Bonzer 1973 / 6’5″
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博物館シリーズの第二弾は、
1973年ボンザーだ。
予定なら、
『サンディエゴ・フィッシュ』
そのオリジナル版レプリカに進もうと思っていたのだが、
ときに人生は長い。
もしかすると、
寄り道というか、
ボンザーの進化を見届けたかったのかもしれない。
第一弾/1971年モデルから2年進んで、
いかにどうだったのかの検証がなされた。
結果、
第一弾と同じボンザー・センセーショナルがやってきたが、
より深いコンケイブは、
「浮かす」という点で、
より波に乗ろうとするエナジーになっているようだ。
それにしてもこの時代のボードは、
ボートクロスという強く、
重いガラスクロスを使用しているので、
重く、
頑丈なサーフボードを得た。
よって、
いまだにかすり傷だけだが、
この傷はそれぞれ、
腰くらいの高さから落としたものだったり、
玉石のショアブレイクを幾度も転がってできたもので、
通常のサーフボードならば、
修理跡だらけだろう。
千葉に戻ってきたので、
この博物館シリーズの父である前田博士のエンスーラボに、
ボンザー1973を里帰りさせた。
博士はマルチ・シェイパーである。
マルチとは、
ショートボードからログ。
その細部はミニ(シモンズ)であり、
フィッシュ、ピンテイル、ガンであり、
そしてフロウ系のオルタナやレトロと多岐に渡る。
博士は、
デザインの全てをシェイプ・マシンのオペレートで展開する。
よって、
そこからのフィン位置やボリューム、
カーブやラインに集中でき、
そして最後は精錬なる技術で、
フォルムやコンケイブというまろやかさの混合を実力としている。
前田博士の場合はこれだけにとどまらず、
1. シェイプ後、
2. グラッシング
3. ホットコート
4. フィン・プラグ、
またはグラスオン・フィンの取り付け
5. リーシュ・カップ、
またはリーシュ・ロープの設置
6. サンディング
7. グロス
8. バフ
9. 仕上げ
この9工程を一人で行う。
これがいわゆるエンスーラボである。
※エンスーとは、
ナベゾさんこと渡辺和博さんの提唱で、
「マニアのなかのマニアのこと」。
さらに書くと、
博士の研究所には、
世界的なアートを描くYucchiがいる。
彼女は博士ジマンの奥さんであり、
いわゆるトニー・スタークのペッパータイプでもある。
(©アイアンマン)
このYucchiのアートは、
色彩はもちろん、
さまざまなものが豊かだ。
このような密接性も重なって、
前田博士の評価が高い理由になっているのだと思う。
「(センターフィンを)さらに削りだしましょう!」
そんな博士の夢を見て起きると、
外はかなりの雨で、
雨粒は折からの南風に乗って、
窓に当たっては視界をにじませていた。
風は弱く、
波は腰程度しかないが、
かなり良い質だ。
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【巻末リンク:ボンザー1973】
【巻末リンク*2:博物館シリーズ第一弾】
【巻末リンク*3:】
Happy Surfing & Happy Lifestyles!!
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