【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十七 銀鯖ステーシヨン ジロバンニはタマサキ神社の灯がいつかぼんやりした形になつて、 しばらく螢のやうに、 ぺかぺか消えたりともつたりしてゐるのを見ました。 それはだんだんはつ…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その17_(757文字)

【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十七 銀鯖ステーシヨン ジロバンニはタマサキ神社の灯がいつかぼんやりした形になつて、 しばらく螢のやうに、 ぺかぺか消えたりともつたりしてゐるのを見ました。 それはだんだんはつ…
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十六 ジロバンニの目には涙が一杯になつて來ました。 街燈のあかりがぼんやりと夢のやうに見えるだけになつて、 いつたいじぶんがどこを走つてゐるのか、 どこへ行くのかすらわから…
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十五 「あなたのお父さんはもう歸つてゐますか。」 先生役のバリのヤマザキさんは堅く時計を握つたまま、 また聞きました。 「いいえ。」 ジロバンニはかすかに頭をふりました。 する…
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十四 ジロバンニは、 思はずかけよつて、 先生の前に立つて、 ぼくはシギパネルラさんの行つた方を知つてゐます。 ぼくはシギパネルラといつしよにゐたのです。 さう云はうとしました…
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十三 ジロバンニは、 はつと胸が熱くなり、 そこら中きいんと鳴るやうに思ひました。 けれどもみんなはまだブルードラゴン波の間から、 「ぼくずゐぶん泳いだぞ。」 と云ひながらシギ…