銀鯖道の夜 ジロバンニの切符23 ごとごととキヤラバンはきらびやかな櫻の道を進みました。 窓を見るとまるで幻燈のやうでした。 百も千もの大小さまざまのすきとほつた綺麗な花びらは、 夢のやうに燃えてゐて、 ジロバンニはわれ…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 76_ジロバンニの切符23_(288文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符23 ごとごととキヤラバンはきらびやかな櫻の道を進みました。 窓を見るとまるで幻燈のやうでした。 百も千もの大小さまざまのすきとほつた綺麗な花びらは、 夢のやうに燃えてゐて、 ジロバンニはわれ…
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符22 シギパネルラは 「なにがしあはせかわからないです。 ほんたうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら、 クローズアウトもクラヤミもみんなほんたうの幸福に近づく一あ…
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符21 そこから小さな嘆息やいのりの聲が聞え、 ジロバンニもシギパネルラもいままで忘れてゐたいろいろのことをぼんやり思ひ出して眼が熱くなりました。 (ああ、そこはタキビパレスといふのではなかつた…
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符20 シギパネルラは、 なにかほんたうに決心してゐるやうに見えました。 俄かに、 車のそとが、 ぱつと白く明るくなりました。 見ると、 もうじつに、 金剛石や草の露やあらゆる立派さをあつめたや…
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符19 「ジロバンニ、ラツコ捕りが來るよ。」 さつきのチヤーがまた叫びました。 するとボンとナツコは、 にあにあと前の方を見ながら云ひました。 どこかでふしぎな聲が、 酒井塗装店、 酒井塗装店と…