【日曜日の連載シリーズ5月編】 銀鯖道の夜 二十三 そのきれいな浪は、 レガロよりも南伊豆よりもすきとほつて、 ときどき眼の加減か、 ちらちら紫いろのこまかないろをたてたり、 虹のやうにぎらつと光つたりしながら、 聲もな…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 23〜24_(659文字)

【日曜日の連載シリーズ5月編】 銀鯖道の夜 二十三 そのきれいな浪は、 レガロよりも南伊豆よりもすきとほつて、 ときどき眼の加減か、 ちらちら紫いろのこまかないろをたてたり、 虹のやうにぎらつと光つたりしながら、 聲もな…
【日曜日の連載シリーズ5月編】 銀鯖道の夜 二十一 「この地圖はどこで買つたの。 寶石でできてるねえ。」 ジロバンニが云ひました。 「銀鯖ステーシヨンで、 もらつたんだ。 君もらはなかつたの。」 「ああ、 ぼく銀鯖ステー…
【日曜日の連載シリーズ4月最終編】 銀鯖道の夜 二十 シギパネルラは、 窓から外をのぞきながら、 もうすつかり元氣が直つて、 勢よく云ひました。 「ああしまつた。 ぼく、 サーフボードを忘れてきた。 車も忘れてきた。 け…
【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十九 ジロバンニが、 「シギパネルラさんは前からここに居たの。」 と云はうと思つたとき、 シギパネルラが、 「ぼくはね、 ずゐぶんパドリングしたけれども遲れてしまつたよ。 ダツ…
【日曜日の連載シリーズ4月編】 銀鯖道の夜 十八 氣がついてみると、 さつきから、 ごとごとごとごと、 ジロバンニの乘つてゐる車が走りつづけてゐたのでした。 ジロバンニは、 父ちやんのキヤラバンの車室に、 窓から外を見な…