【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 66_ジロバンニの切符13_(277文字)
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符13 それからチヤーは、 シギパネルラのとなりの席に坐つてきちんと兩手を揃へました。 「ぼくたちは、 チヤーママのとこへ行くんだよう。」 腰掛けたばかりのチヤーは顏を變にして、 燈臺看守の向う […]
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銀鯖道の夜 ジロバンニの切符13 それからチヤーは、 シギパネルラのとなりの席に坐つてきちんと兩手を揃へました。 「ぼくたちは、 チヤーママのとこへ行くんだよう。」 腰掛けたばかりのチヤーは顏を變にして、 燈臺看守の向う […]
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銀鯖道の夜 ジロバンニの切符11 「ああ、ここはナカダキだ。 いや、モニースだ。 いや、 ああぼくたちはそらへ來たのだ。 わたしたちは天へ行くのです。 ごらんなさい、 あのしるしは天上のしるしです。 もうなんにもこはいこ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 65_ジロバンニの切符12_(1148文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符11 そしたら俄かにそこに、 つやつやしたチヤーが、 ひどくびつくりしたやうな顏をしてゐました。 隣りにはナツコが一ぱいに風に吹かれてゐるけやきの木のやうな姿勢で、 チヤーのうしろに立つてゐま
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 64_ジロバンニの切符11_(339文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符10 「何だか苹果の匂がする。 僕いま苹果のことを考へたためだらうか。」 シギパネルラが不思議さうにあたりを見まはしました。 「ほんたうに苹果の匂ひだよ。」 ジロバンニもそこらを見ましたが、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 63_ジロバンニの切符10_(931文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符9 「あの人どこへ行つたらう。」 シギパネルラもぼんやりさう云つてゐました。 「どこへ行つたらう。 一體どこでまたあふのだらう。 僕はどうしても少しあの人に物を言はなかつたらう。」 「ああ、僕
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 62_ジロバンニの切符9_(386文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符8 ほんたうにあなたのほしいものは一體なんですか、 と訊かうとして、 それではあんまり出し拔けだから、 どうせうかと考へて振り返つてみましたら、 そこにはもうあのラツコ捕りが居ませんでした。
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 61_ジロバンニの切符8_(559文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符7 「もうぢき酒井の停車場だよ。」 シギパネルラが向う岸の、 三つならんだ小さな青じろい三角標と地圖とを見較べて云ひました。 ジロバンニはなんだかわけもわからずに、 となりのラツコ捕りが氣の毒
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 60_ジロバンニの切符7_(551文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符6 すると、 ラツコ捕りが横からちらつとそれを見てあわてたやうに云ひました。 「おや、こいつは大したもんですぜ。 こいつはもう、 ほんたうの天上へさへ行ける切符だ。 天上どこぢやない、 どこで
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 59_ジロバンニの切符6_(1206文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符5 「これは三次空間の方からお持ちになつたのですか。」 車掌がたづねました。 「何だかわかりません。」 もう大丈夫だと安心しながらジロバンニは、 そつちを見あげてくつくつ笑ひました。 「よろし
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 58_ジロバンニの切符5_(584文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符4 車掌はちよつと見て、 すぐ眼をそらして (あなた方のは?) といふやうに、 指をうごかしながら、 手をジロバンニたちの方へ出しました。 「さあ。」 ジロバンニは困つて、 もぢもぢしてゐまし
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 57_ジロバンニの切符4_(560文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符3 「あれは、 波の高さをはかる器械です。」 ラツコ捕りが云ひかけたとき、 「切符を拜見いたします。」 帽子をかぶつたもうひとりのラツコ捕りが、 いつか三人の席の横に、 まつすぐに立つてゐて云
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 56_ジロバンニの切符3_(628文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符2 青寶玉と黄玉の大きな二つのすきとほつた球は浪となり、 それがまただんだん横へ外れて、 向うへめぐり、 黄いろのはこつちへ進み、 青い小さいのが重なり合つて、 緑の中心と黄いろな明るい環がで
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 55_ジロバンニの切符2_(309文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符 「もうここらは中原區のおしまひです。 ごらんなさい。 あれが名高いタマサキ神社です。」 窓の外の、 まるで花火でいつぱいのやうな、 あまの川のまん中に、 黒い建物が立つて、 その屋根の上に、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 54_ジロバンニの切符_(517文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 11 ラツコ捕りは二十疋ばかり、 袋に入れてしまふと、 急に兩手をさげて、 模型の人形のやうな形をしました。 と思つたら、 もうそこにラツコ捕りの形はなくなつて、 却つて、 「ああせいせいした
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 53_ラッコを捕る人11_(763文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 10 ラツコは螢のやうに、 袋の中でしばらく、 青くぺかぺか光つたり消えたりしてゐましたが、 おしまひにはとうとう、 みんなぼんやり白くなつて、 眼をつぶるのでした。 ところが、 つかまへられ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 52_ラッコを捕る人10_(791文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 9 「ずゐぶん奇體だねえ。 きつとまたラツコをつかまへるとこだねえ。」 と云つた途端、 がらんとした桔梗いろの海から、 さつき見たやうなチヨコレートが、 みんなすきとほつて、 まるで風に飛ぶや
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 51_ラッコを捕る人9_(441文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 8 黒いろの外套姿の人はにやにや笑つて、 少し伸びあがるやうにしながら、 窓の外をのぞきました。 すると見えなくなつてゐたラツコ捕りが、 青じろの、 うつくしい燐光を出す、 夜光虫の上に立つて
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 50_ラッコを捕る人8_(577文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 7 なあに、 みんなまつ黒にかたまつているのですから仕方ありませんや、 わたしあ、 べらぼうめ、 そんな苦情はおれのとこへ持つて來たつて仕方がねえや、 おめえらの大將へやれつて、 斯う云つてや
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 49_ラッコを捕る人7_(461文字) 続きを読む »