【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十九 ジロバンニが、 「シギパネルラさんは前からここに居たの。」 と云はうと思つたとき、 シギパネルラが、 「ぼくはね、 ずゐぶんパドリングしたけれども遲れてしまつたよ。 ダツ…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その18_(768文字)
【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十八 氣がついてみると、 さつきから、 ごとごとごとごと、 ジロバンニの乘つてゐる車が走りつづけてゐたのでした。 ジロバンニは、 父ちやんのキヤラバンの車室に、 窓から外を見な…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その17_(757文字)
【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十七 銀鯖ステーシヨン ジロバンニはタマサキ神社の灯がいつかぼんやりした形になつて、 しばらく螢のやうに、 ぺかぺか消えたりともつたりしてゐるのを見ました。 それはだんだんはつ…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その16_(701文字)
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十六 ジロバンニの目には涙が一杯になつて來ました。 街燈のあかりがぼんやりと夢のやうに見えるだけになつて、 いつたいじぶんがどこを走つてゐるのか、 どこへ行くのかすらわから…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その15_(478文字)
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十五 「あなたのお父さんはもう歸つてゐますか。」 先生役のバリのヤマザキさんは堅く時計を握つたまま、 また聞きました。 「いいえ。」 ジロバンニはかすかに頭をふりました。 する…