコイのようであるが、
こちらのはなぜか踏める、
つまり操作性満点の絶妙なる浮力が付けられている。
さすが博士である。
アウトラインも1970年代風で、
テイルはソフトダイヤモンド、
そしてビークノーズ。
レイルはコールゆずりのサンクレメンテ・ソフトレイル。
5’11” x 20-1/4″ x 2-5/16″
この位の浮力があれば膝波でも軽々テイクオフしていく。
またはロングボードと同じ位置から波に入れるのが、
コンケイブやバランスに長けたライアン・イングルと、
CJネルソンのコラボ由縁だろう。
リアのブレ—ドフィンを大きくしたり、
小さくしたりして、
水流がマキシマムになるのはどれなのかと探っている。
そうこうしていたら広告も完成した。
なんだかうれし恥ずかし。
「膝が曲がらなくてこれですよ」
そんな注釈を付けて自己弁護しようと思いました。
予告編というか紹介動画も完成しました。
ぜひご覧になってください。
見所は膝を支点としたボディサーフ・テイクオフです。(笑)
□
【巻末注釈リンク*1:フィッシュゴッド詳細】
【巻末注釈リンク*2:美住町フィッシュゴッドとは?】
【テクニック編特大号】小早波日へのアプローチ_私のアイドルは、Catch Surf JOB Pro_逆真流無人波_(3221文字)
【巻末注釈リンク*3:ラカ法王やタキビシたちについて】
【巻末注釈リンク*4:二郎くん別伝】
【巻末注釈リンク*5:マジック数値 x 400の詳細】
【NATION】インバースVEE搭載、世界初のオムニディレクショナル・ボードThe Pink Champagne On Iceの誕生ストーリー(2101文字)
【巻末注釈リンク*6:鮭のベイビー】
Happy Surfing!!
◎