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宮鯖賢治

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 73_ジロバンニの切符20_(536文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符20 シギパネルラは、 なにかほんたうに決心してゐるやうに見えました。 俄かに、 車のそとが、 ぱつと白く明るくなりました。 見ると、 もうじつに、 金剛石や草の露やあらゆる立派さをあつめたや […]

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 72_ジロバンニの切符19_(707文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符19 「ジロバンニ、ラツコ捕りが來るよ。」 さつきのチヤーがまた叫びました。 するとボンとナツコは、 にあにあと前の方を見ながら云ひました。 どこかでふしぎな聲が、 酒井塗装店、 酒井塗装店と

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 71_ジロバンニの切符18_(431文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符18 チヤーはかすかに笑つてゐるやうに見えました 「いえ、突然地層がざわざわ鳴つて、 巨きな白い野原がいつぱいにひらけました。 月のあかりはどこかぼんやりありましたが、 霧が非常に深かつたので

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 70_ジロバンニの切符17_(694文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符17 先生が教へてくれたことをジロバンニは思ひだしました。 「眞空は光をある速さで傳へるもので、 太陽や地球もやつぱりそのなかに浮んでゐるのです。」 そしてチヤーは口笛を吹いてゐるやうなさびし

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 69_ジロバンニの切符16_(521文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符16 チヤーは教へるやうにそつとボンとナツコに云ひました。 「わたしたちはもう、 なんにもかなしいことはないのです。 わたくしたちはこんないいとこを旅して、 ぢき神さまのとこへ行きます。 そこ

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 68_ジロバンニの切符15_(414文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符15 「うん、 だけど僕、 浪に乘らなければよかつたなあ。」 シギパネルラは云ひました。 「ええ、けれど、ごらんなさい。 そら、どうです。 あの立派な酒井塗装店を、 ね、あすこの向かうは、 夢

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 67_ジロバンニの切符14_(765文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符14 橙色のチヤーは叮ねいに云ひました。 「オン父さまや タキビシはまだいろいろお仕事があるのです。 けれどももうすぐあとからいらつしやいます。 それよりも、 オン母さまはどんなに永く待つてい

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 66_ジロバンニの切符13_(277文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符13 それからチヤーは、 シギパネルラのとなりの席に坐つてきちんと兩手を揃へました。 「ぼくたちは、 チヤーママのとこへ行くんだよう。」 腰掛けたばかりのチヤーは顏を變にして、 燈臺看守の向う

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 65_ジロバンニの切符12_(1148文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符11 「ああ、ここはナカダキだ。 いや、モニースだ。 いや、 ああぼくたちはそらへ來たのだ。 わたしたちは天へ行くのです。 ごらんなさい、 あのしるしは天上のしるしです。 もうなんにもこはいこ

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 64_ジロバンニの切符11_(339文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符11 そしたら俄かにそこに、 つやつやしたチヤーが、 ひどくびつくりしたやうな顏をしてゐました。 隣りにはナツコが一ぱいに風に吹かれてゐるけやきの木のやうな姿勢で、 チヤーのうしろに立つてゐま

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 63_ジロバンニの切符10_(931文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符10 「何だか苹果の匂がする。 僕いま苹果のことを考へたためだらうか。」 シギパネルラが不思議さうにあたりを見まはしました。 「ほんたうに苹果の匂ひだよ。」 ジロバンニもそこらを見ましたが、

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 62_ジロバンニの切符9_(386文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符9 「あの人どこへ行つたらう。」 シギパネルラもぼんやりさう云つてゐました。 「どこへ行つたらう。 一體どこでまたあふのだらう。 僕はどうしても少しあの人に物を言はなかつたらう。」 「ああ、僕

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 61_ジロバンニの切符8_(559文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符8 ほんたうにあなたのほしいものは一體なんですか、 と訊かうとして、 それではあんまり出し拔けだから、 どうせうかと考へて振り返つてみましたら、 そこにはもうあのラツコ捕りが居ませんでした。

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 60_ジロバンニの切符7_(551文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符7 「もうぢき酒井の停車場だよ。」 シギパネルラが向う岸の、 三つならんだ小さな青じろい三角標と地圖とを見較べて云ひました。 ジロバンニはなんだかわけもわからずに、 となりのラツコ捕りが氣の毒

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 59_ジロバンニの切符6_(1206文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符6 すると、 ラツコ捕りが横からちらつとそれを見てあわてたやうに云ひました。 「おや、こいつは大したもんですぜ。 こいつはもう、 ほんたうの天上へさへ行ける切符だ。 天上どこぢやない、 どこで

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 58_ジロバンニの切符5_(584文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符5 「これは三次空間の方からお持ちになつたのですか。」 車掌がたづねました。 「何だかわかりません。」 もう大丈夫だと安心しながらジロバンニは、 そつちを見あげてくつくつ笑ひました。 「よろし

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 57_ジロバンニの切符4_(560文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符4 車掌はちよつと見て、 すぐ眼をそらして (あなた方のは?) といふやうに、 指をうごかしながら、 手をジロバンニたちの方へ出しました。 「さあ。」 ジロバンニは困つて、 もぢもぢしてゐまし

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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 56_ジロバンニの切符3_(628文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符3 「あれは、 波の高さをはかる器械です。」 ラツコ捕りが云ひかけたとき、 「切符を拜見いたします。」 帽子をかぶつたもうひとりのラツコ捕りが、 いつか三人の席の横に、 まつすぐに立つてゐて云

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