銀鯖道の夜 三十四 南十字路とタキビシン海岸7 二人は一度にはねあがつてドアを飛び出しました。 タキビシン海岸と書かれた停車場の向うには、 まつすぐに銀河の光が海の上へ通つてゐました。 まつくらな海の上に龍が星あかりに照…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 34_南十字路とタキビシン海岸7_(682文字)
![【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 34_南十字路とタキビシン海岸7_(682文字) 【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 34_南十字路とタキビシン海岸7_(682文字)](https://www.nakisurf.com/blog/naki/wp-content/uploads/2024/07/f61a220df2a8fe8a488f3e11c3425cc9.jpg)
銀鯖道の夜 三十四 南十字路とタキビシン海岸7 二人は一度にはねあがつてドアを飛び出しました。 タキビシン海岸と書かれた停車場の向うには、 まつすぐに銀河の光が海の上へ通つてゐました。 まつくらな海の上に龍が星あかりに照…
銀鯖道の夜 三十三 南十字路とタキビシン海岸6 二人は胸いつぱいのかなしみに似た新らしい氣持ちを、 何氣なくちがつた言葉で、 そつと話し合つたのです。 「もうぢき海岸の停車場だねえ。」 「ああ、十一時三八分には着くんだよ…
銀鯖道の夜 三十二 南十字路とタキビシン海岸5 それもほんのちよつとの間、 キヤラバンは、 ハマヒルガオの列でさへぎられ、 アルテミスの島は、 二度ばかりうしろの方に見えましたが、 ぢきもうずうつと遠く小さく繪のやうにな…
銀鯖道の夜 三十一 南十字路とタキビシン海岸4 檀那の移したちは、 だんだんうしろの方へうつつて行きました。 向う岸も、 青じろくぽうつと光つてけむり、 時々、 草花が風にひるがへるらしく、 さつとそれぞれのいろがけ…
銀鯖道の夜 三十 南十字路とタキビシン海岸3 「タキビシン、タキビシン。」 うしろから聲が起りました。 ふりかへつて見ると、 小さな店に飾つてありました移しは、 大きな紙きれからそろそろと出て來て、 薫りだしたといふやう…