【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十二 「ジロバンニ、 ラツコの法王が來るよ。」 美住町の魚神さんの若々しい聲を聽いた。 「ラツコ法王、 私たちの罪を許しシギパネルラさんの呪をお解きください。」 いつかジヨバン…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その12_(585文字)

【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十二 「ジロバンニ、 ラツコの法王が來るよ。」 美住町の魚神さんの若々しい聲を聽いた。 「ラツコ法王、 私たちの罪を許しシギパネルラさんの呪をお解きください。」 いつかジヨバン…
【日曜日の連載シリーズ2月最終編】 銀鯖道の夜 十一 誰が投げたかスキツパーフィツシユが一つ飛んで來ました。 ぼうつと黄いろに見えるといふそれは、 鳥のやうにゆつくりめぐつたり、 滑つてずうつと向うへ行つてしまひました。…
【日曜日の連載シリーズ2月編】 銀鯖道の夜 十 ジロバンニはみんなの居る方へ行きました。 波乗人たちや町の人たちに圍まれて、 バリのヤマザキさんに似てゐる學校の先生が、 黒い服を着てまつすぐに立つて、 右手に時計を持つて…
【日曜日の連載シリーズ2月編】 銀鯖道の夜 九 ジロバンニは丘から飛ぶやうに下の廣い砂浜へおりました。 砂浜にぼうつと見える小さな川があつて、 ヨオドの水が流れてゐました。 ジロバンニはちよつとの間、 ここでとまつて、 …
【日曜日の連載シリーズ2月編】 銀鯖道の夜 八 そして夢であるいた天の川もやつぱりさつきの通りに白くぼんやりかかり、 まつ黒な東の水平線の上では殊にけむつたやうになつて、 その右には太東岬にある橙光がうつくしくきらめき、…