【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その20_(605文字)
【日曜日の連載シリーズ4月最終編】 銀鯖道の夜 二十 シギパネルラは、 窓から外をのぞきながら、 もうすつかり元氣が直つて、 勢よく云ひました。 「ああしまつた。 ぼく、 サーフボードを忘れてきた。 車も忘れてきた。 け […]
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【日曜日の連載シリーズ4月最終編】 銀鯖道の夜 二十 シギパネルラは、 窓から外をのぞきながら、 もうすつかり元氣が直つて、 勢よく云ひました。 「ああしまつた。 ぼく、 サーフボードを忘れてきた。 車も忘れてきた。 け […]
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【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十九 ジロバンニが、 「シギパネルラさんは前からここに居たの。」 と云はうと思つたとき、 シギパネルラが、 「ぼくはね、 ずゐぶんパドリングしたけれども遲れてしまつたよ。 ダツ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その19_(1113文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十八 氣がついてみると、 さつきから、 ごとごとごとごと、 ジロバンニの乘つてゐる車が走りつづけてゐたのでした。 ジロバンニは、 父ちやんのキヤラバンの車室に、 窓から外を見な
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【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十七 銀鯖ステーシヨン ジロバンニはタマサキ神社の灯がいつかぼんやりした形になつて、 しばらく螢のやうに、 ぺかぺか消えたりともつたりしてゐるのを見ました。 それはだんだんはつ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その17_(757文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十六 ジロバンニの目には涙が一杯になつて來ました。 街燈のあかりがぼんやりと夢のやうに見えるだけになつて、 いつたいじぶんがどこを走つてゐるのか、 どこへ行くのかすらわから
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その16_(701文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十五 「あなたのお父さんはもう歸つてゐますか。」 先生役のバリのヤマザキさんは堅く時計を握つたまま、 また聞きました。 「いいえ。」 ジロバンニはかすかに頭をふりました。 する
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その15_(478文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十四 ジロバンニは、 思はずかけよつて、 先生の前に立つて、 ぼくはシギパネルラさんの行つた方を知つてゐます。 ぼくはシギパネルラといつしよにゐたのです。 さう云はうとしました
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その14_(723文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十三 ジロバンニは、 はつと胸が熱くなり、 そこら中きいんと鳴るやうに思ひました。 けれどもみんなはまだブルードラゴン波の間から、 「ぼくずゐぶん泳いだぞ。」 と云ひながらシギ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その13_(593文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十二 「ジロバンニ、 ラツコの法王が來るよ。」 美住町の魚神さんの若々しい聲を聽いた。 「ラツコ法王、 私たちの罪を許しシギパネルラさんの呪をお解きください。」 いつかジヨバン
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その12_(585文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ2月最終編】 銀鯖道の夜 十一 誰が投げたかスキツパーフィツシユが一つ飛んで來ました。 ぼうつと黄いろに見えるといふそれは、 鳥のやうにゆつくりめぐつたり、 滑つてずうつと向うへ行つてしまひました。
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その11_(450文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ2月編】 銀鯖道の夜 十 ジロバンニはみんなの居る方へ行きました。 波乗人たちや町の人たちに圍まれて、 バリのヤマザキさんに似てゐる學校の先生が、 黒い服を着てまつすぐに立つて、 右手に時計を持つて
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その10_(459文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ2月編】 銀鯖道の夜 九 ジロバンニは丘から飛ぶやうに下の廣い砂浜へおりました。 砂浜にぼうつと見える小さな川があつて、 ヨオドの水が流れてゐました。 ジロバンニはちよつとの間、 ここでとまつて、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その9_(676文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ2月編】 銀鯖道の夜 八 そして夢であるいた天の川もやつぱりさつきの通りに白くぼんやりかかり、 まつ黒な東の水平線の上では殊にけむつたやうになつて、 その右には太東岬にある橙光がうつくしくきらめき、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その8_(484文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ】 銀鯖道の夜 七 ジロバンニは眼をひらきました。 タマサキの丘の上でねむつてゐたのでした。 胸は何だかをかしく熱り、 頬にはつめたい涙がながれてゐました。 テイクオフのやうにはね起きました。 あた
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その7_(363文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ】 銀鯖道の夜 六 やつて來た青いろの車の中は、 明るくネオン燈がついて、 いろいろな寶石が波のやうな色をした厚い硝子の盤に載つて、 星のやうにゆつくりめぐつたり、 まはつて來たりするのでした。 そ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その6_(319文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ】 銀鯖道の夜 五 ジロバンニはぢつとタマサキを見ながら考へました。 (ぼくはもう、 サーフしてしまひたいといふ氣持がするのでした。 陸からはなれて、 波壁へ、 どこまでもどこまでも飛ぶやうに滑つて
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その5_(707文字) 続きを読む »
【日曜日の連載シリーズ】 銀鯖道の夜 四 タマサキのうしろはゆるい丘になつて、 その黒い平らな頂上は、 ふたご座β星ポルツクスの下に、 ぼんやりふだんよりも低く連つて見えました。 「波へ乗る。」 ジロバンニがさう云はう
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その4_(855文字) 続きを読む »
二 青龍波 ジロバンニが學校を出てタマサキ浜に行くと、 同じ組の七八人はエツクスにあるヨオド泉のところに集まつてゐました。 なんでも青龍の、 すごい波に向かつている人がいて見ているらしかつたのです。 その人の顔はなにかほ
【サーフィン研究所連載】銀鯖道の夜 その2_(725文字) 続きを読む »