こんにちは、
Canvas Arrowhead 8’4″
こちらは早朝からライアン・イングルとボードミーティング。
ライアンは、
Nation MFG
Canvas Surfboards
メインシェイパー、いやオンリーシェイパー。
ミッドレングスでありながら、
10フィートボードサイズ並のプレーニングをするボード。
これについて問うと、
ここにもライアンの理論がたくさん詰まっていた。
しかもそれを確実に具現化できるコンピューターシェイプのオペレーション。
そこからのトップダウンシェイプなのだから、
理論上デザインミスなど発生しないという確実さが彼のシェイプの持ち味です。
波は想像以上に早く小さくなってしまいました。
でもこれだけあればミッドレングスには最適であると言えます。
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お待たせしました!
大人気コーナーの
【テクニック編】です。
今回は「波を待つ場所」ということに着目し、
それを徹底解説してみることにしました。
「波乗りに有効な浅瀬」という大前提からです。
下の画像のその場所に赤く色を付けてみました。
この浅瀬というのは、
サーフスポットによってはリーフ、
岩盤、玉石、砂利、砂地のことです。
それらの混合もあります。
例えば砂と玉石のミックス、
そしてリーフと玉石、そして砂の3種というのもあります。
ちなみにサンオノフレは後者です。
波は浅瀬に沿って崩れて、
そして深みによって弱まる、または消失します。
上記しましたが、浅瀬とはさまざまな地形が複合し、
潮位やうねりの向きによって有効な浅瀬が変わってきます。
そしてビーチブレイクは砂なので、常に変化しています。
こうして図解にするとわかりますが、
大小の浅瀬が重なりあっています。
(そのアウトラインがわかるように各リーフに白で輪郭を付けました)
今度は逆の視点から上の画像を見てください。
「浅くない、または深い場所」
というのが波が来づらい、
または崩れづらいエリアとなります。
これを有効利用するにはどうでしたら良いのでしょうか?
乗るには良くないが…。
そうです。
この深みをゲッティングアウトゾーンとして使います。
そしてここで波を待っていてもいいのですが、
そこから乗れるのは2時間後か、
または来週になるかもしれません。(笑)
この深みは初心者たちの休憩場所、
または写真を撮ったりするのに最適な場所でもあります。
次に私が波を待つ場所。
または人に勧める位置、
つまり波を待つべき位置に黄色く点(ドット)を付けました。
この画像で一番沖にあるドットは、
最も難解かつ、上級者用と言えます。
タイラー・ウオーレンが、
10フィートオーバーのログで波を待つときはここにいますが、
なんといっても深く、リーフの存在がわかりづらく、
さらには前後左右に1点しかないので、
そこに正確にボードを合わせて、
最適なる角度でテイクオフしないと波に乗れません。
しかし乗ってしまえばご覧の通りのロングライディングが約束されています。
次のラインを見てみましょう。
ここはリーフが細くなっている箇所で、
私はここを好みます。
なぜなら大きい波だったり、干潮時は、
沖の浅瀬でブレイクするため、
ここに崩れた白波がやってきて、
その泡波からテイクオフしていく図式となるのですが、
じつは次のセクションであるインサイドリーフに乗り継げるのはこの位置からだけです。
混んでいるときは、ここを有効利用しています。
それはどんなに混んでいても、この位置には誰もいないことが多いのです。
サンオノフレ、という州立公園の性質上、初心者や中級者が多いので、
この浅瀬を知っている人は10%くらい、
具体的には周りに10人のサーファーがいて、
一人くらいがこの存在を知っている確率です。
なので、
待っている人全員が横一直線でテイクオフしてもこのリーフの上を走っていれば、
インサイドリーフに入ったときに他の人がいなくなっています。
要は途中の深みに淘汰されているからです。
ここで逆に困るのが、横ターン一直線の人。
泡波なので奧から来るのはかまわないのですが、
斜めに向けて、
こちら側のみに頑固にターンをされてしまうと、
横に逃げるしかなく、
少しすると二人ともこのリーフから追い出されてしまいます。
そこで、波が緩いのを利用して、
「波のトップで適度に失速させながらその人が通り過ぎるまで待つ」
というディレイ系のテイクオフ技を使います。
説明が遅れましたが、
サンオノフレはビギナービーチなので、
基本的に前乗りとか後ろ乗りの概念が存在していません。
(ピークは除く)
なので、同じ波に一緒に乗ることを
「シェアライド」と言い、
ジョエル・チューダーの掲げるダクトテープ論でもそれが美徳とされて、
シェアライド賞まであるのが歴史的なマナー&スタイル。
まあ、ここでワンマンワンウエーブにしていたら人の数に対して、
波数が一致しないという理由もあるのでしょうね。
合理的で平等な社会の姿です。
次に波を待つゾーンを色分けしました。
水色:今日一番の1本を待つ場所。トッププロ、または大きなボード、1〜5時間待てるゆとりが必要。
青色:最良最適のゾーン。上級者たちが多いので、彼らと同等のパドルスピードがないと、波の中で速度相違が起きて危険でもあります。
緑色:中級者は青とこの緑ゾーンにいればマンライ(満足ライディング)祭り確定。人は常に集まる性質を持つので、絶えず他のサーファーの集まりかたを気にして、人の少ない場所に移動すればハナマル。
オレンジ&赤:横に滑ることができる初心者の最適な位置。沖にある赤ゾーンは少し乗ると深くなる箇所。波が消失するので、沖から乗ってくる人が少ないためお子さんや波が怖い人に最適。経験の少ない初心者(サーフ歴1年未満)は浮くためにウエットスーツや浮き具を着用するといいですよ。
ムラサキ:まっすぐ滑る人たち用の波の待ち位置。
大切なのは何、どんな波に乗ることを考えるのか。
よく初級者が水色、青の位置にいますが、
たぶんこれだとほぼ乗ることはできないし、
または青のゾーンからテイクオフしたとしても、
上記しましたが、速度の相違が生じるので危険でもあります。
一番効率的なのが深みの横にあるリーフで波待ちすることでしょう。
私はいつもこんなところを見つけてサーフしている。
その5つの利点は、
1.沖に出やすい。
2.深みが横にあるので、何かあったときに波から離れられるので安全。
3.こういう場所はたいてい沖へと向かう流れがあるので。パドルアウトが容易である。
4.途中で誰も乗っていない波が来たらすぐに乗ることができる
5.同じ場所で乗っていると、波の分析がしやすい。
こんなところでしょうか。
サーフしている下の地形を読むことが良い波に乗る必須条件でもあります。
今日はここまでとし、
次回(日はまだ不明)は波の待ち方の意識について書いてみます。
それではどうぞすばらしい週にされてください。
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