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naki's blog

【naki’sコラム】vol.43 この海岸の両側にはメディアの作ったサーファーの像が多くたち並んでおり、黄昏を通過した夕暮れの中のそれは、俺たちを脅かす恐ろしい像に見えるのであった。

この洗脳時代にある諸兄諸姉の中で、抱き、抱かされてしまった呪縛を解き放ちたい方、または、ただ単に創始サーフィングに興味のある方は、『ある一節』
を下に掲げますので、春の、桜のつぼみや花を見られたときにでも思いだしてみてください。

“波乗りは、雑誌が発行されたときにその想像力を失った。”

 

これはつまり雑誌創刊以前の波乗りというのは、「それぞれの想いを乗せた滑走そのもの」だったはずだ。

昔、それもかなり昔はそれぞれ波乗り師の思うがままに海の、波を滑るだけの時代があった。

雑誌が現れてからというもの、乗る板切れはサーフボードとなり、波を滑る姿形は、テクニックとなった。

結果、サーファーのイマジネーションの知覚は消失し、すべて喪われてしまった。

 

そしていま、俺たちはその原型の輪郭に触れようと、明るくなりすぎたこの世界の闇を求め、見つけ出し、さらには想像の夜明けの気配を宿す。

そうでないと、「サーファーたちは自らが求めたお手本と、技術によって滅んでしまうだろう」そんなことを感じたので、ここに抵抗の文章を書き留めてみた。

こんな日も、ある。

ノースハワイは大きな南うねりが入っています。

昔も今も変わらないのが波。

そんな原始の希望に触れられる全てのサーファーたち。

そのお顔の全てが輝けるように今日はこんなことを書いてみました。

現在私たちをとりまくこの豊かな状況を「明るすぎる」とすると、不便さやその他全ては真っ暗な闇のなかにあると思うのです。

でもその闇を見つけることができたのなら、陽は未明の明るさで静かに昇りはじめるのでしょう。

そうなれば自分の求める波乗りというのが、その陽を背景にした影絵のように浮かび上がってくるはず。

その影絵の輪郭に自分の夢を乗せて、馳せる。

波乗りはそんな夢を受け止められるもの。

春というのは、秋と似ていて、ありとあらゆる思想が湧き出るようだ。

「波に乗る」
ということを想像した少年時代に立ち戻るいい機会だと思って、自分に向けてこんなことを書いてみました。

(2010.03.22)

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