Canvas Purchase 9’8″
Chiristian Wach
今日はほぼ一日、
『波乗りの魅力』
そんなことを考えていた。
“滑走感”
だけならレンタルボードのサーフスクールで良いわけだし、
“スリル”
を求めるのならモーターサイクルでもこと足りるだろう。
私はここではもちろんのこと、
各誌コラム等で、
『波乗り=ライフスタイル』だと唱えてきた。
「それはつまり歩き方、食べ方、車の運転の仕方等々、
そんなことまでをも『サーファー』として、
“そうありたい”と熱望しているからこそのライフスタイル説なのです」
と言い切りたい。
波はときに激しく、強く、
そして恐ろしく自分を通り過ぎていき、
また静かに優しく包んでくれるのも波である。
その波の意志とまで言わないまでも、
波の芯や壁の動き、
水の合わさりかた、海底の流れと起伏。
そんなものまで感じられるようになって気づいたことは、
波乗りは技術でも体力でも、
はたまた知力でもなく、
ただただ「波乗り』なのだということ。
波に合わせて自身を”IN”、つまり乗せていくのがただ正しい。
真剣勝負とは少し違う、または全身全霊でもない。
いま私の感じている波乗りは、
波、いや海と、
自分を同期させることに注力していくこと。
そしてある日、突然そらが抜けるように世界が拡がっていく。
波乗りとはじつに不思議な行為であると思えてならない。
今日はそんな日でした。
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