【日曜日の連載シリーズ2月最終編】
銀鯖道の夜
十一
誰が投げたかスキツパーフィツシユが一つ飛んで來ました。
ぼうつと黄いろに見えるといふそれは、
鳥のやうにゆつくりめぐつたり、
滑つてずうつと向うへ行つてしまひました。
ジロバンニはわれを忘れてそれに見入りました。
【解説】
ジロバンニくんは、
夢のはざまへ行ったのか、
または何かしらのイメージを受けたのか、
ぼやりとした黄色の何かは、
スキッパーフィッシュというキャッチサーフ社製のサーフボードであり、
鳥に転化して飛び回ったようです。
そしてずっと遠くに行ってしまいました。
物語は続き、
「スキッパーフィッシュは、
波の上を飛びまわるようにショアブレイク付近に浮かんでいた」
と章が終わります。
ラッコ法王が登場する第4章で、
口笛を吹くシギパネルラが持っていたのは、
「黄色のスキッパーフィッシュ」だとここでわかりました。
タマサキのブルードラゴン(青龍波)では、
シギパネルラは消え、
黄色いスキッパーフィッシュだけがそこに残りました。
(12へ続きます)
文責:華厳旭 D.G.P.
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